十九、明確なる志願目標を立てて、達成に尽瘁(じんすい)すべし。
計画なくば闇夜に這いて歩む如く遅く、立つれもば白昼に駆けるが如く速やかなり。
その場限りの思い付きにて行ぜば、遂に事成る時なからん。
立願は、志気を振るわせ実践を与え功績を齎す最上の必須条件なり。
常に志に照らして道を誤ることなかれ。
天監は厳格にして、一毫(いちごう)も洩らすことなからん。
以上数箇条を列するも皆、悉く外功に繋がる内功の義なり。
今、當に世は激動の時期にして、前世よりの因果の応報清算甚だしく、殺害は至る処にて行わる。
道内と雖も亦洩れず。
紛紛としてその忠志を試さる。
試練を受けて無きが如く無自覚なる時こそ、最も身を慎め。
九分九厘功を積むも、後一厘に躓(つまず)けば悉く崩壊し微塵だにも無し。
実に天の真実霊眼は隈(くま)なく被(おお)いて誠の真偽を判別する。
小局を見れば大局を失い、以って全体を誤るなり。
誠に縁を問わるるか、份(ぶん)を問わるるか、時命が来れば縁份切れし者は乱る。
是れ悉く徒(でし)皆に言える事なり。
帰天する最後まで、是非善悪を量られ、昇降を定めらる。
誠に慎むべき哉(かな)。
又、恐ろしき事哉。
常に身を低くして心を下して、天言師勅に報答すべし。
高く上がる程に身を慎み、天意の定めし処に心命を置くべし。
自説・自論に執(とら)われず、自行自験に牽(ひ)かれず、無心無我なる心眼にて一切を判断すべし。
中心を誤まらば一切が誤まる。
善徳を失わざるべく刹那(せつな)に天上の声を聴け、余、弓長の本心を尋ねるべし。
完