日,暮らし

明日は明日の風が吹く。

「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩

2005-09-28 | 日々の読書
先日の定期テストの結果が返ってきて,受験生の息子は,今まででも最悪と言われるくらいの成績だった。前回,あんなに落ちて先生にしっかりと言われたのだけど,これで次の三者面談は何を言われるかと思うと,それだけでどんよりしてしまう。ああ,もちろん,息子のほうがもっとだろうけど・・・。

しかし,「勉強したのに」という言い訳をするので,頭に来た。「勉強したのに」と言う割りに,見ていてすご~く頑張っているという熱意があんまり見られない。相変わらずテレビは見るし,ネットも,そんなに長時間ではないにしろしているし,家にいるときはだらだら過ごしているのだ。塾だけで勉強したところで無理だって言うのに,それも分かってない。点が悪かったら,どうしてかということを考えてないような気がする。

私も娘の受験を経てきたとはいえ,まあ大丈夫だろうと少し甘く見ていたところがあるかもしれない。ああ・・・受験終わるまで,落ち着かない日々が続く。

というわけで,どんよりしながら寝る前に「村田エフェンディ滞土録」を読む。毎日一章ずつ寝る前に読んでいるのだ。第一次世界大戦前のトルコ。トルコ政府からの招きにより留学してきた考古学者の村田。イギリス人のディクスン夫人が世話をする下宿にはドイツ人の考古学者オットー,ギリシア人のディミィトリス,下宿の下働きをするトルコ人のムハンマド,そして,道でムハンマドに拾われたオウムが住んでいる。

同じ梨木さんの「家守奇譚」の主人公が出てくる・・と知って読み始めたが,最後まで出てこないので??となっていたが,最後になって納得。これもなんだか不思議な香りのする物語だった。世界史上のいろいろな出来事と絡ませながら,トルコで村田が出会う人々の姿。遠くから見る祖国日本。世界地図を見ると,トルコは本当にヨーロッパとアジアの境目にあるのだ。イスラム世界とキリスト教世界,まだ帝国主義の時代。自分も異邦人でありながら,そんな混濁したような世界で「青春時代」を過ごす村田。国の違いが人間の違いではない。○○人ではなく,人は人間として生きているのだろうと・・・。

結局読み切って眠ったせいか,夢に博物館考古学研究室が出てきた。教授とお話ししているんだけど,なかなかはかばかしくない。なぜか博物館にはマックがあって,そこにまだ小学校低学年の息子が,なぜか友達(今の友達なんだけど)と一緒に座って,私を待ちながらバーガーを食べているのだ。でも食べているのは,先日食べたモスバーガー・・(^^;なんだかとってもおいしそうだった。で,まだ小学生の息子は,とってもかわいくて,待たせてごめんねと言いながら抱きしめていた母だったわけで・・・。

受験は確かに大変だと思うが,乗り越えてくれと思うだけ。

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1 コメント

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滞土録 (moni)
2005-09-29 08:54:31
読むのに結構苦労した本です。

でも最後まで読んで満足感を味わえたお話でした。

鸚鵡がいいよね。



こっちの三者面談っていつあるんだろう?

まだ一度もないんだよ。

11月に「進路説明会」があるようだけど、

これは地元の高校から保護者への説明会と思われます。

公立校全入地区だけあってものすごくのんびりしてます。

夏休み前の学年懇談会で「個人的な相談があればいつでも来てください」とは言われたけれど、わざわざアポをとって学校に行くのは敷居が高すぎますわ。

のんびりなのは進路指導だけじゃなくて、各教科の進度も。受験までに教科書終わるんだろうか…。

こののんびりのおかげで、娘たちは落ち着いてのびのびと中学校生活が送れてるわけではあるんだけど。



第一志望校に行って欲しいのは山々だけど、うちの娘たちはどこの高校でも楽しくやれるんじゃないかなと、思うように努めている今日この頃であります。