今年も初秋から異常気象続きであり、9月10日に赤玉葱と黄玉葱の種を撒いたのですが、日照量が少ない上に、此処のところの秋雨前線の停滞とびっくりする程の低温続きでどちらも成長がすっかり止まっています。此の侭では11月中旬ごろの圃場への植え付けが大分遅れそうで気がかりです。
尤も自然相手の作物栽培はお天気次第となるは当然な事であり、それには如何に対処するかが家庭菜園の魅力課題であり、楽しみ方の一つかも知れません。
とは申しても、普段は黄玉ネギしか作付けして来なかったのを久しぶりに種から育てる事した赤玉ネギ、特に今年からは生食専用に、越年して翌年までも長期保存できる赤玉ネギを是非作って見ようと思い立ち、探しに探して運よく見つけ出した品種であり、その種を早速撒いた結果が天候不順の育ち遅れでは気が揉めるのも当然です。
―玉葱栽培長期保存が最大のメリット-webImagesより
扨て、その赤玉ネギの特色はと言えば、黄玉ネギとは異なる外皮の鮮やかな赤紫色の色素成分のアントシアニンであり、それに生食するのに好適なマイルドな辛味と少ないネギ臭み、程良い甘みと水分量の多いシャキシャキ感であり、ミックス野菜サラダ素材には欠かせない独特の風味にあります。
しかしながら今日本で、一般に出回る赤玉葱の殆どが最大でも収穫後3-4か月しか保存できない品種ばかりであり、収穫期が秋になる北海道産の赤玉葱を除けば、一般の店頭に並ぶ期間も限られて価額も一般の黄玉ネギと比べると割高になってしまいます。
それに昨今は、塩分の控え目がすっかり浸透し、従来の漬物野菜類が食卓に上がる機会も減って居り、替わって季節を問わず食べられるようになったのが生野菜のミックスサラダのドレッシング和えであり、野菜食の定番の一皿となる機会が増えています。
そのサラダ食材の中心となるレタス、トマト、キュウリ等に加えて彩りを添える、栄養的にも優れた生野菜が今や赤玉ネギであります。
それではその赤玉ネギの効用に就いての欧米でのネット情報を、一寸追って見ましたので其の一部を紹介させて頂きます。
―キュウリ、トマト、赤玉ネギ、刻みスイートバジル添えー
その中で、特に目に止まったのが赤玉葱に多く含まれると言う、必須微量要素のミネラルのクロミウムであります。
そのクロミウム、一般に良く知られているのが鉄との合金のステンレス鋼の金属としてのクロムであり、硬くて光沢がって耐食性に優れ、クロームが不動態皮膜を形成するためにほとんど錆を生じないのであり、工業製品から流し台、包丁などの台所用品に至るまで幅広い用途に供されているのです。
ところがそのクロム、人間にとっては大切な必須ミネラルですが、余りにも微量に必要とされる故に、その働きに就いては一般に余り知られていないのであり、それで取り上げて見たくなったのです。
扨て、一般に知られている赤玉ネギの特徴はと言えば、先ずは紫赤色の色素成分のアントシアニンでありますが、実は大切なのは比較的に多く含まれている非栄養性成分のバイオフラボニイドであるケルセチンであります。
その持つ活性酸素除去作用は言うに及ばずケルセチンには、抗癌作用、抗菌作用、抗バクテリア作用、抗炎症作用を持つことが明らかにされています。
その上に、消化管のポリープ形成の優位に抑える働きや、普通感冒の代表的な原因ウイルスであるライノウイルスを抑えたり、ヘルペスウイルスの複製を抑止して風邪が原因で発症する口内炎を防止したりします。
また、胃癌の発症リスクを減少させる作用があり、或る研究では、玉ネギを毎日1/2個摂取すると胃癌の発症リスクが50%減少する事が示されたとの報告があります。
―玉ネギに豊富に含まれるケルセチンーWebImagesより
そして、そのケルセチンに加えて特色ある含有成分が、赤玉ネギ等のネギ属野菜には共通して含まれる、幅広い健康促進作用を持ち、その組織を切ったり、潰したりすると含まれる酵素の働きで発生するアリシンであります。
アリシンは、一般にニンニクにだけ含まれていると理解されているようですが、赤玉ネギにも当然含まれていて、その持つ作用成分に違いはありません。
ご存知のようにアリシンには、ガン発症を予防する免疫力の向上作用があり、また血中総コレストロール量を下げる機能もあって、悪玉のLDLコレストロールを下げて善玉のHDLコレストロールを増加させることが多くの医学研究で明らかにされているとあります。
ですから赤玉ネギを日常的に食べる食習慣を付けることは、脳梗塞や心筋梗塞などの循環器系疾患を引き起こす原因となるアテローム性動脈硬化を予防する効果が大いに期待できるのです。
其処で欧米で心配されるのが、玉葱の摂取量が増えることで起こる、一般に良く言われる糖質の摂取過多であります。
ところが、その赤玉ネギのグリセミックインデックス(血糖値の上昇指数)、そのGI値が僅かに10と大変低い数字であります。
そのGI値には、インスリン、血糖値、糖尿病とにはそれぞれに密接な関係にあり、GI値の低い食べもので食生活を組み立てた場合には、2型糖尿病と心臓病のリスクが低くなると事が明らかにされています。
或る比較試験の結果では、一般にGI値が高い食事の摂取群ほど、BMI(肥満の程度を表す値)が高くなり、食物繊維等を多く含むみ、GI値の低い食事の群ほどグリセミック負荷が低くなり、BMIの値が低くなる結果が得られたとあります。
―広範な健康効果を齎す赤玉葱―
Source: http://www.healwithfood.org/health-benefits/eating-red-onions.php#ixzz4wEGulOqp
それでは最後になりましたが、此処で赤玉ネギに含まれる微量必須ミネラルのクロミウムの話に戻します。
実は微量必須ミネラルのクロミウム(クロム)の大切な働きは、インスリンが体内でレセプターと結合するのを助ける働きをしている耐糖因子を構成する材料となるのが3価のクロミウム(クロム)であり、それが体内で不足すると糖代謝の異常が起って、糖尿病の発症に至る可能性があることが明らかにされ、その方面の研究によって、クロミウムが人間にとっての必須微量栄養素であることが分かって来たと言うのです。
クロミウム(クロム)の1日の必要量、50-200 µg(ピコグラム)と大変微量でありますが、体内に吸収されにくいミネラルであり、例えば、供給源となる穀物を精製すると、クロムが大幅に失われてしまう問題があり、小麦粉の場合、精白すると98%のクロムが失われ、コメを精米すると92%のクロムが失われると言うのです。
そのため、アメリカやその他の先進国の場合、クロミウムが軽度に不足している人口が25%~50%にも達すると言い、体内へのクロム吸収率の向上を図るサプルメントなどの開発・販売が生まれているとあります。
―クロミウムを含む食品は?-WebImagesより
クロミウムにはインスリンの活性を高める作用があり、不足するクロミウムを補充することによって、糖代謝が改善され、糖尿病での過体重の人にとっては、重要な血糖値の低下につながる可能性を秘めています。
クロミウムは、一般に体内の脂肪の量を減らすことによって、減量効果を発揮するのではないかと考えられていますし、ほかにも食欲を抑制し、体の熱産生を促進させることでエネルギーの消費量を増加させて、減量に寄与する可能性があります。
それには食事から摂取する場合に、どんな食品に多く含まれて居るか知る事が大切であり、揚げられていたのが醸造イースト菌、ブロッコリー、グレイプジュース、全粒穀物製品が優れた摂取食品群であります。更にある種の果物や野菜類を揚げていますが、その中でもロメインレタタス、生玉葱ネギ、完熟トマトが良質な摂取源であると、例の有名なアンドリューワイル博士は、そのインターネットサイト ”ヘルシーエイジング“の中で申しています。
―Dr.Weil on Healthy Aging-より
今や血糖値とインスリンレベルを食生活で適切に管理すれば、身体に蓄積する体脂肪を低く抑えられるのであり、安定したインスリンレベルを保つ事は老化を遅らせて、血圧をより低く保ち、合わせてコレストロールレベルの改善に貢献するのであり、その鍵となるのが微量必須ミネラルのクロミウムの摂取であります。
これでまた、しっかり施肥管理をして無農薬で育てる外房菜園の赤玉ネギに期待が膨らんで、来春の収穫の楽しみが増えました。
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