白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―コマツ菜とホウレン草の旬の味―

2016年10月19日 | 野菜栽培

毎年今の時期になると、外房菜園でコマツ菜の種を蒔いて、正月の雑煮には必ず食べるようにして来ましたが、家内に先立たれてからは、何か気力が薄れて仕舞い、一昨年と昨年は間に合わなかったのですが、今年はどうしたものかと考え倦んで居りました。

 唯、今年の天候は例年に比べると、2つの台風の来襲を挟んで事のほか気候不順であり、日照不足などもあって、此処に来ては気温も一揆に下がったようであり、その分秋野菜の生育も遅れ気味で野菜の出荷量が減って東京では、市場価額の高騰などが伝えられています。

 

ー高騰する野菜 レタス1個 238円!-WebPagesより-

犬の散歩がてら近隣の区民農園を見てまわっても、気のせいかモンシロチョウの姿を見かけるのも少なく、これならば週末にはそら豆の種まきと合わせ、コマツ菜の播種にも最適かと思い、週末には外房菜園に出かけることにさっそく決めました。

秋播きのコマツ菜の虫害を避け、寒に入っての程良い収穫ができるようにするには、天候に合わせての播種時期のタイミングが特に大切だからです。

それがコマツ菜の最も美味しい旬の味を、堪能できる決め手になって居り、その美味さ故にその昔、鷹狩りにやってきた八代将軍徳川吉宗が、偶々昼食に出されたコマツ菜のおいしさに感じ入り、その地名の現在の江戸川区小松川に因んで 「小松菜」と称されるようになったというのが、その名の由来とあります。

 

八代将軍吉宗の狩場・鶴(捕鶴場)-WebPagesより

そのコマツ菜、今では効率的な年間4~8作にもなる施設栽培品が主であり、季節を問わず一年中市場出荷され、一般消費者の多くはコマツ菜の旬の味を知らないで食べているのでしょうが、元々は冬場の野菜であって 「冬菜」とも呼ばれており、東京では雑煮には欠かせない冬に食べる野菜であったのです。

それと全く同じような事が言えるのが、矢張り秋播きで育ち、一霜浴びてその葉が捲り返るように縮まって見えるホウレン草の食べての旨さ、その葉にたっぷり蓄えられた栄養成分と相俟っての旬の味であり、これまた格別に優れる冬野菜であります。

 

―施設栽培品となっているコマツ菜―WebPagesより

扨て、そのコマツ菜とホウレン草、何故その旬の味が優れているかは含まれている栄養成分の多さであり、コマツ菜では、先のブログ クレソンはスーパー野菜の中で紹介した、17種類の必須栄養成分で、スーパー野菜のクレソンに続いて二番に高いのが、チンゲン菜や白菜などとありますが、それこそ正に、コマツ菜の事でもあり、そして、その五番目に入っているのが、紛れも無くホウレン草であります。

そのどちらもが、クレソンに次ぐスーパー野菜と言うことは、それらの旬の味が事のほか優れているのであり、含まれる栄養成分のスコア数字でも充分に高い事が良く分かります。

そのコマツ菜やホウレン草、ともに多く含まれているのが、一般に緑黄食野菜と呼ばれるビタミン類とミネラル分の多さでありますが、さらに大切な事は、使用農薬の浸透汚染度であります。言うなれば、コマツ菜やホウレン草にどんな農薬が使われ、どの程度農薬成分残存しているかの違いであります。

 

―豊富な栄養素の塊りのほうれん草の葉WebPagesより

世界でトップクラスの農薬散布大国の今の日本の農業、それを支えているのは消費者の農薬にたいする意識の低さであり、その余りにも漠然として居る農薬に対する一般常識の稚拙さ、知らしむべからず、寄らしむべしの安全神話が其処にあり、それが問題なのではと常々思われてなりません。

それが肝腎な一般消費者の野菜類を余りにも見た目の良さに拘って、まるで芸術品のように、その優れた姿や形を目で見て価値判断される事にあり、その価値演出に欠かせないのが、今の日本の異常とも言える農薬の多投現象であります。

その農薬の果たしている役割、今や農薬なしでは市場出荷できる農産物は作れないと言う、生産者側の農薬依存意識の固定化であり、農薬多投にさせる責任は、消費者側にも充分あると申せるのです。

しかもそれを是認させているのが、農薬を今尚、単なる毒物として、生体に対する作用機作の原点を、その毒性成分量で判断する毒性学の方法論にあり、それが旧態然として尚も踏襲されている事であります。

 

ー農薬は人にも自然にも危険!WebPagesより

その農薬の許認可、原体や成分毎では無く、申請農薬毎に定められた認可要件の適合判断と、期間付きの使用条件適合の充足の登録制であり、其の後の農薬の農産物への適用は農薬の使用者である農業生産者の選択任せしているのです。

その農薬の使用効果や副作用? その使用責任は当事者の判断であり、農産物への影響、低農薬や無農薬産物を選択するかどうかは、消費者の個々人の自己判断に任されているのです。

 この関係は、丁度今日の(西洋医学)の医療に供される医薬品と似たような状況にあり、製薬会社が国の医薬品としての許認可を得て、治療に携わる医師を始めとする医療関係者に当該医薬品の売り込みの為に情報を提供するのが、製薬会社のMR(medical representative)であります。

その新薬を使用選択権は医療施術者にあり、その効果、副作用の説明は、必要に応じて受益者である患者に対しては、医師からのムンテラ(病状説明)やインフォームドコンセント(説明同意)で行われています。

 

ー家庭菜園ならできる無農薬の有機肥料栽培―WebPagesより

それが農薬では、その使用者である農業生産者の説明責任、売り渡される農産物には担保されていないのであり、その潜在危険の責任の所在は明確化されて居ないのです。

但し、都道府県別で定められている特別農産物制度では、その産物のラベル表示と合わせて、使用されている農薬名や使用回数が開示されています。唯、その農薬名だけの開示情報では、その減らされた農薬の評価判断等、出来ようもありません。

 

ーダウンして横たわるミツバチの姿が語る真実は?―WebPagesより

欧米先進国での農薬に対する一般認識、喩え使用認可されていても、個々人レベルや使用条件によっては、農薬は安全とは言い切れないと考えるのが常識であり、それでオルガニックに対するとらえ方の違いが生まれ、その制度の発祥の原点での農薬認識が違っているのであります。

それが今、TPPの国会承認議論の中で使用農薬が課題に上がらない事でも分かるように、日本はそうした認識以前にあるのは明らかであります。

話は表題と大分それましたが、此処で無農薬を旨とすべきコマツ菜の現状の登録農薬に就いて、ちょっと触れて見たい思います。

先ずその殺虫剤ですが、BT剤1種、昆虫成長抑制剤(IGR)2種、合成ピレスロイド2種、ネオニコチノイド系13種、有機リン系3種、スピノシン系2種、天然由来物2種、マクロライド系2種、ジアミド系2種、その他4種の計33種であり、殺菌剤では、銅&無機剤2種、白錆病向け5種、根こぶ病剤3種であって、計10種であります。

これでコマツ菜の全登録農薬数は、2015年8月19日現在、合計43種類にも及んでいます。

 

ー家庭菜園用でも多いネオ二コチノイド系農薬―WebPagesより

何故、そんなに多くの種類の登録農薬が使われるのでしょうか。答えは簡単です。いくら美味しい寒コマツ菜でも、葉に虫穴が一つでも開いていたら、また葉の裏に、白さび病の白い斑点が一寸でも付いていると、商品にはならないのであり、自家用の家庭菜園のコマツ菜なら、全く問題にならないそうした一寸した虫食い跡さえも許されないのが、日本の商業農産物市場での決まりであります。

 それに、毒性の低い農薬であっても、今や使用回数の厳しい制限があり、病害虫の耐性獲得の心配もあって、又その効力を持続させるには、予防的な意味も兼ね、それだけ幅広い多くの種類の農薬を必要とするからです。

しかし、殺虫剤はどれを取っても有害物に代わりは無く、今世界中で物議を醸して問題になっているネオにコチノイド系の各種農薬が、なんと13種もコマツ菜の登録農薬になっているのは驚きです。その持つ浸透残留性の高い神経毒の恐ろしさ、世に知らしめたのが、帰巣能力を失って大量失踪するミツバチ群崩壊現象であります。

 

ーミツバチの群崩壊、人間社会の崩壊現象への警鐘かも?WebPagesより

しかし、そのミツバチの個体重を人間のそれと比べたら、その毒性の及ぶ作用機作など無視できる程度であり、ミツバチだけに起っている単なる現象かも? 開花時期を避ければ済む事と言って除けているのが、農薬利害関係者の言い分ですから呆れてしまいます。

毒性学から見れば、殺虫剤の神経毒は被ばく量の程度によっての生体に及ぼす神経機能障害であり、その被ばく量では決められない環境汚染、生体がそのシステムとして生来持っている生理活動による応答機能のかく乱や疎外などが原因で起こる、器質的不全に至る潜在危険?そんな考え方は、農薬の作用機作の評価には初めから無いと決めて掛かっているのです。

実はその良い例が、先のブログでも触れた内分泌かく乱物質の胎生期からの諸発達機能に及ぼす影響等が明らかされ、農薬がその原因物質の一部に加担している事は、既にいろいろと指摘されているのです。そうした例もあって、ネオニコチノイド系農薬では、予防的措置を以てEUは既に、その使用を自粛するように定めています。

 

―こんな農薬散布大国のビックスリー入りは願い下げです!―WebPagesより

喩え毒性が規制レベル以下であっても、ミツバチが消えるような農薬の汚染が疑われるコマツ菜、食べないで済む方法を皆さんはどのようにお考えになりますか。

自分で食べるコマツ菜ぐらいは、鉢を使ってでも無農薬で育てて見せると言う根性や農薬の使用自粛への熱意、多くの方が持ち合わせているならば、この日本はもうちょっと、良い国になるかもしれません。

 

―ご存じですか?ハチの果している受粉作業の重要さ!-WebPagesより

これは言うまでも無くホウレンソウの場合でも同じであり、もし、農産物に対する使用農薬の表示制度、日本が世界に先駆けて実施するようにでもなれば、世界有数の農薬の散布大国の汚名返上に一般消費者が進んで加担するようになり、安全な農薬への関心も高まって、野菜の摂取量も増えるでしょうし、今病んでいる地球環境の改善に繋がり、子供たちの発達や情動障害、いじめや暴力等へ加担が減って将来が明るくなるのであり、是非そうなるべきと願って止みません。

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