電磁波を受信したり送信するのに用いられるアンテナのサイズは電磁波の波長と同程度であることが必要だ。従来光の制御には鏡、レンズ(光の屈折による)などが用いられているが、これらはレンズの概念とは程遠い。ナノテクノロジーの進歩に伴って、光の波長のサイズのアンテナを加工したりまたナノ粒子を配列させたアンテナが開発されている(8/2,13/12,9/9/12参照)。アンテナは自由に伝搬している電磁波のエネルギーを集中させたりまたはその逆の動作をするもので、もちろんレンズ(1/23,9/21/12参照)の役目を果たすことも出来る。
ドイツの研究グループは、DNAの助けを借りて2個の80-100 nmの金ナノ粒子を数10ナノメーター間隔で並べると、光をナノ粒子の間に集光させナノレンズとして作用することを明らかにした。DNAは高い精度でいろいろな形に成形でき、また粒子を付着させることが出来るのでナノ粒子の自己配列など種々の操作に便利が良い(HP2.1C6参照)。2個の金ナノ粒子はDNAに付着しているが、さらに色素を付着させ、集光の結果色素が強い蛍光を出すことを示した。
http://www.nanowerk.com/news2/newsid=27097.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.UItRxkm_qWM.google
このように光を小さい領域に集光出来ると、とくに生物現象などの観測にのに威力を発揮するものと期待されている。また光がナノ粒子とどのように相互作用するのかを明らかにすることはナノオプティクスの基本であろう。この分野での貢献も期待されている。
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