仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

富久 / 古今亭志ん輔

2018年03月21日 | エンタメ
落語『富久』古今亭志ん輔
噺は、「酒で仕事をしくじって町内からいなくなった太鼓持ちの久蔵。ある日ばったりと知り合いの旦那・六さんと出くわした。息子に身代を譲って楽隠居しているが、暇で暇で仕方がないので"富くじ"を売ってるという六さんから、なけなしの一文で買った富くじは、"鶴の一五〇〇番"。綺麗な番号過ぎてあまりに売れない番号なことから誰も買い手がなかったら自分で買おうと思っていたのだという。長屋に帰るなり大神宮様のお宮の中にしまい込んで手を合わせ、調子よくお願いをした久蔵。お神酒を下してちびちびやっているうちに寝入ってしまった。やがて夜の江戸の町に半鐘が鳴り響き・・・」という内容。
買った富くじを大神宮様(神棚)に置き、手を合わせる姿というのは容易に想像できる。
そして、当たったらああしようこうしようと妄想にふけるのも、きっと、現代の"ジャンボ宝くじ"を買う人はやっていることだろう。
(^_^)
「誰かには当たるよ。ただね、一俵の米俵をぶちまけた中から、目隠しをしたうえで一粒を掴むようなものだよ」と、なかなか売ろうとしない六さんも面白い。
それは、一分の金もキツイだろう今の久蔵のことを思ってのことだったのだが、いざという時のために着物の襟に縫い付けてあった一分でそれを買う久蔵。
運があるのか運がないのか。
もうやけっぱちだったのか。
(^_^;)
"富くじ"と"火事"という江戸の町を特徴づける事柄を題材にした、なかなかに面白い物語だし、酒で失敗するという、これも多くの人が経験しているだろう話が基本になっているのも分かりやすい。
枕では、自身の飲み過ぎた話をされていた古今亭志ん輔師匠だが、そりゃぁ四軒も梯子すりゃぁ・・・。
(^。^)