なんとなく、今回のオリンピックのロゴ問題から法律が見えてきた。結果は、2020年に開催される東京五輪公式エンブレムのデザイン取り下げが決まった。ベルギーのデザイナーが著作権侵害で訴えるなど、知的財産権侵害の指摘が相次いでいた。
ロゴやマークのデザインはどこまで似ると違法になるのか線引きが難しい。ところで、ロゴやマークのデザインはどんな権利で守られるのか。それは、3つの権利での保護が考えられる。商標法・著作権・不正競争防止法の3つだ。
これは、国際的にも共通する。思うに、最も確実なのが商標法だ。ロゴやマークを分野(例・衣服)を指定し類似を判断する。ところで、商標の類否の判断は、商標の有する外観・称呼および観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察して決められる。
また、これら要素の観察方法は、全体的で隔離的な観察によるものである。ここで隔離的観察とは取引における経験則に基づき場所と時間を異ならせて類比を観察する方法であり、この隔離的観察が2つの商標について判断される。これは、2つの商標の自他商品の識別の状況に即したものと考えられている。