もともと、創業者の吉田忠雄から吉田工業という社名が誕生した。その後、頭文字からYKKに社名を変更したそうです。つまり、最初からYKKが社名じゃなかったということです。さて、企業が事業活動で使用する名称や文字、図形などを特許庁(経済産業省)へ出願し、認められると登録商標となります。
YKK株式会社では、「YKK」という商標を世界170ヶ国・地域(2013年6月現在)で登録しているそうです。国連加盟国数が約190ヶ国ですから、およそ国連加盟の9割の国々で商標登録していることになります。1953年に日本で「YKK」の商標を取得したのをはじめとして、翌1954年以降、インドネシアなどで登録を図り、1960年代からの本格的な海外への事業展開に合わせて様々な国で商標を登録してきました。
また、多くの企業がそうであるようにYKK株式会社も「YKK」商標だけでなく、ファスナーをはじめとするファスニング商品についても多くの商標を国内外で登録しており、その数は現在2,000件を超えているそうです。ファスニング商品は、家電などとは異なり、衣類やカバンなどの1つの部品にすぎません。それなのに商標登録数が非常に多いのは、YKKグループの事業展開と大きな関係があります。
世界の様々な国や地域で衣類などが製造されるようになってから、顧客は世界のどの場所でも同じ品質、同じサービスのファスニング商品を求めるようになってきました。YKKグループは、その顧客の要望ひとつひとつに応えてきた結果、世界各国での商標登録が次第に増えていったようです。
ところで、同じ「YKK」商標でも、年代によってさまざまなデザインのものに変更されたことを皆さんご存知でしょうか?今の字体が何代目かを考えると、今夜もまた眠れない・・・。