真説・弥勒浄土      

道すなわち真理の奇蹟

第二章 天人一貫の妙理 (六)気天・象天の変化

2024-03-17 21:26:46 | 天道の淵源

(六)気天・象天の変化

気天や象天は気体や形象を有していますから奇数があり限界があります。

およそ陰陽二気によって循環する物体や気天にはすべて変化があり、変化があれば終始があります。

万物は四季の暦数の巡りとともに気候が変化し、歳月の経つに従って生盛氏、壊滅してしまいます。

孔子様は「物に本末あり、事に終始あり、先後するところを知れば、すなわち道に近し。」といわれました。

大道の奥義に徹するには、まずその由来・根本を知ってからこそ始めて、その末端未来を知り透せるものであります。

大学に「その本乱れて末治まるものはあらず。」とあります。

根本を確立してこそ、すべての創造から万事万端の理に通ずるものであります。

物体や事物には終わりや始まりがありますが、その中の主軸たる所の理は万古に不変です。

生滅が繰り返されているのは、限界や感覚に映ずる物象自体であって、それを貫く真理は無限であり、とこしえに易(か)わざるものであります。

釈尊は「あらゆる象あって執(と)られ、形あって見られるものは皆、虚妄であり生滅の幻想にすぎず、毀滅(きめつ)する一切の有為の法は夢幻泡影の如く、又露電の如し。まさにかくの如く作(な)して観るがよい。」と述べられましたが、これは有為の永遠性を否定し、われわれが短時的存在の物象や瞬間的に変化してしまう問題に執着したり、貪欲することを戒められているのです。

仮相であることを見極めた時に真相を見る眼が開かれ、瞬時に消滅する幻影だとわかった時には連鎖的に久遠に輝ける真諦を求めようとする念が起こるべきです。

聖人は強くそれを望んでいたことを言詞(ことば)の節々に感じ執ることができます。

浮世は常ならず、百年の人生は旅の一刻にひとしいのです。

時間の長短や空間の大小は感覚する人によってそれぞれ異なってきます。

蝉は地上での寿命は三日間か一週間で終わると聞いています。

蝉にとっての長い生涯もわれわれから見ればわずかな間でしかありません。

得意になってわが世の春を謳歌している蝉の鳴き声も、われわれが聞けば哀れの情に誘われるから不思議なものです。

より永遠に覚(めざ)めた人は慧眼(えいげん)・法眼(ほうげん)をもって一切を見通すのですから、百年の人生も三日にしか思われないでしょう。

物象に不変的な価値を感じた人は迷路にはいった証拠です。

色あせやすく、すぐ壊れ去る物質を真常にして永続できる物と錯覚するのは、その人の真眼が盲(めくら)色盲に違いありません。

起源があって終焉(しゅうえん)がある五行の世界の変遷は甚だしく、絶え間ない陰陽の循環を受けて万物は変化、消長や新陳代謝をしています。

気天・象天も同じく、定まった期間を経過したら壊滅して無極に帰(き)さねばなりません。

構成されている原子の密度によって変化が早い遅いだけであって、いかに剛(かた)い物であっても自然の風化作用によって瓦解(がかい)していくのを防ぐことはできません。

会・世・運・年・月あるいは日・時・分・秒と時刻の流れに沿って移り変わって行くのです。

天地の一大元は十二万九千六百年をもって終焉します。

それを半分に割って前六万余年が陽であり、世界が開発してゆく期間です。

つまり、黎明期(れいめいき)から成熟期に進む年代です。後六万余年が陰であり、世界が閉息してゆく期間です。

すなわち絶頂時から衰退して還源する時代です。

今が丁度、午の会が過ぎて未の会に交替する線の上を通っている時代であり、地球の陽数が尽きて陰数の時に入り初めたところです。

「否極泰来(ひごくたいらい)」といわれます。

悲運の極に幸運が運(めぐ)ってくる意味ですが、逆に繫栄も極に至れば衰退します。

物が極に達せば必ず反した状態に反るのです。

一年でいえば秋の気候であり、秋風飄々(あきかぜひょうひょう)として落葉が根に帰る季節であります。

ちょうど一日の陰は午後に始まり、強烈な太陽も灼熱まさに力を失いつつある時にたとえられましょう。

人の陰は壮年に始まります。

今の時代はちょうど人生の半分をたどっている頃に当たります。

結局、名利恩愛、富貴栄華は一場の夢にすぎず、寿命の尽きた時には所有のも野をすべて捨てて、生まれた時と同様、空手のままで去らねばならないでしょう。

陌上(はくじょう)の塵にひとしい人生は、実に浅薄な泡末夢幻の芝居劇であります。

この理を突き詰めてゆけば天は大天であり、人の身体は小天であることがわかります。

大小の差こそありますが、その理は密接に連携して切り離されないし、その動きは寸分も違わないことがわかります。

究極、壊れないものは理天であり霊魂であり、大自然の極まりない妙法であります。

それによって支配される一切の現象で悠久的に存在するものは何一つありません。

凡(およ)そ世間の事物には幻相と仮相と実相があります。

幻相とは夢幻のごとく全く虚妄なる相であり、仮相とは、字の如く、仮りの相であるから、しばらくあって後にはなくなるものであり、実相は真実の相であるから永久に滅びない体であります。

数多くの人々が、幻相、仮相に執着し、偏(かたよ)、寿命尽きて狼狽し不滅の世界に憧れ始めます。

幻相・仮相は、あたかも露あり泡であり、実相界こそ真の世界あり、不滅の世界であり、老〇様(ラウム)の、在(ま)します極楽天であり、われわれの故郷あります。

続く

理天・気天・象天の関係図


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