白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―治癒が起こり易い食生活!―

2018年03月14日 | 健康

今年の寒かった東京の冬も三月に入ってはすっかり春めいて例年通りの気温となり、先日は外房菜園のジャガイモ 「北あかり」の種イモの植え付けを終わらせて来ました。

何と言っても作物栽培の基本は「時を失せず」に、時節の到来に合わせての播種や作付けタイミングをきちんと守って其の後の順調な生育をしっかり確保することであり、作物本来の持つ病害虫抵抗性を先ず以って高める、偏に過保護にせず、又やたらに農薬等を使わずに、健康に育つようにするのが大切な要点であります。

残念な事ですが、今日の日本農業では多くの生産者が消費者共々に無農薬での健康な作物栽培の真の意味を良くは理解していないように思われます。

世界屈指の農薬使用大国と言われながら、其の実態認識が一般的には乏しく、世界では其れが何を意味しているかを知ろうとする機運すら、一向に見えて来ない様に見受けます。

其の上に、今の日本農業は農薬無しでは成り立たないと言った一種の開き直りとも取れるような言動が、平気で罷り取って居り、多くが農薬取締法の主旨に従っての使用許容限度いっぱいの農薬使用になり兼ねず、農業生産者側のリスク回避とも言える予防措置的な農薬依存でもあり、其れで居て農薬の使用自粛に繋がるような消費者側の運動が中々育っていないのが実情です。

 

その検査基準が問われている?-Web画像より

其の一番の理由は、消費者の大部分が行政側と関係業界とで仕組まれた農薬安全神話にうまく洗脳され、本来農薬は生体にとっては有害物であり、出来れば許容数値の範囲内と言えども農薬残留成分の摂取に繋がる潜在危険を少しでも減らすべきとするのに、その意識が育たずに今日に至っていると思われます。

もしも私達人間も亦、作物同様に常に何かしらの薬剤の使用無くしては、健康が維持できないような事態になればどうなるか、皆さんは考えた事がありますか?

今の日本では農薬を使用しなくては市場で受け入れられる品質の農産物の出荷は不可能に近いと言うのですが、その実態背景は農作業の省力化にあり、労働時間の削減の為の農薬の使用拡大であって、其の弊害の議論は当事者間では分かっていながら、一般には広く語られる事が少ないのです。

今の農薬の問題は、其の毒性が日常の食生活の中にあって将来に向かって、長期的に見てどのような影響が起こり得るかの懸念であり、農薬行政で担保されている安全基準からは、その充分な回答は多分に不分明であり、唯、個々人の健康管理の中ににあって、それぞれに対応を考慮するしかないと言う事です。

その大切な健康の意味、人の身体の全ての組織の効率的な作動状態を指して居り、多細胞生物に進化して生体維持の役割を担う各器官や組織が分担して身体全体の機能を順調に作動させ、其の目的を整然と狂い無く効率的に果たしている状態を指して言います。

それは言うなれば、生命体が生存を許されている環境の中にあって、其処から獲得される自然の秩序であると申せます。

農作物が何等かの農薬の助けが無ければ、常に順調な生育が確保できないと言う事では、其れ自体が自然の秩序に反する不健康状態でしかありません。

 

―GMO大豆の主要生産国年別作付け率―WebImagesより

それが今では、アメリカから始まった除草剤利用の極限とも言える、除草剤耐性遺伝子を組み込んでの除草剤散布に何等支障なく生育可能なGMO大豆の出現、殺虫剤成分遺伝子を組み込んだトウモロコシや綿花の種子等の登場も久しくなり、今や其のような農業コンセプトが日本にも静かに忍び寄って居り、農業生産が自然秩序の破壊行為以外の何ものでもないと、人間を含めての自然の秩序を根本から崩壊させる最も悪しき業にされ兼ねない状況に至るかも知れません。もしそれが将来の農業生産の姿勢となるなら、人類とってのこの上ない愚行と押して知るべきであります。

その大切な自然の秩序である人の健康を守り、その体内システムを維持している働きが、他でも無い先のブログ高齢者の薬併用に初指針の中で取り上げさせて頂いた、生体の備えている「治癒系システムであります。

そして、その「治癒系の働きを支える代謝のエネルギー源が 「食」であります。その出発点は独立栄養生物である作物にあり、其の作物を支えているのは他でも無い自然のエネルギーシステムであります。

 扨て、やっと此処で表題に揚げた 「治癒が起こり易い食生活!」に辿りつきますが、この話は言うまでもなく、アンドルーワイル博士の名著 Spontaneous Healing” 上野圭一氏日本語訳 癒す心、治る力の中の9章の表題であります。

其処で特に、老人の健康長寿に繋がる食生活での大切な要点として取り上げさせて頂き、欧米の食習慣から言及されている課題で考慮すべき点を、日本人の食生活にどのように反映させ、既に欧米化している多くの日本食の中にあって、日本の老人の一人としてどう捉えて対処すべきか考察して見たかったのです。

其れと言うのも先のブログ 「腸内長寿菌を増やす菜園活動」で取り上げた野義巳氏の著書 「100歳までの元気な人は何を食べて居るか?」― 健康寿命は「長寿菌」の量で決まる!?とある副題の本の中で語られている長寿食、観点はどう見ても今日では一寸現実性に欠けている話でしかないように思われたからです。

 

-(悔い無くして)100歳になる生き方WebImagesより

其れで先ず取り上げるのが「老化」であり、老いる事で当然起こるのが免疫力の低下であり、抵抗力も弱まって、自発的な治癒も若い時よりは時間が掛かり勝ちと言うのですが、老化からの影響を抑え、抵抗力や生命力を高める方法はあると、アンドルーワイル博士は述べています。

そして挙げられているのが、中国の伝統医学で言う漢方薬等の中の強壮効果のある天然物質と言います。

其の上に、老化は避け難いがことですが、生活習慣やライフスタイル、その行動を変えていくことはできるのであり、合わせての心の使い方、心理的な要因が免疫系を抑制し、自律神経系のバランスを狂わせ、消化や循環等、あらゆる内部の働きや活動に障害となる事を知り、心を治癒に役立つ方向に使う方法を知って置くようにとも書いています。

治癒系の働きで健康で長生きをするには、毎日の食事が何よりも大切であり、栄養学の観点から今では様々な事が言われ、諸説があってこれが良い、あれが悪いと言うのは容易ではありますが、どれも決め手とは言えないとあります。

 

―世界の健康長寿の先導者アンドルーワイル博士―

其処でアンドルーワイル博士は、治癒反応を高め、健康を損ねる事の少ない食生活と健康との関連を、専門とする研究者の間で合意が生まれつつある重要な問題に絞り、新しい発見となる、総カロリー、脂質、蛋白質、果物と野菜、繊維質の5つの分野での最新情報を紹介していくとあり、其れ等を基に下記の様に纏めて見ました。

総カロリー量:

総カロリー量の話で予期せぬ発見として同書の中で紹介されているのが、1日の必要カロリー量より少ない餌しか食べて居ない実験動物の方が、長寿で罹患率も低いと言う事実であります。

実は、其の1日当たりの摂取カロリー量を減らす考え方にも通ずる食事量の話ですが、日本では今から300余年前の正徳2年(1712年)に書かれた貝原益軒の「養生訓」の巻の三 「飲食」の中で、次のように述べられています。

「胃腸の弱い人、特に老人は食事により病気になりやすい。おいしい料理が出てきても、我慢することが大事である。度をすぎた食事をしてはいけない。食欲に勝てないのなら、勝てるように精神力を鍛えなければいけない。」
「常に腹七、八分目を心がけ、宴の飲食も控え目にし、友人たちと会食すると、つい美味しいものを食べ過ぎることがある。食べ過ぎてしまうことは、健康のうえではよくない。≪花は半開に見、酒は微酔にのむ≫といわれる言葉があるが、これを実行するのがよい。欲望のまま過ごすことは不幸のもとになる。楽しみの絶頂は悲劇のもとになることが多い。」

続いての小食の効用については、「小食の人は、胃腸にゆとりができ、食べたものを十分に消化し体の栄養となる。そのため病気になることは少ない。逆に大食な人は、胃腸に負担がかかり、食べたものを十分消化できない。そして病気にかかり、急死するひとがいる。大食は間違いなく短命のものである。やめないといけない。繰り返して言うが、老人は胃腸が弱いから大食してはいけない。」とのべています。

欧米人に比べて日本人に肥満が少ないのは、日本食文化には、古くからの飽食を戒める食の捉え方があり、其れが今の日本人が、健康長寿では世界トップクラスである所以と言えると思います。

 

―300年前の健康長寿の先導者の貝原益軒―Web画像より

アンドルーワイル博士は、其の文中でカロリー制限に断食習慣を提案しています。一方日本では、短絡的に糖質だけの制限が常識の様に若い方々の間では広まっているようですが、其のどちらも好ましい事とは思えません。

それを作物の施肥で言うなれば、方や水と肥料の一時的摂取中断であり、方や窒素肥料だけの一方的な削減であり、どちらも真の健康維持に薦められる話ではありません。

治癒の起こり易い食生活のカロリー量の制限、貝原益軒の言う 「腹七、八分目の心掛け」、其処にある飽食の戒めを守る事しかありません。

 脂質に就いて:

日本食は元来、淡白な魚菜食を好みとし、獣肉などに多く含まれる濃厚な脂肪食にはもとより馴染めず、其の摂取量も欧米から見れば大変少なかったと思われます。

一方の欧米食、脂肪の摂取量は日本食とでは桁違いに多く、先ずは脂肪の総摂取量を減らす事を第一に揚げられています。

次には脂肪の種類であり、飽和脂肪の摂取を絶対にやめる事と言い、獣肉、皮つき鶏肉、全乳及び全乳製品、バター、マーガリン、植物性ショートニング、等を揚げています。特にトランス脂肪酸を使った食品は全て避ける事と言っています。

又不飽和脂肪でも、多価不飽和脂肪は避ける事と言い、サフラワー油、ひまわり油、コーン油、大豆油、ピーナッツ油、綿実油、其れを使った製品を揚げています。

食卓で使う油には、もっぱらオリーブオイルが良いと言い、出来ればエクストラバージンの香味の良い油を使うのが望ましいと言います。

今盛んに言われているオメガ3脂肪酸の摂取を増やす為には青魚、亜麻に油等を揚げています。

 

―日本人は低摂取量で心配不要と言うトランス脂肪酸?―Web画像より

しかし、今の日本食は今や欧米食化の影響もあって、一部では脂肪の過剰摂取が指摘され、アンドルーワイル博士の言う、摂取する脂肪の種類の選択も考慮する必要が充分にあると思います。

其れこそ個々人での生活習慣、ライフスタイルで適切に対応をして行くしかありませんが、皆さんは如何対処されていますか?

脂肪で知って置く大切な点は、食事に含まれる高比率の飽和脂肪、肝臓を刺激して身体の除去能力を超えたLDL(悪玉)コレストロールを作らせるのであり、動脈壁を損傷して心臓血管系を損ない、早すぎる死や冠動脈疾患のリスクを高め、血流の減少で治癒力を低下させる事です。

又、多価不飽和脂肪油は化学的に不安定で、活発な二重、三重結合の脂肪酸は酸素と反応しやすく、その結果、毒性成分となってDNAや細胞膜を破壊し、癌や炎症の促進、組織の消耗性への変化をもたらすと言うのです。

又、マーガリン等のトランス配列の脂肪酸も自然界に存在しない物質であり、毒性が極めて強いとも言います。治癒の起こり易い食生活では、脂質の摂取量を出来るだけ控えるだけでなく、その種類の違いを知り、その選択利用が大切であるのです。

蛋白源に就いて:

蛋白質は、身体の組織の生合成・成長・維持・修復に必要であり、様々なアミノ酸からできた複雑な分子であります。欠乏すると生長を阻害し、治癒力に重大な損傷を招くというのですが、それが殆ど人が蛋白質の過剰摂取による害に悩まされていると言うのです。

身体の組織の合成や修復に必要な量以上に蛋白質を食べると余った分がエネルギー源となり、巨大分子で複雑な構造の蛋白質は、炭水化物や脂質と比べて消化と代謝により多くの作業を必要とし、仕事量に対しのエネルギー生産の効率が低いと言うのです。

従って高タンパク質の食生活を続けていると、消化器系に過重な負担が掛かり過ぎて、治癒の為に使えるエネルギーが不足する事にもなると言います。

それに蛋白質のもう一つの問題は、クリーンなエネルギー源では無いと言うことです。炭素・水素・酸素だけで出来ている炭水化物と脂質は、燃焼すれば二酸化炭素と水だけになるのですが、蛋白質には窒素が含まれて居り、其の代謝過程で極めて毒性の強い窒素残留物を作り出すと言います。

その残留残物の処理負担を肝臓が担い、其処で生まれる毒性の強い尿素を今度は腎臓が担わねばならないのであり、このような仕事に肝機能と腎機能を使っていると、肝臓と腎臓が治癒系で果たす重要な役割の足を引っ張る事になると言うのです。

その上に、蛋白質の代謝産物である窒素分解物が免疫系を刺激して、アレルギーや自己免疫疾患のリスクを高め、身体の防御機能を狂わせる事にも成り兼ねないと言います。

従って蛋白質は、食べ過ぎない方が良いのであり、身体の成長や維持・修復に必要な量だけ摂取して、代謝エネルギー源になる余分な蛋白質は摂らないにようにすると言うのです。

 

―蛋白源はクリーンエネルギーではない!WebImagesより

其の余分な蛋白質の量と言えば、成人の平均的な蛋白質の必要量は驚く程少なく、一日60グラムと言います。欧米食では一食当りでそれ以上が摂取されて居り、明らかに多すぎると言うのです。

たんぱく質の摂取量を減らすと、エネルギー負担が軽減され、消化器系の仕事が楽になり、肝臓と腎臓も余計な負荷から解放されて免疫系を刺激から守る事になるのと言うのです。

其れには蛋白質の特徴を知り、其の減らし方を知った上で、蛋白源のそれぞれの利点と欠点を知って、どの蛋白源を選ぶかで、長い目で見ての健康や治癒力に大きな影響を及ぼすと言います。

其の種類は、獣肉・鶏肉・魚肉・貝類・乳製品・卵・穀物類と豆類・種実類・種子類・大豆と大変多く多彩でありますが、日本食には理想的な動物食での魚介類、穀物食と大豆類があります。

其れ等の食材を適切に組合わせてた料理の味次第であり、過食とならないように食餌量を守る事で、世界一の健康長寿国、日本の面目も果たせると言えます。

其処で大切なのは、其の蛋白源食材の汚染度であり、アンドルーワイル博士が指摘している食物連鎖の上位に位置する生物を食べる事で起こる有害物質の過大摂取であります。

特に市販の牛肉、豚肉、鶏肉と卵では、其の飼育方法で成長ホルモン、抗生物質等、有機的な飼育法以外では多くの化学物質が使われて居るのです。

魚介類でも増えている養殖魚では同様に化学物質が使われて居り、天然の魚貝類と言えども海洋汚染が充分に懸念される時代です。

 

―再現された江戸時代の「一汁一菜」の朝食膳Web画像より

日本人の米飯食からの植物性蛋白質の摂取は大切であり、懸念されるのが矢張り農薬汚染ですが、実態を明らかにされて居るような情報が先ず見当たりません。

拙宅では、コメは生産者からの直接購入の特別栽培米を利用し、大豆食の中心となる味噌も亦、生産農家の無添加物の自家製味噌を纏めて購入しています。

アンドルーワイル博士は、蛋白源のまとめで、自発的治癒が起こり易い食生活に変えていく為には、蛋白食を減らす事と動物性蛋白質をやめ、魚と大豆蛋白に変える事と言い、それが動物性蛋白経由の有害な摂取物を減らし、魚類や大豆の優れた栄養素の摂取を増やす事になると結論しています。

其の点では日本食の蛋白源は世界に誇れる存在であり、加えて良質の米蛋白を取れば申し分のない食生活設計ができる事になります。

残る話は、果物と野菜、繊維質の二つになりまが、話が長くなりましたので一端終わりとさせて頂き、後日の機会に改めて取り上げる事に致します。

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