ナノテクノロジーニュース

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Janusナノ粒子の効用:光触媒作用の効率化

2012-09-17 | 報道/ニュース

以前ナノ粒子のコアシェル構造について述べたことがある(4/12,16,9/4/12参照)。コアシェル構造とは、球状のコアとなるナノ粒子を、コアとは異なる他の材料でコートしたものである。それぞれの材料が持つ特性を生かすことができ、種々の応用が考えられている。

Janus構造とは、下図に示すように2種類の材料が構成する半球を接着させたものである。Janusとはギリシア神話に出てくる二つの頭を持った神の名前である。コアシェル構造とは異なって、表面が2種類の材料で構成されている。通常は球状ナノ粒子の表面の半分を他の材料でコートすることによって作成される。たとえば動物の細胞と付着しやすい材料と全く細胞を付着させない材料で構成されるJanusナノ粒子は、動物の細胞に付着して保護するのに利用出来る。ポリエチレン繊維を親水性と疎水性をもつJanus粒子でコートすると、親水性の部分が繊維に付着し繊維の疎水性が増大することも示されている。

シンガポールの研究グループは、Janus構造が太陽光による水分解用触媒(10/18参照)の効率を増進させることを示した。彼らが用いたJanus構造は、球形の酸化チタンナノ粒子に球形の金ナノ粒子を付着させたもので、通常のJanus構造とは少し異なっている。金ナノ粒子は光を吸収してプラズモン(11/17,12/21,1/23参照)を誘起する。プラズモンのもつエネルギーで酸化チタン中に電子正孔対が作られ水を分解するが、その効率は金ナノ粒子を酸化チタンでコートしたコアシェル構造のものの2倍程度になるという。また金ナノ粒子の半径を大きくすると効率が増大するという。未だ実用に供することが出来る段階ではないが、触媒作用の機構を明らかにする上でも重要な結果であるという。
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1 コメント

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新幹線男。 (電車男。)
2013-01-07 19:34:30
勿論プラズモンはデジモンシリーズのデジモンの一種ですよ。
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