ゴッホの復活―日本にたどり着いた「ひまわり」の正体小林 英樹情報センター出版局このアイテムの詳細を見る |
内容紹介
58億円で落札されたあの
『ひまわり』は贋作である!
日本人はいつから「美への誇り」を失ったのか。
日本推理作家協会賞受賞作家による、
執念のノンフィクション衝撃作!
ゴッホも影響を受けた浮世絵という文化を生み出した、この日本にたどり着いた2枚の『ひまわり』。『ひまわりの画家』というゴッホのイメージが、日本ではとくに強いといわれます。それは『芦屋のひまわり』と呼ばれた戦災で消失した一枚に端を発し、現在も日本にあるもう一枚の『ひまわり』が定着させました。たとえば現在も、シャープ・アクオスのCMで吉永小百合さんとゴッホの『ひまわり』は、共演しています。
1987年、一枚の『ひまわり』の絵が日本にやってきました。安田火災海上が購入したそれは、その58億円という金額とともに、バブル真っ最中だった日本という国の「金余り状況」を伝えるニュースとして世界を駆けめぐります。
しかし「え?安田のひまわり偽物?」という朝日新聞の一面での報道(1997年)など、書簡に記述が一切ないなどの理由から、世界中から贋作指摘が相次いでいたことも事実です。
いまも東京・新宿の超高層ビルに『ひまわり』(損保ジャパン東郷青児美術館蔵)はあります。
このひまわりはどう見てもゴッホによるものではない─。そう感じた著者の検証は、ゴッホが生きた19世紀末のヨーロッパという時代背景、さらに印象派という枠を超えた普遍的な表現者としてのゴッホにまで及ぶ、壮大な物語へと発展していきます。
あの時代、あのアルルの冬にあって、ゴッホがこの作品を残しているはずがない。いくつもの状況検証、造形的証明によって、現在は定説になりつつあるこの『ひまわり』真作説を圧倒的な説得力で突き崩します。
著者について
1947年、埼玉県に生まれる。東京芸術大学・油画専攻卒。大阪・中の島美術学院講師、北海学園大学教授を経て、現在は愛知県立芸術大学・美術学部教授。初の著作である『ゴッホの遺言』(小社刊)では、画家としての贋作に対する鋭い分析と未だ類例をみない論証により、諸説をくつがえす「ゴッホの自殺の真相」を明らかにした。読者から絶大なる評価を得て、日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞。他の著書に『ゴッホの証明』(小社刊)、『耳を切り取った男』(NHK出版)、『色彩浴』(ポーラ文化研究所)などがある。
なんか、ミステリー小説を読んでいるみたい。面白い。
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