思考の踏み込み

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蟲師 続章10

2014-04-17 00:23:24 | 日記
蟲師の中での重要なテーマとなる "光脈" について「天辺の糸」。

天辺草という蟲に触れてしまったことで、強い蟲の気を帯びてしまった少女フキ。

山で人の世界に戻る事が出来ずにいる所をギンコに助けられる。
その晩 ー

「…?」

「…何か 地面の底で光ってる… 」



「…ああ 今のお前にはさぞ良くみえるだろ」

「何が光ってるの?」

「光酒 (コウキ) っつってな 蟲が生まれる前の姿のモノが 群れをなして 泳いでる」

「きれい……」

「…あまり見るんじゃない
あの光は目の毒だ ー 慣れすぎると
陽の光が見れなくなる」

「……光の河なら空にもある
あれは夜にも ー 陽の光を浴びて光ってるものだ」

「わぁ ほんとだ…」
「まるで鏡に映っているみたい…」



「…似て非なるものだ
見誤らんよう 気を付けろ ー 」







続いて、原作を読んだ段階からアニメ化したときにどういう音の表現になるのか楽しみだった「錆の鳴く聲」。

生まれつき "野錆" という蟲を寄せてしまう特殊な声を出す少女シゲ。

野錆が湧くと人々の体に錆の様に食いつき健康を蝕んでゆく。

彼女はやがてそれが自分のせいだと気付き、声を封印した。



ギンコによってその蟲の払い方を教わる、それは彼女の声そのものをある場所で使うというもの。

しかし、町の者たちにシゲが病の原因だと悟られてしまう。

「シゲを出せ!」
「詫びさせろ!」

「シゲはただ 普通の子と同じように
話し 笑い 唄っていただけー 」

「…詫なら十年間 ー シゲはずっと
してきたはずだ」

我々はどこまで想像できるだろうか?
一人孤独に耐え、ひたすらに耐え、背負ういわれのない罪の意識にさいなまされ続けた少女の叫びの、その哀しみを ー 。

そして抑えに抑えた感情を解き放つ瞬間 ー



" ー それは 太く かすれた けれど
甘く 渋みのある残響を持つ 不思議な響きの 声だった ー "


色彩の美しさと音、この二話はどうしてもアニメーションで観るべきものといえるが、原作においても高い表現力で描写されている。
単純に "漫画家" としての能力も容易な力量ではないといえるだろう。

ちなみに錆声のイメージは当初、UAだったと作者コメントにある。