思考の踏み込み

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王貞治2

2014-01-22 08:49:29 | 
王が本塁打世界記録を残せたのはなぜか ー ?

一本足打法を完成させたことによるとか、当時の日本の投手のレベルがそれほど高くなかったとか、球場も狭かったとかいろいろな意見があるだろう。

だが彼の真髄はそんなことではない。

王が王であった所以は "集中力" にある。
それも尋常なものではない。

これはある試合で逆転打を打たれた山田久志の証言によってよくわかる。

その日絶好調だった山田は最終回、王と向かい合ったときその集中力の凄まじさに恐怖すら感じたという。



集中力の高い者と接するとそれに引き込まれるようなことはよくある。
それによって多くの名勝負なども生まれてくるのだが、相手が恐怖するような集中力とは一体どれほどのものか?

それはもはやスポーツ選手の次元ではなく武道家の放つ殺気と同じ様なものだろう。

集中力とは心の持ち様だけでどうにかできるものではないが、王は思想として意識してその事を行う作業をしていた。

彼の分厚いメモ帳の中に、"この一球は二度とこない" という言葉がある。

年間百試合以上の試合をこなし、毎日四打席はあるとして、プロの一軍打者がこの言葉を本気で実践できるだろうか?

しかし王は事実失投を必ず逃さなかった。
彼の圧倒的な本塁打記録の大本はこの辺りにありそうだ。