競走成績が優れた馬の産駒からそれと同等に優れた競走馬が輩出されるとは限らないのは競馬の世界ではよくあること。しかし、NHKマイルカップを優勝しさらには日本調教馬として初めて海外GIを制したほどの名牝シーキングザパールの産駒がこれほどまでGIから勝負運から見放されているとは。
シーキングザダイヤは川崎記念で2着となり、GI競走では2着が6回目。シルバーコレクターと言われたステイゴールドでさえ4回、テイエムオペラオーに挑み続けたメイショウドトウは5回。なので少なくとも国内では最多となった。
競走名 | 場所,回,距,状 | 優勝馬 | 秒差 | 騎手 |
川崎記念 | 川崎左2100重 | タイムパラドックス | クビ | 56横山典 |
フェブラリ | 東京左1600不 | メイショウボーラー | 0.2 | 57ペリエ |
南部杯 | 盛岡左1600良 | ユートピア | 0.2 | 57横山典 |
JCダート | 東京左2100良 | カネヒキリ | ハナ | 57横山典 |
東京大賞典 | 大井右2000良 | アジュディミツオー | 0.3 | 57横山典 |
川崎記念 | 川崎左2100稍 | アジュディミツオー | 0.1 | 57ペリエ |
書斎派らしく競走成績を見てみる。周回に関しては左回りが多いものの、川崎(一周1200m)から東京(一周1899m)まで4か所で連対しており、小回り・標準といったカーブのきつさ等のコースの規模の差異は苦にしていない。距離も1600m~2100mとマイル(M)・中距離(I)の2区分にまたがっており、馬場状態も良・稍重・重・不良とすべての状態で記録している。優勝馬との着差もそれほどなし。
| 1着馬 | 着差 | 2着馬(Sダイヤ) | 前後半(3F) |
川崎記 | [6-7-1-1] | 0.0.(クビ) | [2-2-1-1] | *62.5-64.9 (*36.4-39.1) |
フェブ | [1-1] | 0.2(1 1/4) | [3-4] | 45.8-48.9 (34.2-36.9) |
南部杯 | [1-1] | 0.2(1 1/4) | [2-2] | (36.26/3F) |
JCダ | [9-8-8-6] | 0.0(ハナ) | [1-3-3-2] | *60.0-61.8 (*35.7-36.8) |
東京大 | [1-1-1-1] | 0.3(1 1/2) | [4-4-5-5] | 60.9-62.2 (35.9-37.5) |
川崎記 | [1-1-1-1] | 0.1(クビ) | [2-2-2-2] | *60.5-66.1 (*36.4-40.4) |
(*=端数距離のため概算値)
次に1着馬とシーキングザダイヤの通過順位を見て比べてみると、6回中5回が3角先頭の馬に逃げ切りor先行して押し切られたのがわかる。今日の川崎記念などは前後半の差が大きかっただけにチャンスだったろうが、そのきつい流れを逃げ切ったアジュディミツオーをほめるべきだろう。机上の空論なら3角から先頭に並んで叩きあいに持ち込めば勝機もあるのではないかというところだが、こればかりは馬の個性や脚質の問題もあるだろうから騎手や陣営に任せざるを得ない。
タイムパラドックスは6歳時にジャパンカップダートで初GI制覇を果たし、翌2005年の7歳時にダートGIを3勝もした。また昨年のかしわ記念で初GI制覇のストロングブラッドも6歳時。ダートは多少遅咲きの馬でも活躍できる舞台だけに、シーキングザダイヤの5歳はまだ若い。またGI競走2着4回以上の顔触れを改めて見ると、メイショウドトウ・ステイゴールド・ゼンノロブロイ・テイエムオペラオーなどそうそうたるGIウイナーが名前を連ねている。
この先も喜劇が続くのか、それともステイゴールドのように大団円を迎えるのか?競馬の神様でさえ台本を書きあぐねているに違いない。こうなったらその日が来るのを楽しみに注目を続けていかないといかないな。いやフェブラリーステークスあたりであっさりGIを取るならそれはそれでいいのだけど。
あと直接関係はないが、Gold Digger(採金者)~Mr.Prospector(採鉱者)~Seeking the Gold(黄金探し)~Seeking the Pearl(真珠探し)~Seeking the Dia(ダイヤ探し)といった感じで、意味のつながりのある馬名の付け方は好きだな。