白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―色彩豊かな夏野菜の茄子-

2017年07月13日 | 野菜栽培

夏の季節の代表的な野菜である茄子、トマトやピーマン、ジャガイモ等と同じナス属の野菜ですが、原産地はインド東部とされ、中国では紀元前5世紀頃から栽培されていたと言います。

日本に伝わったのは奈良時代とされ、在来種のダイコンと並んで古くから栽培されて来た日本でも馴染みの大変深い野菜であります。

 其の茄子、日本に定着して古くから食べ慣れて来た割にはあまり評価が高くないのは、低カロリーの為に、栄養分が無いと思われて来た事にあるようです。 ところが近年になって含まれるビタミンやミネラルに加えてポリフェノール類等の他には無い茄子独特の非栄養性機能物質が含まれている事が明らかにされて、その見方も変わり始めています。

 

―昔から食べられて来た日本の茄子―

その茄子はインドからアフリカを経由して12、13世紀頃にイタリヤからヨーロッパに伝わったと言われていますが、茄子特有の苦味成分(シュウ酸?)の濃度が高かった事からか、食べると発狂するとか、ハンセン病や癌発症の原因となる等と言われ、不当な扱いを受けてヨーロッパに紹介されても何世紀もの間、食用にならずに鑑賞用の庭園植物であった言います。

 

―日本では見掛ける事の少ない茄子―

それが、18世紀になって苦味の少ない品種が生まれて初めて、イタリヤ、ギリシャ、トルコ、フランス等、ヨーロッパ諸国の間で今日のような料理食材としての評価を受けるようになって普及するに至ったとあります。

 

―多彩な茄子の品種は形と色の違いー

茄子にはビタミンやミネラルに加えて食物繊維も豊富に含まれ、それに抗酸化作用を持つ重要な植物栄養素が多く含まれています。其の植物栄養素の中に、独特の旨味を感じさせるフェノール化合物のカフェイン酸とクロロゲン酸があり、それに加えて茄子特有のフラノボイドのナスニンが含まれています。

 

―タイ産のナスーEggplantPhotoImagesより

ナスニンは抗酸化作用を持つ重要な物質であり、活性酸素の除去作用を持ち、生体の細胞膜を守る働きがあり、そうした植物の持つ化合物は植物が自ら組織の酸化ストレスや病虫害から守る為に作り出した物質でもあり、動物実験では、特に脳細胞膜を保護する作用が高い事が明らかにされて居ると言います。

脳細胞膜は殆ど全体が脂質で構成され、活性酸素から細胞を守って栄養の代謝と神経情報の伝達と指示を司る働きを担っています。それで茄子は「ブレインフッド」とも言われています。

 

―これはみんなナス!多彩な茄子の品種―PhotoesImageより

茄子に含まれる優勢なフェノール化合物を分析して見つかったのが、重要な活性酸素の除去作用を持つ物質の一つのクロロゲン酸であり、その利点は細胞の抗突然変異作用であり、抗菌作用や抗LDL作用に抗ウイルス作用であるとも言います。

 

―これも又ナス!-PhotoesImageより

研究者に依りますと、アメリカで栽培されている7種類の茄子の品種とその他の世界の野生種を比較調査した結果、其の他に13種類のフェノール酸が見つかった言い、品種に依ってその含有量は大きく異なるのですが、すべての品種でフェノール化合物のクロロゲン酸が圧倒的に多かったと言います。

それにアメリカ市場で代表的な茄子の品種である「ブラックマジック」には、抗酸化フェノール物質が他の品種に比べて3倍近くも多く含まれている事が研究で解ったと言っています。

又、茄子の栄養分については、其のフェノール酸が苦みの素であり、果肉を切った時に茶色くなる原因でもあって、茄子に含まれる酵素のポリフェノールオキシターゼに依って色が変わると言います。

 

―人気のナス品種 「ブラックマジック」ー

其処で研究者は、更に理想的なフェノール化合物と栄養価とのバランスの取れた味の良い茄子の品種の開発を始めていると言っています。

 実は、其の茄子の品種ですが、長い栽培の歴史の中で、様々在来種が世界各地域で栽培され、其の系統を地域で分けると、日本を含めた「東洋種」、インドからアフリカ大陸に伝わって生まれた「アフリカ種」、それからヨーロッパで発展した「欧州種」があると言います。

 

―処変われば品変わる茄子―PhotoesImageより

其の多彩な品種情報を集めてその違いを発表している「ウェブサイト」の“Know your Eggplants を見つけました。

実は、上掲の写真は、その中にあったものを無断で拝借させて頂いたのですが、飽くまでもそのサイトの紹介の積りであり、発表されている写真の詳細に興味のある方は、直接アクセスしてご覧なってください。

 

Eggplant Photoes Images-より

野菜の栄養価と美味しさは中々一致しないようですが、長い栽培の歴史の中で、見ても楽しい姿形のナスが生き残って来たのなら、料理法にも依りますが美味しさもきっと確かでかも知れません。

 トマトより遥かに作りやすくて炎暑にも強いナス栽培、色彩の豊かで食べても美味しい「変わり茄子」が日本でも家庭園芸でブームになる日が来るかも知れませんが、問題は種子の入手にあるかも知れません。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (cucumis)
2017-07-20 00:23:31
はじめまして。
NHK出版「野菜の時間」に掲載された記事と管理人様のblogを改めて拝見させていただきました。以前、新プランター栽培法を知り大変強く興味を持ち、この画期的な栽培法と技術を深く学びたいと強く思い、管理人様の掲載されました「NPPのパンフレットを作る!」という記事に紹介されましたメールアドレス宛にメールを送信しましたが、ご返信がいただけなかったので、この場をお借りして改めてご連絡させて頂きます。
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