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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

オランダのビール会社の笑い話

2015-08-12 14:10:35 | 日記

農協の旅行でオランダヘ。ビールください。ハイネケン?すると、旅行者は日本のどこから来たのか尋ねられたと思いチバケンと答えた。このハイネケンのビール名の話です。ハイネケンを自社のミシンの商標として使用したのは、中国のミシン製造企業、呉江市喜力機械。

ご存じのように、中国では海外の有名な企業名やブランド名、またそのロゴなどを自分の商標として登録し、知名度や信頼を利用しようという例が後を絶たない。その被害にあっているのは日本企業も例外ではなく、名前やブランド、漫画のキャラクター、果ては地名(例えば、「青森」等)まで中国の第三者によって商標登録出願されている。

ハイネケンの申請も今回が初めてではなく、最初の2回は悪意があると却下されていたが、3度目の申請では承認されてしまった?ハイネケン側はもちろん取り下げを求めていたが、その声は届かなかったようだ。『フィナンシャル・タイムズ』紙に香港の知的情報センター(SHIPS)の代理人が、不服として批判的なコメントを寄せている。

中国の商標制度は登録主義であり、第三者による冒認出願でも、一度承認されてしまうとなかなかくつがえすのが難しいらしい。今回の例でも、登録されている以上、中国での商標使用はハイネケン側が不利となり、中国内での営業に支障が出るほか、場合によっては相手に起訴されて多額の支払いを強いられることも起こり得るという。

中国は、商標制度を整えない限り中国市場に海外企業が進出してくることは難しい。中国は事態を改善するために、法の改正にも取り組み法の取り決めに実態が則すように改良を重ねてはいるが、ハイネケンの一例で、中国市場がいまだに混沌としている様が浮き彫りになってしまった。

中国政府には、今も変わらずアメリカやヨーロッパ、日本など世界中から、問題解決に向けて圧力がかかっているが、なかなか成果が上がらないのが現実だ。中国の商標法の更なる改正・改善を望む。ところであなたはナニ県出身(笑い)?