ノルウェーの研究グループが全く新しい半導体の製法を見つけだした。それはグラフェン(HP2.2A1参照)上に化合物半導体GaAsナノワイヤーを垂直に成長させたものである。ナノワイヤーはグラフェン面上に規則正しく分布している。ナノワイヤーの長さは1ミクロン程度である。このハイブリッド材料は半導体として動作する。その厚さは、現在用いられてシリコンの厚さの数百分の1でほぼ透明である。ベースとなるグラフェンはシリコンより電気伝導度が高く、また温度によって変化しない。GaAsは電子の移動速度が速いなどシリコンに比べると優れた性質をもっている。差し当たってLEDや太陽光発電パネルへの応用が考えられている。窓にTVスクリーンや太陽光発電パネルの機能を持たせることも可能になるかもしれない。またこのハイブリッド半導体は柔軟性をもっているので、携帯電話のスクリーンを腕時計のよう腕に巻きつけることが出来るようになるかもしれない。
http://www.nanowerk.com/news2/newsid=26851.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.UGZXXqhDEP8.google
このハイブリッド半導体の製法をアニメーションビデオ(http://youtu.be/3wLOXHRVVwQ)を見ながら説明しよう。ビデオではまず超高真空装置の中が現れる。手前にグラフェンが設置されていて、窓が開くとガリウム原子ビームが飛び出してくる。ガリウムは液滴となってグラフェンの上に規則正しく配列する。次にその様子の説明がある。さらに、今度はヒ素原子ビームの窓も開く。ガリウム原子とヒ素原子は液滴とグラフェンの接触面で結合しGaAsナノワイヤーが一層ずつ垂直に成長する。数分で1ミクロンに達するという。
これまで半導体ナノワイヤーは厚い支持台の上に成長されていた(12/7,8参照)。この点でもこの研究は画期的である。
ビデオではCrayoNanoと共同開発中と述べているが、サムソンやIBMも興味を示しているという。
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