秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

囲碁観戦記の鑑賞術≪3≫ 〜好きな人への注目〜

2015年09月21日 | 囲碁界への提言
「歴代の名人の中でも坂田栄男さんは別格。勉強するなら、坂田さんの打碁がいい」
 と、佐々木修先生に勧められました。佐々木先生に限らず、私と同年代のプロも坂田先生の打碁を勉強していると言う話しは何度か聞いてはいましたので、一体どんな方なのかはずっと気になっていました。しかし、私が囲碁を始めた頃は坂田先生は既に引退され、囲碁雑誌でも書店でも坂田先生の打碁を見つけられません。
 ある時、坂田先生の実戦譜をまとめた本の復刻版を書店で見つけ、目を通してみました。結構難解な解説も多くありましたが、成程と思った打ち方がありました。それがきっかけで、坂田先生の打碁を出来る範囲で調べてみよう、と思ったのを覚えています。

 アマ高段者であってもプロの碁がわからないと原因と言うのは、何を選んで勉強したらいいのだろうか、そんな迷いが一因ではないかと考えられます。それならまず手始めに、著名棋士の打碁集を数冊読んでみては如何でしょうか。『囲碁名局精選』や『現代囲碁体系』等には当時のエピソードが紹介されていたり、実戦解説もわかりやすかったりと、囲碁に多少なりとも関心があれば十分に楽しむ事が出来ます。それらを読んで気になる打ち方が見つかれば、更に他の棋書や新聞の観戦記等を調べる等して、じっくりと深堀していく。
 囲碁と料理を比較して考える。囲碁インストラクターの木下かおりさんの手法を拝借すれば、有名シェフの番組をきっかけに、色々なレシピに挑戦してみる。テレビ朝日やBS朝日で土井善晴さんの料理番組が放送されていますが、これをきっかけに料理に初挑戦した方も大勢いらっしゃるでしょう。もしかしたら、それから父君の土井勝さんのレシピ本等を読む様になったと言う例もあっておかしく無い。

 何事を始めるにも、スタート以前には敷居を高く感じる物。ならば、技術の理解は一切後回しに、ご自身の好きな人のみに注目してみる。そうすれば思う以上にはじめ易くなる筈。これをその1つとして推薦します。≪続≫