日,暮らし

明日は明日の風が吹く。

「きりこについて」 西加奈子著

2009-08-26 | 日々の読書
がさつな私に少々落ち込んでいた夜だったが,明けてからメールが来て,なんとか表面上は収まった感じ。これからは気を付けようと心に誓う小心者・・・

ネットのニュースを見ていたら,記者モデル小説で名誉毀損で賠償命令とあった。モデル小説も大変だ。どの程度の範囲の人に,この小説のモデルはあの人で,あの人はこんなに悪い人だったのか・・と思われたら名誉毀損になるのかな。少々,名前が違っていても,これは私のことで,真実ではないと思ったらそうなのかな。もちろん,名誉毀損となるような人も大変だろうけど,作家も大変だ。まあ,単に,その人の暴露記事を書くためだけにしたことなら,当然おとがめを受けても仕方がないかと思うだろうけど。

しかし,歴史上の人物だと,当然,資料からの想像の話になるだろうし,その資料からして,だれが書いたかによって,全く違う人物像が浮かび上がってくるのではないかと思うと,人の評価というのも軽々しくできないというか,結局,人間というものは,一言で言い表せられるような単純なものではないなと。いろんな面があるのが人間であり,それが人間としての深みになったりするんだろう。

そういや,今もまだまだ世間をにぎわせている某女性タレントSの覚せい剤事件,最初に夫が逮捕されたあと,Sが所在不明になり世間が騒いでいた。そのとき,それを伝える某テレビ局のワイドショーで,とある男性アナウンサーが,夫が職質されたときに呼び出されて来たというその某タレントが吐いたという言葉に,自分は一緒に仕事をしたことがあるけれど,そういうことを言うような人ではないと,かなり本気でかばっていたっけ。あの人,その後の展開はショックだったろうなぁ・・と思う。多分,人間なんて,いろんな面を持っているから,見る目がないとまでは言わないけれど,でも,そういうこともあるんだよと,私とそんなに年も変わらないようなアナウンサーに,よい勉強になったんじゃないかなと,上から目線で思う私まあ,人を信じるということも大切なことですけどね・・・と,どの口が言うのやら

図書館にリクエストしていた「きりこについて」(西加奈子著)がやっと回ってきたので読む。「容れ物」の自分と「そのもの」の自分。きりこのように生きられるようになるには,ずいぶん時間が必要なんだろうなと思う。でも,そのように生きられたら,本当に幸せなんだろうな。時々,我が儘とは違う,本当に素直に愛情に包まれて育ってきたのだなと感じる人がいるけれど,やはりそれは,生きていく上では,一番の強みだろうと,この本を読んでいて思った。

この本を読みながら,そういや,昔,我が家にも猫がいたことを思いだした。飼い主は私ではなかったし,私が高校,大学のころのことで,正直,ロクに家にいなかったような時期だったから,自分と猫との思い出というものが全くないということに,実は愕然とする。しかし,確かにシャム猫(♂)が1匹,いたのだった。

一番かわいがっていたのは,同居していた伯母だったが,伯母が入院したころ,いなくなってしまった。一度伯母が退院したころに,ふらりと戻ってきたのだけど,結局伯母が亡くなったころ,本当にいなくなってしまった。あのころ,家族の間では,最後のお別れを言いに来たのかも知れないという話になったんだけど・・・。

田舎だったが,結局,どこへ行ったか,見付からなかった。遠くで見たという話を聞いて探しにも行ったが,違っていたり,見付からなかったり・・・。どこかで元気にしていてくれるといいが・・・と,あのころ思ったことだった。

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