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ナラタージュ

2007-02-23 | 

最近若い小説家の活躍がめざましいですね。 とくに女性。
綿矢りさ、金原ひとみ、島本理生。
芥川賞、直木賞、文藝賞にこれら若い人たちが選ばれるのは
若者たちの表現力が優れているのか、
団塊ジュニアの才能が凡なのか。
前者お二人の作品は未読ですが、島本さんのは人の薦めもあり
2冊ほど読みました。

タイトルの「ナラタージュ」はその1冊。
ナラタージュとは、ある人物の語りや回想によって
過去を再現する手法で映画などでよく使われるそうですが、
なるほどそんなストーリー展開でした。
人生の中で、誰にも言わずに大事に胸にしまってきた箱を
ずーっと後になってそっと開くような話。
ニュー・シネマ・パラダイスをはじめ映画には確かに多いですね。

で、作品。
瑞々しい文体。 思慮深いけどさりげなく選ばれた言葉。
登場人物は等身大の観察眼から描かれながら、
その文体はとても大人びていて不条理ではないミスマッチを感じましたが、
けして嫌味ではなく、むしろ心から感心してしまった。
感受性が人並みはずれているのか、
若いうちにいろいろ経験しちゃったのか。
でも文体からすると後者ではなさそう。

今の若い人たちと話をしていると、ひと昔前より格段に
「個」としての自己が確立している人が多い気がします。
隣の人とは違う何か、を持ってるような。
独立心とも違うけど、帰属意識が薄いというイメージがある。
物質的に恵まれ、社会的な重圧からも生まれながらに解放されているためか、
その他にもさまざまな社会的現象が絡んで
世代間の違いを生んでいくのかもしれないな、なんて思います。
綿矢さんや島本さんたち若い小説家の活躍も
そうした時代を反映している気もしてきます。

前出の島本さん書き下ろしの純愛小説「ナラタージュ」は、
じんわりとした読後感のある、清涼飲料水を飲んだような
気分にしてくれる恋愛小説。  
作者が弱冠二十歳っていう背景はこれを読む上では重要なんじゃないでしょうか。
続けて「リトル・バイ・リトル」も読みましたが、
なぜか吉本ばななの「アムリタ」を思い出した。

彼女たちが30代、40代になったとき、どんな文章を書いているのか
想像もできないけれど成長が楽しみ。

純文学というカテゴリの中では、私は圧倒的に女性作家が好きです。
男性も好きな作家はたくさんいますが、心理描写、とくに女性の、が
非常に偏りがあって一人よがり(男よがり)なところが多分にある
気がして白けることがよくある。 
渡○淳一の官能小説もしかり。 妄想です、妄想。
まあ、逆もしかり、かもしれませんが。


CCつれづれ日記

昨日からDo As Infinityの「遠雷」が頭をぐるぐる。
メロディと歌詞が感傷的。

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