白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―ストレス社会のファストフード&スローフードー

2014年10月20日 | 健康

ストレスとは、生物学的には何らかの刺激によって生体に生じた歪みの状態を意味し、外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応であると言います。

人間に取ってのストレスの原因となるストレッサ―には、寒冷、騒音、放射線といった物理的刺激、酸素、薬物、化学物質などの化学的刺激、炎症、感染、カビといった生物的刺激、怒り、緊張、不安、喪失といった心理的刺激に分類され、ストレッサーに曝された生体には有害性に適応しようとする生化学的反応があり、それを適応症候群と言い、生体のホメオスタシス、自律恒常性を維持する為の脳の視床下部や副腎皮質などのホルモン分泌、自律神経系の神経伝達活動により起こる反応である事が明らかにされて居ます。

 

―ストレス解放のイメージゾーンーWeb Images Photoes

今日では、其の過度なストレスや高齢化、生活習慣の乱れなどが原因となって自律神経系のバランスが崩れ、生体のホメオスタシス、自律恒常性が上手く維持できなくなって免疫力が低下し、病気が引き起こされると言われています。

先のブログで取り上げたホリスティック医学で言う自己治癒力、これも亦、生体の生命維持の代謝活動に於けるホメオスタシスを維持しようとする力に他なりません。

 作物も亦、同様に多くの環境ストレスに曝されて居て、それに耐えて生き抜く為の様々な機関や適応能力を先天的、後天的に発達させて来たと言います。

其の植物のストレス耐性に就いての研究情報をネット上で見つけ、大変興味をもって読ませて頂きました。趣味の家庭菜園を楽しむ上で、何故の興味かと訝る方も居られると思い、敢えて申し上げさせて頂きます。

 

―ストレスからの解放は?-

実は、先日の東京新聞の夕刊に「資本主義に対抗しうる有機農業」と題する東大教授の方のイタリアボローニヤ近郊で開かれた有機農産物の見本市の見学と物流会社に聞き取り調査を行った記事が載って居ました。

其処に有った話の主旨ですが、慣行農業の化学肥料と農薬の多投で土壌や自然環境が疲弊しても、より狭い土地でより早く収穫を得て利益の拡大を目指す資本主義経済の「ファスト」な食糧生産体制、それは経済のリズムに食材生産のリズムを同調させる活動であり 「スローフード」運動を誕生させてそれに抵抗するイタリヤの有機農業では、生産体制のリズムが当然違うという事です。

 

―スローフードには歴史が有る!-Web Images Photoes

自然の生態系を維持するリズムやスローな社会生活のリズムを尊重して、農業生産を営む試みがスローフード運動であり、有機農業のリズムと資本主義の利益獲得リズムでは大きな違いがあり、其の齟齬、食い違いを補完する為に、訪問した卸会社は、ITを駆使し、配送や物流過程の可能な限りの合理化、効率化、販路の統合によって その有機農産物の 「スロー」なリズムを守っているという事です。

説明を受けた大手卸会社は 「農産物の10%が有機農法であるドイツに追いつきたい」と言って居り、その記事の最後には 「日本では農業の効率化と言えば野菜工場や水耕栽培が注目されているが、資本主義の戦線で対抗しうる代替農業を見た気がした」と結んでありました。

 此の話、ストレスとどんな関係にあるのか簡単に説明致します。有機農業のリズムと資本主義の利益獲得リズムの違いですが、資本主義の利益獲得リズムは取りも直さず、ストレス社会のリズムと言う事であり、スローフード運動が支える有機農業のリズムは言うなれば脱ストレス志向の生産活動と言える事です。

 其処で更に言える事は、有機農業栽培で育成される作物に対し多投される化学肥料と農薬漬けの作物は、ある意味では高ストレス環境負荷下で作られる作物であり、其の収穫物は異質な環境応答の結果の産物であって、其の食材のファストフードには、スローフードとの違いが当然生まれていると申せます。

 

―スローフードのシンボルマークー

植物は動物と違ってストレス回避のメカニズムが異なり、異質な生育環境下での適応能力は格段と優れていて、其の結果得られる収穫物にも違いが生ずるのであり(?) 今日の分析科学でその成分差異が認められなければ全て同じでは科学の意味がありません!

もし、ファストフードとスローフードの違いを単なる感性の問題と申されるなら、それは改めるべきです。

 植物は、異なる生育環境に置かれると、その環境に応答してさまざまな生理的変化を起こすとされ、環境変化が激烈であれば、生育自体が阻害され、場合によっては枯死するでしょうし、緩やかな環境変動に対しては、遺伝子発現や酵素反応などを制御することで、その環境変動を乗り切ろうとすると言います。

植物にとっての環境ストレス要因には、高温、低温、強光、暗黒、乾燥、降雨、塩害などが揚げられますが、そうしたネガティブな側面だけでは無く、施肥や病虫害対策などの異なるポシティブな生育条件にも植物の持つ環境応答として変化をもたらしているのは確かであり、その影響を如何に捉えるかです。

―砂漠で生き延びるカクタスーWeb Images Photoes

植物の環境ストレス応答とそのメカニズムは、生存に必要な化学反応を何とか進行させ続けるために、自らの代謝活動などを、その状況にあったものに作りかえると言います。

動物が体の状態を変化させないホメオスタシスによる恒常性で生命を維持しているとすれば、植物は環境に応じて、体の状態を積極的に変化さることによって生命を維持するのであり、そのような変化こそ、植物のストレス応答の本質であると言われています。

 其の意味では、化学肥料と農薬の多投を旨とする資本主義経済の農業のファストフード生産体制、マイナス要因となる農地土壌の荒廃や自然の生態系に及ぼす環境劣化等はさて置いて、作物に其の生育環境に積極的に体を変化適応させて、収穫効率を上げようとする作用で生まれる産物の其処に刷り込まれるファストフード要素、ストレス産物其のものズバリであり、其の持つ違いは当然認識すべきです。

 しかし、今日農産物の価値は生産性やコストであり、ファストフードもスローフードも食材価値は経済原則で決められるのですが、有機農業農産物の本質的な価値が何処に有るのか、資本主義経済下でどんな価値が認められるのか、今や多様な価値観の下で曖昧ではっきりせず、食の本来あるべき姿を代弁する形のスローフードの食材価値、作物が本来あるべき姿の環境下で栽培されている事の価値、それで推し量るのが相応しいかも知れません。

 

スローフードキャンペーンポスタWeb Images Photoes

最も、化学肥料や農薬は環境破壊を起こし健康にも良く無いと素朴に信じて居られる方にこんな事を申し上げるの的外れと思いますが、ストレス社会で作られた食材で無く、脱ストレス生産活動のもとで育った作物食材を使って、ゆっくり食を楽しむ事が本来の有るべき至福な食生活と言うのはどうでしょうか。それがスローフードの食べ方であり、生き方ですから‥!

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