仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

雪とん / 入船亭扇辰

2018年03月25日 | エンタメ
落語『雪とん』入船亭扇辰
噺は、「日本橋の小網町にある船宿。はるばる江戸見物に出てきた田舎の若旦那・庄之助が二階にやっかいになっていた。ところがどうしたことか、この二~三日ふさぎ込んでいる様子で部屋に籠っている。心配した女将さんが事情を聴き、お医者さんでも呼びましょうかと言ってみたところ、三日ほど前に偶然見かけた若い娘のことが忘れられずにいるのだという。恋煩いというわけだ。その本町二丁目の糸屋のお嬢さんにどうしても会いたいと言う若旦那に、口利きを約束した女将さんは・・・」という内容。
「無理だと思いますよ」と言いながらも、井戸に身を投げて死んでしまうという若旦那に約束をした女将さんは、女中のおきよに二両を包んでお願いする。
二両だなんてナカナカの金額だと思うのだが、若旦那の父親にはよほど世話になったのだろう。
どうしても若旦那の思いを叶えてあげたかったわけだ。
ただ、「私はお金で動く女じゃありませんよ」と言いながら早速二両を懐にしまい込んだおきよの早とちりで、話はそうそう上手くは進まない。
そもそも、着ぶくれしたうえ、さらに蓑を着て行こうとする田舎の若旦那が、本町こまちに気に入ってもらえるわけなどないことは、おかみさんもきっと想像できていたはずだ。
(^。^)
『雪とん』という題目は、落語家の仲間内で"府庁"として使われていたものが近代になっても改題されず、そのまま残っている珍しい演目のようで、下駄の歯に挟まった雪を落とす音だなんて、現代では聞くことができない音。
これは分からない。
さて、演者の入船亭扇辰師匠は、"扇辰日和"という独演会を続けているようで、入場料ではなく木戸銭と表記しているところがにくい。
(^_^)