白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―腸内長寿菌を育む菜園活動!―

2017年12月06日 | 健康

今や日本は、本格的な超高齢化社会の到来を迎えて、人生100年時代と言われ、医療介護等、難課題がいろいろと山積している昨今ですが、先日、腸内細菌の研究の第一人者と言われる、辨野義巳氏の著書 「100歳までの元気な人は何を食べて居るか?」― 健康寿命は「長寿菌」の量で決まる!?とある副題の本を、区立図書館から借りて来て読む機会がありました。

其処に語られて居るのは、今ネット上でも盛んに取り上げられてる話題の「マイクロバイオーマ」とも呼ばれている 「腸内常住細菌フローラ」と健康長寿との関係に就いての話であり、大変興味深く読ませて頂きました。

 

―腸内常住菌フローラは生体機能相互で影響し合っている‥―WebImagesより

この本の著者が、日本で昔から健康長寿者が多く住むいと言う地域を実際に訪れて、其処に住むお年寄り達が何を多く食べているのか、つぶさに観察して来た話であり、其処で判ったと言うのが、其の地域で昔から食べられてきた野菜類を中心とする伝統的な食材による食生活であります。そうした食事の結果で増える 「腸内常住細菌」の中での善玉菌の多さであり、高齢者の健康長寿は腸内の善玉菌の働きが支えている事が明らかになったと言うのです。

そうした各地域で食されている伝統的な食材の多くは、著者が永年の研究で明らかにして来た、良好な腸内環境を守る働きを持つ、野菜類(根菜類、芋類、豆類、きのこ類)であり、加えて食物繊維が豊富に含まれる海藻類であります。

其のいずれもが、高齢者の健康長寿を支える主要な食べ物であり、いわゆる善玉菌を増やす豊富な食物繊維を含む地場産食材を中心とした食生活こそが、日本人の長寿の秘訣であったのです。

著者の辨野義巳氏は、其の長寿を支えている地場産伝統食は、高齢になっても 「腸内常在細菌フローラ」の善玉菌の量を減らさないのであり、それを「長寿菌」と呼んで、100歳になっても元気で居られる方々は皆、その「長寿菌」を増やす、いわゆる 「長寿食」を食べて来たからに他ならないのだと言うのです。

そうした食生活と相俟って、長寿老人達は、老いても決して横着にならずに身体を良く動かして居り、そうした日頃の運動習慣も亦、実は健康長寿と連携していると申しています。

 著者は日本全国を、長寿マップに従って尋ね歩いて調べて居り、其の結果で分かった各地の長寿食、合わせての生活習慣等、様々な角度から 「腸内常住細菌フローラ」に与える影響や働きをわかりやすく著書の中で解説しています。

 

―腸内環境のバランスを壊す要因は?ーWebimagesより

それでは、著書か中にあった健康長寿に繋がるキーワード、その幾つかを拾い出して見ましたので、参考迄に下記に先ず列挙します。尚、詳しい事は著書での直接のご確認に譲らせて頂きます。

 u  長寿菌を作る食材は食物繊維である

u  健康長寿は長寿菌の量できまる

u  野菜を食べれば食べる程長寿菌が増える

u  旬の野菜を食べる人ほど健康長寿である

u  長寿県と短命県では食べ方と運動量に違いがある

u  腸が元気になると長生きできる

u  腸内環境を整えるは昆布、若芽、ヒジキ、もずく等の海藻類

u  食物繊維の次に取りたいのが発酵食品

u  健康な脳を作る腸活動―(腸脳相関)

 扨て、此処で申し上げたい事は本ブログの表題に就いてであり、長寿地域の高齢者が昔から食べて来たと言う、地場産野菜食材の持つ健康長寿への適性、その意味する背景に触れさせて頂きます。

それは言うなれば、昔から言われて守られて来た 「身土不二」と言う言葉と重なる、食の原点での大切な要件であります。

人の健康は、元来、住む土地と切り離せない関係があり、真に健全な食生活を送るには、自らが棲む土地で、その季節に収穫した食材を、直接摂る事が健康維持に繋がると言う考え方、明治期に 「食養」と言う考え方を唱え、陸軍の薬剤監、軍医を勤めた 「石塚左玄」の提唱した言葉がその身土不二であります。

食を以って得られる心身の健康は 「食と共々に自らが住む天地の自然環境に調和して生きることから生まれる」とする、元は仏教からの言葉と言いますが、基本理念が其の根底に有るのです。

実は身体の中に棲みついた 「腸内常住細菌フローラ」も亦、その人の生体内での細菌類の共生関係の環境であり、其の内なる生態系環境の健全なる活動には、その共生環境を健全に維持できる、栄養となる基質の摂取を可能する食餌が不可欠でるとする考え方に通ずるのです。

           

 ―石塚左玄は 玄米主食と副食との組み合わせを提唱した―Wikipediaより

食餌は、食物を消化器官器に取り込む活動であり、取り込まれる食物には、生体外環境での自然と共生し調和している生態系が背景に有って、その生態系環境で育成された農産物の持っている内生菌類等と調和している共生関係が、其の食品と共に体内に取り込まれて、生体内の共生環境とスムースに調和する事が望まれるのです。

それは、例えば水や食物が身体に合う、合わないと良く言われる現象を生むのですが、言うなれば、生命活動を健全に維持する為の食物が、体内の腸内常在細菌類との共生環境でスムースに維持できるか如何かを表しているのです。

強いて言えば、外から入ってくる食べ物の菌類の持ち込む体外環境と体内の常在菌類環境とのスムースな調和、それが健康長寿に繋がる要件になるという事です。

前述の「身土不二」の真なる意味は、生体の内外で生体の持つそれぞれの環境のスムースな調和の食物摂取となる事が不可欠と解釈されるのです。

 冒頭で触れた欧米からの 「マイクロバイオーマ」と言うコンセプトには広い意味があり、端的に申せば人間のみならず、自然界の生物生態系の中にあって動植物すべてに当てはまる、それぞれの形で共生する自然生態系の存在が、その背景にある事を示唆されています。

 

―腸内細菌フローラは様々に人の健康に影響を与える!-Webimagesより

今日は豊富な種類の野菜類が、各地から季節に関係なく市場に集まって、好きな時にいつでも豊富に入手できる時代です。

しかし、何処のどんな場所の土壌で育てられたのも分からい野菜を食べる事が、果たして本当に健康に良いのでしょうか、其の持つ生体に対する適応性や健全度等、考えた事が皆さんはありますか?ご自分の腸内フローラに尋ねるしかありませんね!

 話を元に一寸戻しますが、その土地の環境にあった食事を摂る事は、居住地の自然環境に適応している主食、副食を摂ることであり、心身の健康は、環境に調和して生きる事で得られるのであって、日本全国の長寿マップの中で、著者が尋ねた奄美大島の中でも、世界一の長寿記録でギネスブックに登録された徳之島の話、どんなものが実際に食べられて居たか一寸紹介したいと思います。

 本郷かまとさん(116歳没)、泉重千代さん(120歳?没)の故郷で有名な島ですが、人口6600人で100歳以上が22名も居られ、島で採れるいろいろな島野菜を様々な料理法で食べて居て、アオサと言う海藻の天ぷらや炒め物、紅芋等のさつまいもの蒸し物、パパイヤの炒め物、蒸しもの等、他の地域と同様に食物繊維がたっぷりの食卓が定番であると書かれています。

 

―今や観光リゾート地化もしている長寿の里の徳之島―ネット画像より、

野菜を自分で作って、たっぷり食べるから健康になるのであり、そのたっぷり食べる野菜作りは一方で、恰好な身体を多く動かす肉体活動であり下半身の筋肉も鍛えられます。

たっぷりの食物繊維の摂取と運動のダブル効果で大腸から健康になり、歳をとって健康だから何時までも、元気で畑仕事ができるのであり、そうした好循環が健康長寿地域の特徴と言えるでしょうと、著者は語っています。

それを翻って申すなら、農業は環境と調和して営まれる活動であり、健康的でその地の豊かな食生活の実現と相俟って、其の理想な美しい徳島の景観の豊かな環境の維持形成とも繋がってる、農の然るべき姿とも言えるでしょう。

しかし、日本一の健康長寿の故郷の島、奄美群島の中の徳島の様な姿は、今や、国民全体から見れば、豊かな自然のある僻地の極み故に憧れる、一種の憧憬であるとしか申せません。

その健康長寿の故郷の島、奄美群島の中の徳島で暮らしておられる方から見れば、想像も出来ない話かもしれませんが、今日の日本の農業事情、本当に健康な野菜を育てる事が大変難しくなる程、農環境の荒廃が進んで仕舞っています。

高生産性追求の結果の多肥、農薬多投等の農耕地の酷使によって、今や農地の土壌生態系は疲弊の極みにあり、一方では、収穫される農産物の規格品質の統一化が極端に求められ、それ故か、農薬の世話にならずには農産物の市場出荷等は不可能と言います。

一方では亦、小中規模農家の担い手不足から、耕作放棄地が急速に広がる始末であり、自給の容易な在り来りの蔬菜ですら、一寸でも品不足となれば海外からの廉価な輸入品が、都市部の店頭に多く並ぶ時代です。

そんな現状であっては、農業の公益的機能の高度化を進め、環境に対する負荷を極力小さくし、環境と調和した持続的農業の推進、すなわち「環境保全型農業」への方向転換等、叫ばれても今尚、絵にかいた餅の話と言える程、日本農業の健全な将来像は一向に見えて来ないのです。

そんな状況下で供給される日本の一般蔬菜類、当然食べて体に良い筈が無いと思うのですが、前述の「身土不二」の話など、意味不詳と訝る?人や、好ましい野菜の選び様が無いと言う消費者が、今や多く居られるのも確かかも知れません。

 

―徳島の観光スポットの一つなっている泉重千代翁の像―ネット画像より

それが、世界一の長寿国の日本の模範的な食生活が、僻地での地産地消の自給自足的な生活にあったと言うであれば、何とも皮肉に聞え、日本の不思議と申すしかありません。

 しかし、この著書を読んで感じた事は、今こそできれば個々人レベルで「人と自然にやさしい菜園活動」を農の原点に立って見直し、健全で恵み豊かな生活の場として求め、規模の大小や質を問わずに「菜園と向き合う生活」を様々形で実現すれば良いのであり、その意味では、拙宅の外房菜園は正解であったかと自画自賛しています。

それは一種の農住接近にもなり、子々孫々、次世代が後を引き継いでくれるかは別として、老人達が健康長寿を願って一人静かに菜園で鍬を振り下ろす姿を、先ずおのれに重ねて思い浮かべて見るのも一興かとブログ表題にしてみた次第です。

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