継続の法則 自助努力のススメ 公認会計士 内藤勝浩のブログ

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経営者保証ガイドラインを斬るNo20 まず何をするか? その2

2014-07-08 17:49:17 | うんちく・小ネタ

 

 前回から日数が経ってしまいましたが、やっと時間ができました。
 経営者による債務保証の見直しについて金融機関と交渉しようとする場合に、次にしておくことは、目的を明確にするということです。
 目的は、次のようなものが考えられます。
 事業を従業員に引き継がせたいが、債務保証があることがボトルネックとなっているため、債務保証の見直しをお願いしたい。
 現在は、会社の業況に問題はないが、将来、どうなるかは分からないため、できる限り経営者の保証金額を減らしておきたい。
 経営者保証がないのが、地域における優良企業の証明のようなものだから、優越感にひたりたい。
 会社の財務状況が悪く、金融機関に債務免除をお願いして再建を図る必要があるが、経営者の保証債務があるため、債務免除等を含めた再建への一歩が踏み出せない。

 なぜ、目的を明確にする必要があるかというと、目的によって、債務保証の見直しの時期、中小企業が準備するもの等が違ってくるからです。
 事業再建の場合は、急ぐ必要があります。また、再建の方向が見出して再建計画を作成しなければいけません。
 事業承継の場合、経営者が高齢であれば、時期的な制約があります。この場合、事業承継をどのような形でするのかといった事業承継計画を作成する必要があります。
 現在の業況・財務状況に問題がなければ、急ぐ必要はありません。内部管理体制、財務基盤を徐々に向上させていき、金融機関との交渉も継続して行い、少しずつ債務保証額を減らしていくこともできます。また。金融機関の動向も見て、対応を考えることもできます。
 もうひとついうと、経営者による債務保証の見直しについて金融機関と交渉しないという目的も明確にしておいた方がいいでしょう。
 許認可や金融目的で粉飾決算をしている中小企業は、粉飾がばれてしまう可能性があるので、債務保証の見直しをしないということは考えられます。
 また、個人資産をすべて開示したくないから、債務保証の見直しをしないというのもありえます。
 借入額と比べて、かなりの個人資産を所有している場合等で、会社の業況・財務内容が良くない場合は、経営者保証の増額なんてこともあるかもしれません。
 財務状況や内部統制の状況が相当に良ければ、個人資産をすべて開示せずに、債務保証の見直しをすることも可能でしょうが、そうでなければ、少し考えることをお勧めします。
 先月、金融庁から「経営者保証に関するガイドライン」の活用に係る参考事例集が公開されました。次回は、これに関して、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 毎度のことで、いつになるか分かりませんので、拙著「本音を言わない銀行、言っても分からない中小企業の社長」でも読んで待っていてください。左のおススメの本から購入可能です。
 53歳のオッサン公認会計士でした。
 では、また。