ネットラーニング カスタマーセンター

eラーニングに関する情報、つれづれなる日々の写真日記

ボッコちゃん

2007-09-08 | 

シュールである。

星新一はショートショート(短編をさらに短編にしたような短い小説)
の名手で、生涯を通じ1,001話以上の小作品を残している。

「ポッコちゃん」というのは、小説のタイトルにもなっている
セクシーなアンドロイド。
バーのマスターが道楽で作ったロボットだが、なかなかの接客ぶりに
店の看板娘(ロボット)となった。

この小説は筆者撰による50のショートストーリーから構成されているが、
その中でも最もシュールな作品の一つと思われる。
シニカル星人・星新一の荒唐無稽な小宇宙。
昭和46年出版とあるから近現代文学に近いが、今読んでも十分面白い。

現実的で懐古主義な私にはSFというのは普段あまり馴染みがない、
というか興味のない分野なので、映画も本もほとんどノータッチだったのですが、
この「ボッコちゃん」は、「え、これもSF・・・」と絶句させられる、
しかしながらボッコちゃんをはじめとする不思議な登場人物たちに
興味がわかずにはおられない、秀作でした。

なんというか、質のいいアメリカの風刺漫画を読んでるような感じ。
アホなこと書きながら核心に触れるというのは難しいワザではなかろうか。
星流ブラックユーモアは笑える。

しかし、生涯にわたって1,001話もの話を書いたのはすごい。
1,000をマイルストーンにしていたのだろうか。
その彼のミステリアスな生涯を最相葉月さんが綿密に取材し、評伝として上梓している。

星新一 一〇〇一話をつくった人」 最相葉月

最新の画像もっと見る