仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

たちぎれ線香 / 桂米團治(五代目)

2020年10月11日 | エンタメ

落語『たちぎれ線香』桂米團治(五代目)。噺は、「親戚一同が集まって何やら話し込んでいる。自分の話をされているようなのが気になって仕方がない若旦那は、廊下を通った丁稚の定吉に話の様子を聞いてみるのだが、番頭から口止めされているという。二十銭で定吉を買収し、事の次第を聞いてみると、勘当するか、どこかの親戚に預けて厳しく修行させるか、"金喰い虫" の処遇について話し合った結果、番頭の進言が通ったことから、若旦那は乞食にさせられることが決まったという。どうにも腹の虫が収まらない若旦那は・・・」という内容。父親の代理として出席した寄合いでたまたま知り合った芸者・小糸に入れ込んでしまい、店の金に手を出すようになってしまった若旦那。どうしようかと案じた番頭が書いた筋書き通り、百日の間、蔵生活をすることになってしまった若旦那に小糸から毎日手紙が届いていたのだが、残念ながらそれが若旦那の手に渡ることがなかった。これは小糸が可哀想だ。さて、演者の五代目桂米團治師匠は、よく"ぼんぼん"と言われもしたようだが、実際のところは、兄弟子の桂ざこば師匠から "あほぼん"と呼ばれ、苛められていたという。(^。^)


はてなの茶碗 / 桂米團治(五代目)

2018年12月20日 | エンタメ
落語『はてなの茶碗桂米團治(五代目)。
噺は、「京都、清水の音羽の滝のほとりにある茶屋。有名な茶道具屋の金兵衛さん、通称"茶金さん"が茶を飲み終え、使った茶碗をいろんな角度から見たり、日に透かしながら、"はてな?"と首をかしげた。その様子を隣で見ていた油屋さん。置かれたばかりのその茶碗を店主から二両で買ったのだが・・・」という内容。
枕では、上方料理が京料理に、上方舞が京舞に呼称が変わったことを引き合いにして、京都と上方の関係について話されていたが、本来は京都ありきの上方という言葉であったはずなのに、大阪人があまりに上方という言葉を使いすぎるものだから、京都人が上方という言葉を使わなくなったという話はとても面白く、関西が一つにならない一番の原因は京都があることでございます」という話が面白かった。
まぁ、これはこの演目『はてなの茶碗』をより楽しむための振りであったわけなのだが、五代目桂米團治師匠の噺の構成は本当によく練られていると感心するばかりで、"ほんまもんのボンボン"ではないわけだ。
(^_^)

替り目 / 桂米團治(五代目)

2018年11月25日 | エンタメ
落語『替り目桂米團治(五代目)。
噺は、「引き手に、"人助けだと思って乗ってください"と言われ、自宅の前から人力車に乗った男。車輪が二回り半しかしていない。相当に酔っていた男だが、家で飲み直したいという。おかみさんに、"もう火種を落としたので、冷や酒で飲んでほしい"と言われた男は、ちょうど通りかかったうどん屋に声を掛け・・・」という内容。
人助けと言われたら乗らないわけにいかないとは言うものの、酔っぱらっているとはいえ、そこが自分の家の前だと分かっているから乗ったにすぎない。
何とか乗ってくださいと頼んだのは車屋さんのほうだから、怒るに怒れないところか。
(^。^)
さて、枕では、師匠であり実の父親でもある三代目桂米朝(1925年~2015年)師匠の話をされていた演者の米團治師匠だが、米朝師匠もなかなかの酒豪だったらしい。
酒にまつわるエピソードにはこと欠かないようだ。
(^_^)

代書 / 桂南天(二代目)

2018年03月05日 | エンタメ
落語『代書』桂南天(二代目)。
噺は、「読み書きの不自由な男が代書屋を訪ねてきた。履歴書の代書を依頼に来たのだったが、本籍と咳を間違えるし、詳しく聞くと風呂屋の向かいだという。姓を聞くと、背は五尺。生年月日を聞くと"生年月日"とオウム返し。どうにも困ったお客さんに、仕事が詰まっている代書屋はほとほと困り果て・・・」という内容。
「おたずねしますが、おたくは内緒屋さんですか?」とやって来た男。
もうここから期待させてくれる。
(^。^)
読み書きができない分、記憶力が良ければ、何とかなる部分も幾らかはありそうなものだが、残念ながらそこも期待できないのが残念だ。
ただ、身振り手振りの表現力には長けているようなのが面白い。
調べてみると、これは昭和十年代に四代目桂米團治(1896年~1951年)が自身の経験を元に創作した噺のようで、"古典落語"ということでもないらしい。
昭和十年代だなんて、充分過ぎるほど大昔だと思うのだが・・・。
(^_^;)
さて、演者の二代目桂南天師匠は、三代目桂南光師匠の弟子。
桂南天を襲名した際には、南天のど飴が後援となり、全国各地で襲名披露興行を開催したのだという。
芸は身を助けるというが、名も身を助けるようだ。
これは随分とありがたかったことだろう。
(^_^)