白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―ソラマメはダイエット効果の味方です!―

2014年10月28日 | 健康

今年も亦ソラマメのタネを蒔く時期になりましたが、東京では10月の中旬の気候とは思えない程の低温が続き、慌ててソラマメの種をポットに蒔き付けました。その毎年作るソラマメ品種の「陵西一寸」、購入するタネが高価であり、家庭菜園で一寸一畝作る種代でも馬鹿になりません。それで今年からは全て自家採取の種に切り替えて見ました。

 其の自家採取種子、鞘が黒くなる迄木に残し、上手く成熟させて採取したのですが、先ずは乾燥が大切と、鞘ごと籠に入れて軒下に吊るしっぱなしで置いたのが失敗で、鞘を割って中の種を見ると、既に乾きすぎて外皮に皺が寄り、萎びていて生きているのか死んでいるのか見てはさっぱり判りません。

 「しまった!」 早めに鞘から出し種箱に入れて冷蔵庫の野菜室保管すべきであったが後の祭りです。 仕方が有りませんが、今更市販の種子を買う気にもなれず、ものは試し、何とか発芽させたいと水に漬けて一昼夜置きし、外皮が膨らんだところでポットに蒔き付けて見ました。

 

―ポットに蒔いた自家採取のソラマメ種子―

ご存じのように市販のソラマメ種子は、発芽の過程で種子が腐敗しないように、表面が青く一色になる程に殺菌剤がコーティングされて居り、無殺菌の自家採取種子、何処まで問題なく発芽出来るかみものです。

 安の定、早くも1週間経って、一部は幼芽と幼根が伸び出して種子の外皮が割れ出したのですが、中には芽が一向に出ず、露出させた種子部が軟化して腐りだしているものもあり、何本が立派に育つか見守るしかありません。

 ソラ豆や大豆の様なマメ科の種子は胚乳が無く、発芽と共に外皮が割れて初期成長の養分供給源となる子葉が2枚飛び出すのですが、その大きな豆の部分が適度に水分を吸収すると、黴菌等の微生物の恰好な栄養基物にもなるのです。

それに打ち勝って胚芽から伸び出す幼根、幼芽の成長に、しっかり子葉が養分供給できる事で順調に育つのであり、栄養の豊富な豆の子葉部が微生物に犯される事無く役目をしっかり果たす程度如何で、発芽率はきまると言う事です。

 

―ソラマメの発芽―WebPhotoesより

良く成熟した種子を採取して蒔いても、全てが完全に発芽するとは限らないのが種子一般の性質ではありますが、日本でのソラマメ栽培、どうやら日本の気候風土の特徴である高温多湿が苦手のようであり、それ故に発芽時に多くの種子腐敗が起こる原因かも知れません。

 扨て、其のソラマメですが、以前のブログでも申しましたが、世界では大変古くから栽培されて来た栄養豊かな作物であり、日本に伝えられたのは奈良時代の8世紀頃と言います。しかし、文献では、江戸時代の1612年に林羅山が著した「多識篇」に出てくるのが最初と言い、その伝来の時期ははっきりしないようです。

尚、日本でソラマメの栽培が始まったのは明治になってからと言いますが、既に江戸時代以前に畿内地方でソラマメ栽培がされて居たらしく、其の地で作出された地域名の付いた品種が幾つかあり、奈良時代に日本に伝えられたという古い歴史に何か関係があるようにも思われます。それに土地柄かソラマメの加工業者も他の地域より畿内に多いような気もします。

 

―林羅山の肖像-Wikipediaより

其のソラマメの食べ方ですが、世界では鞘を割って青い豆を食用にするのと完熟豆を加工して食べる方法とがあるのですが、日本では面白い事に、殆どが青い未熟果を鞘ごと収穫して、枝豆同様に生鮮野菜として出荷され 「フライビーンズ」等の加工品となる国産の完熟豆は殆ど見掛ける事が無く、全くと言って良い程市場には出て来ません。

替わって利用されているのが輸入品と言い、それも世界でも有数の生産国の中国製品が大部分を占め、農薬汚染の心配の無い国産乾燥ソラマメが市場には出て来ないのも一寸不思議ですが、これも高温多湿な日本の気候が原因かも知れません。

 

―乾燥ソラマメの本来の豆姿―Webphotoesより

其のソラマメの日本各地の生産量、今では鹿児島、千葉、茨城、宮城などですが、以前は四国の愛媛や畿内で多く栽培されて居たと言い、唯、生のソラマメはすぐに鮮度が落ち、「美味しいのは3日だけ」とも言われ、野菜として市場に出廻る期間は極短く、一方生産者にはあまり旨味の無い事からか作付面積も伸び悩み、消費者の関心も亦、それ程高く無い為に市場供規模も減少しているとも言います。

 

―ソラマメが美味しいのは3日だけ!-

其のソラマメ、茹でるのが一般的ですが、蒸したり、摂り立てを莢ごと焼いても美味ですし、素揚げや天ぷらにもおすすめと言います。

毎年拙宅では、剥いた豆を1分程直ぐに茹で上げて、小分けにして冷凍保存し、貯蔵食材として時々解凍しては利用していますが、中国四川省が発祥の地と言われ、日本でも知らない人は先ず居ない調味料の「豆板醤」、その主原料がソラマメであり、今では変な添加物の心配の無い、ソラマメを使った手つくりの「豆板醤」のレシピが、ネット上でいろいろ紹介されて居るのが目に付きます。

茹でて薄皮を剥いて潰したソラマメに、塩麹、唐辛子、味噌を加えて半年程寝かせて発酵させれば、立派な自家製の豆板醤が出来るとありますが、今や拙宅は家内も亡くなって1人身であり、一寸作って見る気にはなりません。

 しかし、昨近の健康志向の中で気になるのはソラマメの健康に寄与する栄養価であり、一寸おさらいの積りで海外のネット情報を見て廻りました。

何しろソラマメ豆は、豆類特有のたんぱく質に豊富な糖質、ビタミンA、B1、B2、C、食物繊維など、単品でも栄養バランスがとりやすい食品であり、中でも、ビタミンB1とB2が豊富であり、疲労感や倦怠感、イライラ、夏バテ、食欲不振、肥満などの解消に役立つと言います。

又、ミネラル類も豊富に含まれ、其の季節に成ればもっと多く食べるべき食材ですが、鮮度が落ちれば見た目も悪く、店頭価額との相談もあり、中々そういかない事情があるようです。

 

―美味しい鞘焼きソラマメーWebPhotoesより

尚、ソラマメには昔から、地中海沿岸、北アフリカ、中央アジアなどで 「ソラマメ中毒」があり、「グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ」という酵素に欠陥がある場合に起こると言い、ソラマメに含まれる植物性アルカロイドによる溶血性貧血を起こす事が知られています。

日本の報告は聞きませんが、食べる量、品種による成分量の違い、民族の体質の違いでもあるかも知れません。それはさて置き海外ネット上に有ったソラマメのヘルスベネフイット、日本との観点の違いもあり、一寸追って見た結果を紹介致させて頂きます。

 ソラマメの健康上の恩典(Health benefits of fava beans

  • ソラマメは、他のマメ類のように高タンパク質、高カロリーの食品であり、100グラム当たりの豆で、341カロリーも有ります。それだけでは無く、沢山の健康に寄与する成分の抗酸化物質、ビタミン、ミネラルに、余り聞き慣れない言葉ですが、植物ステロールが含まれて居ます。

  • ソラマメには大変豊富に食物繊維が含まれ、100グラムで一日に必要とされる量の66%を含み、瀉下薬として働きます。食物繊維は大腸の粘膜が有害な物質に曝される事を減らし、又大腸内の癌発症を促進する物質を捕捉する作用が有ります。その上、食物繊維は大腸の胆汁酸を捕捉してコレストロールの再吸収を抑え、血中コレストロールを低下させる作用があります。

  • ソラマメには、イソフラボンや植物ストロール等の植物栄養素が豊富に含まれて居ます。ゲニステインやダイアゼイン等のイソフラボンは、動物実験で乳癌を抑える事が分かって居ます。植物ステロールの中でも、特にß-シテステロールは、身体全体のコレストロールレベルを下げる働きがあります。
     
  • 新鮮なソラマメには、優れた葉酸成分が含まれ、100グラムで423 µg の量です。葉酸に伴うビタミンB12は、DNAの合成及び細胞分裂の必須要素であります。
    適切な量の食事での葉酸の摂取は、受胎及び妊娠中の胎児の臍帯の機能欠陥を防止する作用が有ります。又ソラマメには、適量のビタミンB‐6(プリドキシン)、ビタミンB-1(チアミン)、リボフラビン、ナイアシンを含みます。これらのビタミンは、言うまでもなく、炭水化物、タンパク質、脂肪の細胞代謝の補酵素として機能しています。

 

  • それに加えてソラマメには、鉄、銅、マンガン、カルシュウム、マグネシュウムのようなミネラルの供給源であります。それに100gで一日の推奨摂取量の23%、1062mgと言う、最も高いカリウムの供給源となる野菜の一つです。
    カリウムは、体液や細胞の重要な電解液物質であり、ナトリウムと拮抗しての心臓や血圧への影響を抑える作用を助成します。

  • 最後になりますが、表題の「ソラマメはダイエットの味方!」の話です。2010年に"European Journal of Clinical Nutrition,"に発表された研究では、体重オーバーの肥満の方のダイエット食に、ソラマメのような高タンパクで、高食物繊維のダイエット食は、標準のカロリーに制限した高炭水化物、低脂肪のダイエット食よりも、より高い減量効果が得られたと言うのです。
    参加した18歳から65歳の肥満女性、89名の10週間に亘る、高タンパク質、高食物繊維のカロリー制限したダイエットでは、その減量効果のみならず、体脂肪の減少、コレストロール値の低下、LDLコレストロール減少効果も有ったと報告されて居ます。

 以上ですが、良く言われる生活習慣病の原因となる肥満、高血糖値や高コレストロール値、カロリーオーバーによる崩れたエネルギー収支の糖質代謝異常であり、又、大切なコレストロールの働きの生体に欠かせない細胞の活性を維持する栄養の代謝異常であって、其の両方の為せるワザのどちらにも、ソラマメには改善効果があるという事です。

 

―ソラマメの花、良く見ればこれも綺麗です!-

そのソラマメが健康に寄与する恩典のキーワード、豆類に含まれる良質で豊富な 「植物性タンパク質」「食物繊維」であり、其の組み合わせが持つダイエット効果、充分頷けると思います。

今年のソラマメ栽培、もう一寸植え付け数を増やそうかと言う気にもなります。ソラマメを差し上げて喜ぶ方の顔が浮かびます。

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