ナノテクノロジーニュース

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アメリカエネルギー省(DOE)の戦略的プラン

2011-11-15 | 日記

最近、アメリカのエネルギー省(DOE,8/16,23,9/1参照)は2011年から2020年にわたる戦略的プランを発表した。概略を紹介しよう。

まずDOEの使命は、「エネルギー、環境、原子力関連への科学技術的挑戦を通して、アメリカの国家安全と繁栄を維持することにある」としている。さらに、次のようなゴールが掲げられている。すなわち、クリーンエネルギー技術のリーダーシップを維持すること、経済発展の礎石となる科学技術を推進すること、原子力の安全性を確保すること、各省庁の連携を深め最高の機能が発揮出来るようフレームワークを作成することとある。

「エネルギーシステムの改革」という項があり、その中に「現存する技術を有効に利用せよ」、「新しい解決法を見つけよ」というサブ項目がある。技術の有効利用のサブ項目では、まずグリーンハウスガス放出を2020年までに17%、2050年までに83%(2005年を基準とする)としたうえで、エネルギーの利用効率の増進を掲げている。さらに、現存する技術を活用して、2012年には再生可能エネルギーの利用を倍増するとしている。このサブ項目では、さらに電気系統のグリッドの充実が掲げられている。

新しい解決法を見つけるというサブ項目では、研究の推進と得られた技術の企業へのトランスファーの重要性が強調されている。テクノロジートランスファーは最近各国とも重視している問題である。DOEの計画では、新技術に興味を示すベンチャー企業を積極的にサポートするなど、その効率化を計るようである。

具体的な研究項目については、DOEが抱える国立研究所の大型研究の内容などが書かれていて、いささか総花的である。ナノ材料を含めて材料の開発が諸問題解決の重要因子であることが強調されている。

我が国の科学技術基本政策は具体性に乏しい。経済産業省とNEDO(8/30参照)の戦略的プランを知りたいものだ


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