仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

芝居の喧嘩 / 柳家権太楼(三代目)

2021年09月19日 | エンタメ
落語『芝居の喧嘩柳家権太楼(三代目)。
噺は、「大入満員で賑わっている芝居小屋。若い者が客に "お膝送り" をお願いしていたところ、座布団を敷いていない男を見つけた。"伝法" だと思い、掴み出そうとして喧嘩になってしまうが、この男は木戸銭を払っている正真正銘の客なのだった。幡随院(ばんずいん)長兵衛の子分・雷の重五郎だと名乗り、"元締めに会わせる顔がねぇ。さぁ殺しやがれ!!"と大の字になると・・・」という内容。
すっかり騒ぎになったところへ、桟敷席を貸し切っていた旗本・水野十郎左衛門の仲間、白鞘組の四天王の一人だという金時金兵衛が降りてきて、重五郎に手を出すのだが、両方から次々に大物が出てくるので、騒ぎはさらに大きくなっていくのだった。
"伝法" というのは、只見の客のことを言うのだそうで、木戸銭を払って入場した客ならば、必ず座布団を敷いているのだが、芝居小屋の側に間違いがあって、この男に座布団を渡していなかったことが発端だったようだ。
客の重五郎にしてみれば、自分にはまったく落ち度がないのに、首根っこを掴まれ、殴られてもしまったのだから、怒って当然だ。
さて、演者の柳家権太楼師匠は、他の落語家さんと同様に落語を収録したCDやDVDを出されているが、『江戸が息づく古典落語50席』という落語の解説本も出されているようなのが面白い。