特許庁は毎年度、特許・意匠・商標審査の質についてのユーザー評価調査を行っています。今年度調査の結果、審査の質全般についての評価は、いずれも5段階評価の4以上の高い評価の割合が昨年度より増加しました。
特許庁では、引き続き審査の質の向上に努めてまいります。
1.本調査の背景・経緯
特許庁は、企業のグローバルな事業展開を支援し、イノベーションの促進に寄与すべく、ユーザーに満足される審査の実現を目指しています。
ユーザーに満足される審査を実現するには、産業財産権制度ユーザーのニーズや期待を適切に把握することが不可欠です。そこで、特許庁は、特許・意匠・商標審査の質についてのユーザー評価調査を行っています。
2.調査結果の概要
(1)特許審査
図1.特許審査の質全般の経年変化
【調査結果のポイント】
特許審査を構成する手続毎の評価についても調査したところ、拒絶理由通知書等の記載が特に高い評価を受けましたが、進歩性の判断、明細書・特許請求の範囲の記載要件の判断等の評価も概ね向上しました。
【今後の課題】
外国語の特許文献の調査、非特許文献等の調査を含む先行技術文献調査は、今後も引き続きその質の維持・向上に努める必要があります。
(2)意匠審査
【調査結果のポイント】
意匠審査を構成する手続毎の評価についても調査したところ、「コミュニケーション」について特に高い評価を受けました。
【今後の課題】
「拒絶理由通知等の記載」や「判断の均質性」については、今後も引き続きその質の維持・向上に努める必要があります。
(3)商標審査
【調査結果のポイント】
商標審査を構成する手続毎の評価についても調査したところ、「拒絶理由通知書における必要な説明・理解しやすい文言」が高い評価を受けました。
【今後の課題】
「識別性の判断」及び「審査官間の均質性」等については、今後も引き続きその質の維持・向上に努める必要がある項目です。
特許庁では、ユーザー評価調査の実施時期や調査対象者の選定等の実施方法について、今後も必要な改善を図りつつ、ユーザーニーズの継続的な把握に努めて参ります。