国産のワインや焼酎などの酒類が産地名を用いた商標を登録しやすくするため、特許庁が審査基準を明確化することが29日、分かった。商標申請を増やして「埋もれた国内ブランド」の掘り起こしにつなげたい考えだ。商標を保護して輸出拡大を図る狙いもある。新しい審査基準は来年4月に施行する。
酒類の商標では、世界的に産地そのものが品質やブランドに直結していることから、他国・地域の産地名を使った商標が認められないことを具体例を挙げて明記する。ワインの場合、フランスのシャンパーニュ地方で生産されたもののほかは「シャンパン」を名乗れないという規制がある。日本でも2013年7月からワインの産地である「山梨」を他の地域のワインの商標に使用できなくなっている。
特許庁は、具体例を示すことで、まだ商標登録していない国内各地の商品の申請を促し、知名度の低い国内の優良な農産品の発掘を知的財産の側面から後押しする考えだ。また、国内の商品は中国企業などが無断で地名を商標登録する「悪意の商標出願」の被害にさらされている。特許庁は、事業者に商標の取得を促すことで国内ブランドの保護も図る。さて、本当に国内のブランド保護につながるか?