秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

スランプと原点回帰

2015年04月06日 | 囲碁界への提言

いかなる世界にもスランプはあり、これには多くの人が悩まされています。
勝てる筈なのに勝てない。人一倍勉強しているのに強くなれない。残念ながら人間は、練習した事、努力が全て報われる事は有り得ない。これについては、野村克也さんも著書等で指摘されています。
では、そのスランプの正体は何なのか。

≪9才の壁≫という言葉が、放送大学の『心理学概論』という番組で取り上げられていました。これによると、ほぼ一定間隔で誰しも経験する通過点。これに似た見解を取られているのが石倉昇先生。著書の『ヒカルの碁勝利学』にて、囲碁のアマチュアの場合、ある一定感覚で訪れると紹介されています。

佐々木修先生によれば、アマチュアが強くなれない理由は、知識の歪みが原因。そこで、教える相手の脳内の状況を探り、誤って身に付いた知識を矯正する必要があるとの事。これは≪知識の棚卸し≫とも言えますが、物事を学び直す事で、より正しく理解する事の大切さを訴えています。

スランプ脱出の方法として、石倉先生の場合、野球選手が自分の好調の時の映像を見てフォームを整える様に、自分の過去の会心譜を並べ返すそうです。また人によっては、旅行をしたり音楽を聞くなどしているうちにスランプを脱出する事もあるそうです。
私個人の経験では、置き石を多目に、置碁で繰り返し対局する事。方法は時によりけりで、指導碁であったりPC対局であったりしますが、これで、普段の対局にやってしまう余計な雑念やヨミを排除し、本来の判断力を戻す事が出来る様です。そう言えば、
「あんた、一晩で2目半強くなっている」
と、佐々木修先生に言われた事がありました。それは、アマ強豪の指導碁を2日間で5局受けた直後で、恐らくはその効果が運良く出たのかも知れません。
私の例が参考になるかどうかは解りませんが、その人の本来のスタイルを取り戻す事、つまり原点回帰が必要なのではないかと思います。