日,暮らし

明日は明日の風が吹く。

「マザコン」角田光代

2008-07-21 | 日々の読書
夏休みに入った。受験生の息子は,取りあえず勉強をしないといけない夏休み。さて,どうするのかなぁ・・と思っていたら,急に都会で大学生をしている娘から,2,3日帰るからとメールが来た。旦那に,帰ってくるってよ,とメールを見せて,何事か・・・と,2人でいろいろと悪い想像をしてしまった(笑)まあ,結局,お金がないし,暇だから・・ということらしいが,本当のところはどうだったのか。先日受けた就活も,最終面接で落ちたということで,なかなか決まらぬ就職。とはいえ,家には戻りたくないというなら,自分でなんとかしてもらわねばなるまい・・。

2,3日とはいえ,怖い姉ちゃんが帰ってきた息子は,そそくさと塾へ行った。毎度のことながら,姉ちゃんがいるあいだは,おとなしい息子

しかし,なかなか決まらない就職に,親はいったい何ができるんだろうと考えてしまう。今,教員採用試験にからんで,某県では県の教育関係の偉いさんや,学校の校長先生なんかが捕まったりして,ニュースになっている。我が子をぜひ教員に採用してもらいたいと,金品のやり取りなんかがあったらしい。我が子もなかなか就職の決まらない今日この頃・・なんとかして子どもが受かるようにと思う親心は,決して正しいことではないが,しかしよく分かる気もする。

ワイドショーで,モザイク掛けてインタビューに答えていた人が,例え300万出しても,元が取れるから・・なんて言っていたが,しかし,先生の世界はそうなのかもしれないけど,先の事なんて分からないなと,新聞のサブプライムローンに関するアメリカの雇用状況を伝える新聞記事を見ていると思う。日本だって,ある日突然,正社員だった会社がつぶれたりすることだってあるわけで,こんな世の中で,何に希望を持って子育てをしていったらいいんだと,親の自分が先にめげてしまいそうな気分になる。いったい,親として,自分は何ができるんだろうか・・と考える日々・・。元気で楽しく学校へ行ってたら,それ以上何も言うことはない・・なんて思っていたあのころが懐かしい。

「マザコン」 角田光代 著
30代の息子や娘から見た母の姿を描いた短編集。自分の知らない母とか,依存する親子関係とか,知らず知らずに影響されて今がある自分とか・・。離れたくてもなかなか離れられない母の存在。

自分と母というよりも,私の場合,この30代の子どもの姿が,我が子の何年か先の姿のようで,いったい自分はどの母なんだろうか・・と考えてしまった。親子といっても,所詮別人格であり,二十歳を過ぎれば,もう親としてできることは何もないんじゃないかと思ってしまう。なんというか,たまに実家に戻ってきたとき,何かおいしいものでも作って食べさせてやるくらいのことで,子どもの人生の中に分け入って,何かをしてやろうと思うことは,間違っているんだろうな・・とか。

多分,自分がいなくても,子どもはなんとかしていくんだろうな・・・というか,してくれなくては困るわけで,そうでないと,死んでも死に切れん・・・本当のところは,もう一回,子育てやり直したいと思う今日この頃,まあ,何度やっても,多分同じ結果だろうとは思うんだけど・・・

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