白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―命を支える食 その農と医との関係ー

2017年08月01日 | 健康

2009年に外房の海岸に近くに住居の一部を移して始めた自家菜園、様々な野菜を作って来ましたが、間もなく10年目に入ります。

その間の3年前には、いつも連れ立っては菜園で共に過ごしていた、50年連れ添った伴侶を、闘病の末に先立たれる不幸に見舞われました。

思い返せば、菜園で収穫した野菜や近くの海で釣った魚等、日々妻の自慢の料理を堪能させて貰っていたのであり、一時はすっかり意気消沈し、活動意欲も薄れて仕舞い暫くは菜園を続ける気も全く無くして居りました。

 

       ―外房に作った自家菜園-

これぞ釈噂の説く、生老病死の四苦に重ねての八苦の愛別離苦であり、誰にもやがては訪れるこの世の定めとは思うのですが、残された余生を幸せに送れたらとの妻の発案で始まった2カ所居住、何よりも健康で過ごせるライフスタイルを夢見ていた矢先の事でした。

それでも菜園への初心は変えがたく、種々思いを巡らした後、先ずは妻の供養の為に傘寿まで頑張りたいと思い、一人暮らしの自炊生活にもすっかり慣れて何事もなく、あれからの3年目を無事に先日迎える事が出来ました。

 

―近くの和泉海岸河口で妻が釣り上げた全長40cmを超えた沼カレイー

そんな生活の中にあって、つれずれに思うのが、健全なる「食」の自給を試みる楽しみを求めて始めた自家菜園での遊農生活、好ましい自然環境の中で体を精一杯動かして、汗を流す農作業が如何に体に良いかであり、これぞ心身の健康を求める老後の生き方の選択肢としては一人暮らしとなっても、尚も相応しいと改めて自分に言い聞かせて居ります。

 

―菜園からわずか150メートルの目の前の海岸で釣って来たイシモチ―

 実は、其処にある健全なる「食」を求めての「農」の知恵、その健全なる「食」によってもたらされる人の真の「健康」、其の「農」と「健康」を支えている生命科学としての 「農学」と「医学」には、切り離せない共通する知恵の領域があり、其の各々の知恵を生かす事で、其処に生まれる新しい連携の時代の考え方があり、それが今発信されています。

既に知って居られる方もおいででしょうが、一般にはあまり聞き慣れない言葉の「農医連携」というコンセプト、人の命を支える「食」を挟んでの「農」と「医」の捉え方であり、その「農」と「医」の本質的な理解を出発点しての健康な「食」の在り方に繋がるのです。

 

それでは、其の「農医連携」を紹介しているウェブサイトの中に揚げられている其の概念を示すイラストを、先ずは下記に転載させて頂きます。

―農と医の知恵を連携し、人の健康を科学する!-

 

 

―農医連携ユニットーサイトより

其処に書かれているのは、「農」と「医」は、常に環境の影響を受けながら 「健康」の本質に在るものであり、健康を語るとき、ヒポクラテスは「食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか」と説いています。

つまり、健全なる食品を食して、健康を維持する事は、古来から人間の営みの基本であり、 それが現代では、互いの学問は分離して居て、人々の「健康」には多くの難問を抱えてい居ると言うのです。

その「農医連携」のコンセプト、これまで分離していた農学領域と医学領域の智慧を交流し、共有することで生み出せる新たな科学、人間の“健康能力”を再構築するための科学としての超高齢社会が必要とする 「ライフ・イノベーション」と言う事です。

此のコンセプトの人の健康、健全な「命」を支えているのは、先ずは健全なる「食」と「栄養」であり、其の根源となる「農」は、健全なる「環境」によって支えられるのです。それらの健全なる「営み」があって、初めて生まれるのが人の信の健康であり、その生命を支える諸々の養生法が、真の「医」の知恵になると云う事であります。

 

―農医連携に連なる食と健康推進協会 F&Hのサイトーより

此の発想の原点は、お気付きかと思いますが、先のブログ 「健康を考える」で触れた東洋医学の根本の理念から派生しています。

尚、其の東洋医学、治療手段と用いる漢方薬や鍼灸は、中国に源を発する伝統的医学体系であって日本では一般に「東洋医学」と呼称され、英訳語では Oriental Medicine が用いられていますが、世界では、近年「伝統的中国医学:Traditional Chinese Medicine(略称TCM)」が用いられ、WHOでも使用されている用語であり、その国際共通語が浸透することが望ましいと、其の方面の識者は申して居られます。

 

その東洋医学の医療の根本は 自然治癒力 “Spontaneous Cure”にあり:

★  人間が生まれながらに持っている病に打ち勝つ力

★  生得的に備わっている病気や環境に対抗する力

★  脳や免疫系、また心の作用による免疫システム

体調を整えることを主観点にして生命力を高めることで、人の持つ治癒力を引き出す療法です。

 

此の医学、言い換えれば、先ず病に打ち勝つ体力を日常の生活の中で養う事であり、その出発点は養生の生活習慣にあり、病気の発症を抑える知恵を得る、予防医学と言う事です。それと切り離せないのが養生に繋がる「食」であり、それを支えるのが、実は健全なる「農」であります。

 

中国最古の薬物書である「神農本草経』―

紹介しました 「農医連携ユニットーサイト」の中で揚げられている農医連携の理念に就いて、それをどの様に捉えているか下記に引用させて頂きます。

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日本の現状は、少子高齢化の急激な加速、生活習慣病罹患者やその予備軍の増加、また認知症などは今や社会問題となり、さまざまな健康上の課題が人々の生活と国の経済を圧迫しています。

医療費は、平成23年度には37.8兆円で、毎年1兆円ほど増え続けています。また、介護費用と保険料も平成24年度は8.9兆円で、年々、増加の一途をたどっています。

こうした課題を解決するうえで重要なのは、人々の健康に及ぼすさまざまな要因を、単眼的にではなく複眼的に、分野分離的にではなく分野横断的に、個別にではなく統合的に、その可能性と方法を探っていくことと思います。

なかでも食に関わる要素は、大きな可能性を持っています。人の免疫力や調整力を培う栄養素のはたらき、その栄養素の吸収効率を高める食のノウハウ、高い機能性を持つ農産物の生産、その生産を支える土壌や環境の問題、そしてこれらによって生かされている人の命。学問の垣根を越えて知恵を交流させることで、きっと新たな解決策がもたらされることでしょう。

農医連携は、ひとり一人の人生の価値を高めるために、健康上の課題を解決する取り組みです。

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しかし、其処に述べられているのは、飽くまでもそのコンセプトの概観しての課題の模索に過ぎず、特に「医」の持つ役割を明確化させる点に何か欠けていると申したいです。

言うなれば、そうした今日の一般医療概念こそが、又それに基く今日の医療行政制度が、国民の持つべき正しい医療に対する認識、自ら守るべき康健意識の醸成を妨げて居り、その事が今日の超少子高齢化時代の社会不安の根源を成しているのでは無いかと申させて頂き、このブログの終りの言葉に致します。

 追記:

実はこのブログ記事、3年前の「日記」で発表したのですが全く反響が無く、三年間を経過した今日でも、農医連携活動はウェブ上で見る限り、一般情報としての新しい進展を見掛ける事はありません。(尤も、代替医療等や代替農法と言う概念が取り上げられているようですが‥‥)

今や日本が当面している超高齢化社会の課題の 「老い」と「介護」の問題は、先ず以って自己責任、各々自らの健康管理で解決すべき事柄であり、公費拡大に繋がる一方の社会諸制度や医療者を含めての技術論での解決には馴染まないと申したくて、一部を変更加筆して再掲させて頂いた次第です。

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