「男女雇用均等法」が施行されたのは僕が入社して数年後。
それまで男だけしかいなかった「制作部」にも総合職の女性が数人配属されて来た。
それまでの「制作部」の若手男性ディレクターやADは、開局してまもなく入社した20歳くらい歳上の「技術スタッフ」に何かと言うと文句を言われ続けて来た。
「そんな映像は撮った事無いから撮られへん」
「そのカメラ位置では逆光になるからあかん」
「技術スタッフ」はグループでの作業になるので、「制作部」の若手は言い返せない事も多々あった。
ある時、「照明部」を怒らせた。スタジオの照明をリハーサル終わりで全て消して、「照明技師」以下、「照明部」が現場から突然撤収してしまった事もあった。真っ暗なスタジオ、迫る生放送!
そんな「技術スタッフ」とは、徹夜で麻雀をしたり、一緒にミナミのスナックで深夜まで飲んだりして、僕らは仲を深めていった。
まずは「自分自身のキャラクターを理解してもらう事」がとっても重要だった。「飲み会」に誘われれば必ず行った。
そして、話は冒頭の「男女雇用均等法」に戻る。
まだ入社して1〜2年しか経っていない「女性ディレクター」が「技術スタッフ」に囲まれて、打ち合わせをする。
ここで僕たち「若手男性ディレクター」と圧倒的な違いが出た。
「女性ディレクター」の説明に「技術スタッフ」はニコニコ笑いながら、楽しそうに打ち合わせしていたのである。
彼女が多少の間違った説明をしても、基本「男性」は「女性」を叱れない。
「技術」という「男性グループ」で「女性ディレクター」の説明に反論する事は、彼らにとって「1人の女性を寄ってたかって男性がいじめている」様に思っていたのだろう。
だから、叱れない。「女性」に泣かれても困るから。叱られない事は彼女にとってもある意味不幸な事だった。
僕ら「若手男性ディレクター」から見れば、「逆セクハラ」。
「クラブ」や「キャバクラ」に行った時、女性ホステスに「もう一本キープしてくれるでしょ?」「延長してもイイ?」と言われて、断れないのが「男の性(さが)」。
「オカマバー」に初めて行った時に感じたのが、オカマのホステス(?)さんがいろんな面で「女性ホステスさんより気が付くという事」。
確かに冷静に考えてみれば、「女性のいるバー」より「オカマバー」の方が男性客の求めるサービスのハードルが高いと思う。だから、話も巧い。「女性」を使えないのだから。
最近、ドラマの製作現場の「助監督」「製作助手」「カメラ助手」等、ドラマでも仕事がキツい職種にどんどん女性が進出している。
現場の人間に訊くと、キツい仕事だと「男性」はすぐ辞めていくスタッフが多い。しかし、「女性」は残るとの事。
「男性」の得意な事、苦手な事、「女性」の得意な事、苦手な事は違うと思う。
それぞれを活かして生きていく事が大切なのかも知れない。
地球上には「アナタ」はONLY ONE、たった一つの「個性」。体や心の「性」が違っていても、「アナタ」には誰にも負けない「アナタ」だけの魅力がある事は確かだ。
ONLY ONEを目指して、「自己肯定感」を高く持って生きていれば、きっと何らか「幸せ」に出会う事は絶対にあると思う。
人の「幸せ」は平等だ。「不幸せ」と感じる時は大人しく行動しないで、「幸せ」が来るのを待てば良い。
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