白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

土の通気排水性

2011年06月24日 | 土壌

 

土壌は、岩石が風化して出来た無機質の粗粒鉱物やコロイド状の無機物である粘土鉱物、粗大有機物である生物の死骸などが微生物などの分解者の作用などによって変質して生じた腐植等で構成さています。

堆積断面、A=表土層、B=紅土層、C=風化堆積層―Wikipediaより

土壌固体の主要な指標の一つが固相の粒径組成であり、有機物を出来るだけ排除し、無機物だけを粘土、シルト、砂、礫の4つに分け、礫を除いた3つの質量比による組成で分類したのが土性(Soil Texture)図です。

 

    ―土性(Soil Texture)図―Wikipediaより 

土は、固相、液相、気相から構成され、固相は岩石の風化物である無機質と植物を主とする生物の分解質である有機物、岩石の風化過程で岩石から二次的に生成された粘土鉱物を含みます。

―土の三相の変化摸式図―Soil Mechanics Noteより

液相の土壌溶液の主成分は水であり、この水に水溶性の塩基や有機物などが溶解しています。気相の土壌空気の主成分はCO2N2および水蒸気であり、酸素濃度は大気と比較して低く、その土壌の間隙には、多くの微生物や動物が生息しており、土壌生物と呼ばれます。

 

土の固相、液相、気相の3つの相の体積比を三相分布と言い、どのような状態にあるか、その土粒子密度、乾燥密度、湿潤密度、固相率、気相率、体積含水率、間隙比、含水比、飽和度等を調べることで、土の物理性を把握する事が出来ます。実は、この土性と3相分布が、植物にとって大切な保水性と通気排水性の決め手となっています。

 

―作物に理想的とされる三相体積比―

作物栽培土壌では、土の物理性に加えて、化学性及び生物性と言う事が良く言われます。そして、それらの適正なバランスが、作物栽培で大切な土つくりの指標となり、求められる土壌の肥沃性とされています。

 

―生命を支える土壌―Food Web Incより

土壌の化学性とは、化学分析に基く陽イオン交換容量、肥料成分となる塩基飽和度や適正水素イオン濃度、緩衝能C/N比等であります。

 

一方、生物性ですが、炭素循環に基く自然の営みを支えている菌類や細菌などの土壌微生物を中心とした腐植連鎖に繋がる物質分解の健全な土壌生物の活動環境であると捉える事ができます。特に注目される点は、作物と根圏微生物とが共存できる土壌生態系の維持にあります。

 

―牧畜草地の食物連鎖摸式図ーFood Web Incより

自然界での物質循環は主として微生物によってなされ、地球環境を支えて来た自然の営みである生きた土壌の食物連鎖の帰結が有機物の無機化であり、そうした微生物作用は作物にとっても極めて重要な役割を果たしています。

 

それ故に、伝統的な農業の持っている炭素循環の手法に基く有機農法が、今日、自然回帰の観点から強く叫ばれる所以です。

 

―良い土は生きている土―Food Web Incより

だからと言っ、て化学肥料の施用を、単なる土壌の生態系の破壊に連なリ兼ねない化学合成物の投下のように決め付けて、問題視するような短絡した認識で化学肥料を捉えている方が居るとすれば、それは間違いであります。

 

―水が支える青い惑星―地球ーFood Web Incより

さて、土壌の物理性の通気排水性の話になりますが、「保水のメカニズム」では触れませんでしたが、土の透水性は、土の持つエネルギー「マトリックスポテンシャル」と共に、植物の養水分の摂取の観点から極めて大切な特性であります。

 

それは、土壌の「飽和透水係数」と言い、土壌間隙が全て土壌水で満たされて居る時の間隙水の移動し易さを表わします。川砂など、粗い粒度であれば、その値は一般に大きく、その数値オーダーは、1.2x10-2/sec.前後であります。

 

それが新プランター栽培で採用している培地では、約97%が0.5~2.0mmの砂に分類される粒度分布でありますが、飽和透水性係数は1.62x10-1/sec.と大変大きく、通常の砂質土の数10倍から数100倍の高い透水性を有しています。

 

―高透水性の鍵を握る珪藻殻―

ところがこの培地、最も水抜けの良い砂質土の数十倍も高い通気排水性を持ちながら、20cm~40cmの張力下(毛管高さ)で、38%~35%の体積含水比を維持する保水能力を保持できる、まさに土を越える機能特性を持っているのです。

 

             ー地の水分張力/間隙率図―

この培地が土に求められる好ましい保水性(水持ち)と通気排水性(水はけ)を兼ね備え、根域容積の限られる容器作物栽培に最も適した培地であると言う事です。

 

 

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