豊予海峡の西側地域、佐賀関産の魚は、「関もの」と呼ばれる。「関もの」は急な海流にもまれて育つことが功を奏し、引き締まった肉質を持つ上に、適度な脂肪があり、今や美味しい魚の代名詞となっている。
88年から、大分県佐賀関町漁業協同組合がPR活動を展開したことにより、あじとさばのブランド化が確立した。元々美味しいことに加え、その美味しさを保つために、漁業関係者から流通業者まで一丸となった取組みを行っている。網や他の魚と擦れて鮮度が落ちることのないように、一本釣りで捕獲し、配送は個別・少数に分けてゆったりと配送する。
こうした取組みが功を奏し、関あじ・関さばは全国的に名が知られるようになったが、同時に他の場所で釣られた品質の悪い偽物が出回るようになった。このため、漁協は、97年に漁協のロゴマークとともに、関あじ・関さばを商標登録することになった。現在、漁協が出荷する関あじ・関さばには一匹ごとにタックシールが取りつけられている。こうした取組みが実を結び、関あじと関さばは同種の魚の10倍もの高値を保っていると言う。
関あじ・関さばはその美味しさが食卓に届くまで保たれている「仕組み」が評価されているために、ブランド化に成功したと言えるかもしれない。関あじ・関さばの商標登録は地域の資源をそのまま活かした取組みであり、地域経済の活性化に一役かっている。それにしても、10倍の差ってホントかな?