再生可能エネルギーを活用するためには、出来るだけ多量の電気エネルギーを貯蔵し、必要に応じて放出するシステムが必要である。現在のところ、この目的を達するのは蓄電池(11/1,25,6/17参照)とスーパーキャパシター(11/26,3/19)であるが、これらにはいずれも限界がある。
フィラデルフィアにあるDrexel大学の研究グループは、蓄電池とスーパーキャパシターを組み合わせたような全く新しい手法で、大容量電気エネルギーストレージシステム、電気化学フローキャパシターを開発している。その原理を下図を用いて説明しよう。正負の電極の間にはイオンを通す絶縁性膜を隔てて、カーボン粒子を含む電解液(スラリ、懸濁液)が満たされている。充電を開始すると、陽極側のカーボン粒子が負に、陰極側のカーボン粒子が正に帯電する。帯電したスラリを下のレーザーバーに蓄え、上部のレーザーバーから帯電していないスラリを補充する。放電の際はこれと反対の操作を行う。普通の電池と比べてレーザーバーに蓄えた電荷に応じ余分の電気エネルギーを蓄えることが出来る。
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この研究グループは、すでにプロトタイプの装置を作成し実験を行っている。カーボン粒子には、表面積が大きい球形のボーラスカーボンが用いられている。これまでに電解液を流して蓄える酸化還元フローバッテリが開発されているが、それに比べると充電放電の繰り返し回数を多く出来るという(100万回)。また、リチウムイオン蓄電池に比べると10倍以上の電荷を蓄えることが出来るという
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