森絵都著「架空の球を追う」(文藝春秋)
「人生の機微をユーモラスに描きだすとっておきの11編」と帯にある森絵都の短編集。何にユーモアを感じるかというのは,難しい話。なんだか,それまでの人生を試される気がする。
「でも,許しちゃうんだろうな」
「うん,許しちゃうんだろうね」
そうだ許しちゃうんだろうこの人たちは,と突然,影と影が重なりあうように,彼女たちの心と私のそれが同化した。今のこの一瞬-夕映えになまめくグラウンドで,調子に乗って羽目を外して動物みたいにじゃれあって,生まれたてみたいなくしゃくしゃの笑顔を風にさらしている,このたった一瞬を思いだしただけでも,この母たちはきっと数年後の彼らをいとも簡単に許してしまうのだろう,と。
(「架空の球を追う」森絵都著 P12より)
少年野球にお金をかけて,やれユニフォームだ,スパイクだ,遠征だ・・と言ってても,数年たって高校生くらいになったとき,巨人の星より吉本の星になりたいと言い出す息子を,きっと許してしまうだろうと言う母たち。ベンチの隣でそれを聞く私は,やはり少年野球のメンバーの母なのか,休みの日にぶらりと見物しているギャラリーなのか・・・。
これを読みながら,そうだそうだ,私であっても,きっと許してしまうんだろうと思い,そして,多分,それが親というものなんだろうなと言い訳したりする。
先日,相変わらず就活中という娘にメールをした。旦那は,娘の話になるたびに,「就職決まらなかったらどうするんだ」と言う。ホントに,どうするんだろうと思う。娘の中に,家に帰ってくるという選択肢があるのか,自分でなんとか働きながら頑張ると考えているのか。
去年,希望の職種にたどり着けず,その後の不況で就職もママならず,それでももう一年だけ頑張りたいと言う娘を,結局旦那も私も許してしまったのだ。
旦那が好きでよく見る番組に,「人生の楽園」というのがある。週末の夕方,のんびりと見るのにいいらしい。会社生活を定年でリタイアした人が送る第二の人生や,趣味が高じてこうなりましたとか,いろいろな人が人生を楽しんでる様子をあれこれと番組にしている。無理してるなぁ・・とか,う~ん・・と思う人もないでもないが,これはまた別のお話で・・・
先日は,趣味で集めていた民芸品だったかを展示するカフェを開いた御夫婦の話だった。相変わらず夕御飯を食べながら,すごいなぁ・・と言いながら見ていた。趣味の延長でこんなことをできるなんていいなと思って,うらやましく見ていたのだけど,そこに若くして亡くしたお嬢さんの話が出てきた。20代で発病し,闘病生活を続けながら,30過ぎに亡くなってしまった方だった。その日も,相変わらず娘はどうするんだと,旦那は私に言っていたのだけど,でもその亡くなったというお嬢さんの写真を見ながら,まあ,生きていれば,きっとなんとかなるよと旦那に言った私・・・。娘がまだあきらめてないのだから,親のほうが娘よりも先にあきらめてはいけない気がした。
きっとなんとかなると思う。多分,あきらめなければ・・
「人生の機微をユーモラスに描きだすとっておきの11編」と帯にある森絵都の短編集。何にユーモアを感じるかというのは,難しい話。なんだか,それまでの人生を試される気がする。
「でも,許しちゃうんだろうな」
「うん,許しちゃうんだろうね」
そうだ許しちゃうんだろうこの人たちは,と突然,影と影が重なりあうように,彼女たちの心と私のそれが同化した。今のこの一瞬-夕映えになまめくグラウンドで,調子に乗って羽目を外して動物みたいにじゃれあって,生まれたてみたいなくしゃくしゃの笑顔を風にさらしている,このたった一瞬を思いだしただけでも,この母たちはきっと数年後の彼らをいとも簡単に許してしまうのだろう,と。
(「架空の球を追う」森絵都著 P12より)
少年野球にお金をかけて,やれユニフォームだ,スパイクだ,遠征だ・・と言ってても,数年たって高校生くらいになったとき,巨人の星より吉本の星になりたいと言い出す息子を,きっと許してしまうだろうと言う母たち。ベンチの隣でそれを聞く私は,やはり少年野球のメンバーの母なのか,休みの日にぶらりと見物しているギャラリーなのか・・・。
これを読みながら,そうだそうだ,私であっても,きっと許してしまうんだろうと思い,そして,多分,それが親というものなんだろうなと言い訳したりする。
先日,相変わらず就活中という娘にメールをした。旦那は,娘の話になるたびに,「就職決まらなかったらどうするんだ」と言う。ホントに,どうするんだろうと思う。娘の中に,家に帰ってくるという選択肢があるのか,自分でなんとか働きながら頑張ると考えているのか。
去年,希望の職種にたどり着けず,その後の不況で就職もママならず,それでももう一年だけ頑張りたいと言う娘を,結局旦那も私も許してしまったのだ。
旦那が好きでよく見る番組に,「人生の楽園」というのがある。週末の夕方,のんびりと見るのにいいらしい。会社生活を定年でリタイアした人が送る第二の人生や,趣味が高じてこうなりましたとか,いろいろな人が人生を楽しんでる様子をあれこれと番組にしている。無理してるなぁ・・とか,う~ん・・と思う人もないでもないが,これはまた別のお話で・・・
先日は,趣味で集めていた民芸品だったかを展示するカフェを開いた御夫婦の話だった。相変わらず夕御飯を食べながら,すごいなぁ・・と言いながら見ていた。趣味の延長でこんなことをできるなんていいなと思って,うらやましく見ていたのだけど,そこに若くして亡くしたお嬢さんの話が出てきた。20代で発病し,闘病生活を続けながら,30過ぎに亡くなってしまった方だった。その日も,相変わらず娘はどうするんだと,旦那は私に言っていたのだけど,でもその亡くなったというお嬢さんの写真を見ながら,まあ,生きていれば,きっとなんとかなるよと旦那に言った私・・・。娘がまだあきらめてないのだから,親のほうが娘よりも先にあきらめてはいけない気がした。
きっとなんとかなると思う。多分,あきらめなければ・・
親は傍観するだけというか,忍耐だなとしみじみ思います。
なんかね,普段は自分のことで結構精一杯ですし
まだ息子は家にいますけどね。
今日,車を運転していて,親も選べないけど,子どもだって
ある意味,親を選べないのだと思いました。
いや,先日読んでいた本を思いだしていたんですがね。
で,放り込まれた状況で,なんとかやるしかないんだと
思ったんですよ。
傷つけられたことに負けるなというか。
親に限らず,置かれた状況にというか。
で,確かに,最後は,生きてりゃいいさということに
なるんだろうなと思うんです。
まあ,・・・あきらめなきゃなんとかなるというのは,
就職できるとか,できないとかということに限らず,
この先の人生をということになろうかと・・。
先はまだ長いです。確かに。
ありがとう
なんとかなるんだよ
わしんところの 息子も
高校行かないで海外に飛び出して
そろそろ帰ってくるらしいが
二年も遅れて高校に入るのか
それとも 自分の暮らしを守るのか
親が死んだらなんてことは
いまは 考えられないんだよなあと思う。
いとこが亡くなったばかりなんだけど
よくできた子だったんだけど
たった26歳で自ら去ったわ
しかも 家から遠く離れたところで独りでひっそりと
見つけられたのが幸いだというくらいだったとおもう
奨学金で高校にいき
飛び級で大学に編入し 大学院へ行きながら就職し
順風満帆に思えたけれども
人生は何があるかわからんのだなあと思う
順番が違うことに
慰めのことばもないけれど
わしの場合
自分のいとこを二人なくしてるからね
一人は父親が学費を払わないといきなり言い始めてね 父親は医者だったけど躁鬱病だったの
医者の卵だったのに寮でつっちゃったのよ
で もう一人はちゃんと就職してたんだけど 自分の部屋で電球の玉割って握って感電しちゃったの
こちらは 神様みたいに思えた両親の元で 原因がさっぱりわからなかったの
でもね なんとなく 容姿が似ているの
みんなね なんとなく 似ているの
好きな道にいっても行かなくても
働いていてもいなくても親より先に行く子は黙って死んじゃうの
だったら 親がうだうだ言おうが
闘える子供は絶対に強い
なんていうか 極端な例だけど
親が理解しすぎても死んじゃった子もいるからね
この離婚してからの三年間いろんなものを見てきた気がするけれど
子供のことだけは あんというか
傍観するしかないという状態でございます ええ 長いわね
ごめんなそ