太陽光発電の研究は大変盛んでいろいろなニュースが飛び交っている。まず最近発表された各国連合チームの発電効率測定結果の論文から、シリコンと有機半導体の結果を下に示す。モジュールと記したものがすでに発電パネルとして使われているものである。このほか化合半導体では30%近い効率が得られているものもあるが、価格の点で実用には向かないだろう。
M A Green, Prog Photovolt Res Appl 20 (2012) 12
シリコン結晶の場合、理論的に得られる効率の最大値は34%である。残りの66%は、禁止帯の幅より小さいエネルギーをもつフォートン(11/18,19参照)がシリコンに吸収されないことおよび禁止帯の幅より大きいエネルギーをもつフォートンが一対の電子・正孔しか作れなくフォートンと禁止帯の幅のエネルギー差が無駄になってしまうことによる。薄膜で結晶と比べて効率が低いのは電子の動きが悪いからである。
有機半導体薄膜で得られた値は、いくつかの種類の有機半導体を積み重ねたタンデム型での結果である。モジュールとしては今のところ余り高い値が得られていないが、その特徴は柔軟性に富んでいることである。
量子ドットの場合は、フォートンのエネルギーが禁止帯幅の2倍以上の時、2個以上の電子・正孔が生じる確率が高い。Kanekaは、アモルファスシリコンとナノ結晶層を用いて12.3%の効率が得られたと報じている。
これまでの太陽こに関する記事を下に示す。
太陽光発電 | 酸化チタン | 10/25/11, |
シリコン、ナノワイヤー | 10/25/11, | |
シリコン上限 | 9/22/11,10/26/11 | |
有機半導体 | 10/9/11、 | |
化合物半導体 | 10/26/11, | |
原理 | HP2.1E1 | |
効率 | 10/26/11,1/4/12, |