前回に引き続きグラフェン、すなわち単原子厚さで結合した炭素原子のシートの応用を紹介しよう。グラフェンは強くまた化学的に安定でしかも電気をよく通すという優れた性質を持っている。オーストラリアとアメリカの共同研究グループは、グラフェンで金属をコートすることにより金属の耐腐食性を格段に増大出来ることを示した。彼らは800から900℃でグラフェンを銅の表面に付着させた。その結果、耐腐食性が100倍以上増加したという。通常コーティングによる耐腐食性の増大は5、6倍程度だという。したがってグラフェンのコーティング効果は絶大であるといえる。しかも通常のコーティングと比べてグラフェンコーティングは化学的にも安定である。
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この研究グループは、すでにニッケルやステンレススチールでも同様の耐食性があることを確認しているという。またさらにもっと低い温度でのコーティングで同様の効果が得られないか検討中であるという。炭素原子は地球上に有り余っている。グラフェンによるコーチングが実現すればその影響は大きい。
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このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。
あと国産エンジンのダウンサイジング化が叫ばれているのも盛り上がりの一要因かもしれません。