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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

ありふれた氏とは

2015-09-15 09:48:43 | 日記

「ありふれた氏又は名称」とは、原則として、同種のものが多数存在するものをいいますが、例えば、「50音別電話帳(日本電信電話株式会社発行)」等においてかなりの数を発見することができるものをいいます。

これを仮名文字又はローマ字で表示したときは、原則として「ありふれた氏」に該当します。ありふれた氏、業種名、著名な地理的名称(行政区画名、旧国名及び外国の地理的名称を含む。)等に、「商店」「商会」「屋」「家」「社」「株式会社」等を結合してなる商標は、原則として、本号でいう「ありふれた名称」に該当します。ただし、行政区画名と業種名とを結合してなる会社名については、普通に採択された名称である場合でも、他に同一のものが現存しないと認められるときは、該当しません。

例えば、 「ありふれた名称」でないもの日本タイプライター株式会社、日本生命保険相互会社等が該当します。本号における「普通に用いられる方法で表示する標章」については、別途、紹介しますね。さて、(1) 動き商標、ホログラム商標及び位置商標を構成する文字や図形等が、ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示するもののみからなる場合には、原則として、本号の規定に該当します。

(2) 動き商標が、点が動いた軌跡が線で表され、それがありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示するもののみからなる場合は、原則として、本号の規定に該当します。(3) ホログラム商標が、見る角度により別の表示面が見える視覚効果が施されており、ありふれた氏又は名称が普通に用いられる方法で複数の表示面に分割されて表されているもののみからなる場合には、原則として、商標全体として本号の規定に該当するものとしています。

最後に、ありふれた氏又は名称を単に読み上げたにすぎないと認識させる音商標は、原則として、本号の規定に該当するとしています。いずれにしても、新たな商標については未だ判例がないので今後審査基準も見直される可能性もある


頑張れ山梨!!(地域団体商標)

2015-09-15 09:29:57 | 日記

大塚にんじん(おおつかにんじん)
商標登録
第5579893号
商 標
大塚にんじん
権 利 者
西八代郡農業協同組合
(山梨県西八代郡市川三郷町市川大門1801)
指定商品又は指定役務
西八代郡市川三郷町大塚地区産のにんじん
連絡先・関連HP
連 絡 先:055-230-3056
関連HP:http://www.ja2482.jp
商品・サービスの特徴
市川三郷町大塚地区では、土壌が深くきめ細やかで、石がない肥沃な土地のことを「のっぷい」と言い、昔から品質の良いにんじんやごぼうなどの根菜類がよく穫れる地域です。栄養豊富な「のっぷい」に育てられた大塚にんじんは、濃い鮮紅色で独特の風味と甘さがある太くて長いにんじんであり、収穫時には、80cm~120cmにもなります。
また、通常のにんじんと比べると、カロチンは1,5倍、ビタミンB2は3倍、ビタミンCは2,3倍と栄養豊富です。


慣用されている商標とは

2015-09-14 10:39:32 | 日記

慣用されている商標って知っていますか?これは、同種類の商品又は役務について同業者間において普通に使用されるに至った結果、自己の商品又は役務と他人の商品又は役務とを識別することができなくなった商標をいい、例えば、次のようなものが該当します。

(1) 文字や図形等からなる商標
「正宗」(清酒)
「オランダ船」の図形(カステラ)
「観光ホテル」(宿泊施設の提供)
「プレイガイド」(興行場の座席の手配)

(2) 色彩のみからなる商標
「赤色及び白色の組合せ」(婚礼の執行)
「黒色及び白色の組合せ」(葬儀の執行)

(3) 音商標
「石焼き芋の売り声」(焼き芋)
「夜鳴きそばのチャルメラの音」(屋台における中華そばの提供)

(4) 動き商標、ホログラム商標及び位置商標を構成する文字等が、商品又は役務の
慣用商標のみからなる場合には、原則として、本号の規定に該当するものとする。
(5) 動き商標が、点が動いた軌跡が線で表され、それが商品又は役務の慣用商標を
表す文字等を描く場合には、原則として規定に該当するものとする。

(6) ホログラム商標が、見る角度により別の表示面が見える視覚効果が施されてお
り、商品又は役務の慣用商標を表す文字等が複数の表示面に分割されて表されて
いるもののみからなる場合には、原則として規定に該当するものとする。
(7)商品又は役務の慣用商標を単に読み上げたにすぎないと認識させる音商標は、原則
として規定に該当します。解り易くいえば「識別力の有無」の問題と言えます。


頑張れ三重!!(地域団体商標)

2015-09-14 10:18:39 | 日記

伊賀焼(いがやき) 商標登録第5433118号
伊賀焼振興協同組合
(三重県伊賀市丸柱169番地の2)
伊賀焼陶磁器工業協同組合
(三重県伊賀市丸柱474)
三重県伊賀地域に由来する製法により
同地域において製造された陶磁器製食器類など
連 絡 先:0595-44-1701
伊賀焼の歴史は古く、奈良時代までさかのぼります。 平安時代末期から鎌倉時代の初めごろに本格的なやきものの産地として発展し、室町時代の終わりから桃山時代にかけて侘び茶が広まると、個性的な伊賀焼は茶の道具として注目されるようになりました。その後、伊賀焼は江戸時代中期に一時衰退しましたが、18 世紀中ごろに伊賀の土を活かした日用雑器の生産が行われるようになり、現代の基礎が作られました。伊賀焼は昭和57年に伝統工芸品として指定され、伊賀市の丸柱を中心に造られています。製品は土鍋や行平、食器や茶陶など、多岐にわたり、また、伝統を生かした新製品の開発も行われています。


記述的商標とは?

2015-09-11 09:43:48 | 日記

商標登録は、他人の登録がないと商標登録できると考えている者が結構見受けられます。これは大きな間違いです。ところで、「記述的商標」は登録になりません。では、記述的商標とは?

その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は、商標登録を受けることができません。

例えば、商品「ワイン」について「フランス」(産地)、役務「衣服の貸与」について「婚礼」(用途)であれば、「記述的商標」となります。この「記述的商標」が商標登録できない理由は、「これらは通常、商品又は役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから何人も使用をする必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものだから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、多くの場合にすでに一般的に使用がされあるいは将来必ず一般的に使用がされるものであるから、これらのものに自他商品又は自他役務の識別力を認めることはできない(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説)。」からとされています。

ま~、一言でいえばこのとは「誰もが欲しい商標」ということかな。さて、商標登録されれば商標権者以外は勝手に使用できなくなるので、登録させてはマズイ商標は登録を認めないよということですね。記述的商標の追加例:商品について、産地・販売地:バッグに「東京赤坂」、品質:清酒に「吟醸」、原材料:洋服に「WOOL」、効能:入浴剤に「疲労回復」等々。数量・形状・価格・生産方法・・・。

役務では、提供の場所、 飲食物の提供に「札幌ススキノ」、用途: 衣服の貸与に「葬祭」、態様: 飲食物の提供に「セルフサービス」、提供方法: バスによる輸送に「貸し切り」、時期:英会話の教授に「夏休み講座」・・・。

しかし、例えば、鉛筆に「疲労回復」であれば「記述的商標」に該当せず、商標登録できる可能性があります。いづれにしても、自ら創作した商標が世の中に出回わり商品・役務が売れれば営業としてはハッピーですね。