秀策発!! 囲碁新時代

 「囲碁は日本の文化である」と胸を張って言えるよう、囲碁普及などへの提言をします。

まずは出来る事から

2014年11月17日 | 囲碁界への提言



 数年前に放送された、漫画家の赤塚不二夫さん追悼番組をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。漫画家の聖地と呼ばれたアパート≪トキワ荘≫での修行時代から、晩年の闘病期迄。私はおおよそは記憶しています。

 『もーれつア太郎』『天才バカボン』『ひみつのアッコちゃん』。赤塚漫画の代表作は数々ありますが、その何れも決して上手い絵とは思えない。しかしプロの漫画家だけあって、絵を描くスピードは物凄く早い。下書きをしなくとも、マジック1本であっという間に原稿を仕上げてしまう。それ以上に驚いたのは、小学生の頃に描かれた映画のポスターの模写。子供が描いたとは思えない完成度。素人目には見分けがつかず、本物そっくり。機会があれば一度ご覧下さい。
「山下清がコンパスを使わず、ペン1本できれいな円を描いているのをテレビで見た事がある」
  これは佐々木修先生から聞いた話ですが、漫画家をはじめとした絵描きは、頭の中に決め細やかな下書きを準備し、それをキャンパス上にそのまま再現しているのでしょうか。

 今となっては20年も昔となるのでしょうが、羽生善治さんが目をつむりながら将棋を指すCMがありました。それが出来るのは、頭の中に将棋盤が入っているから。林海峰先生も、頭の中に碁盤を入れるのが大事だと言われます。しかしそれはプロを目指す院生などに限っての事で、一般のアマが容易に出来る事ではありません。
 では、一般のアマが出来る事は何か。よい碁を沢山目の中に焼き付け、それを碁盤の上で再現してみる。私はこれを、≪鑑賞≫と≪下書き≫と読んでいますが、鑑賞と下書きを繰り返し行い、良い技術や思考を体得する。真似するだけであればそれほど苦しくは無く、継続しやすい。
 アスリートのトレーニング見ますと、楽しくゆったりとしています。これを考慮すると、厳しく難しい練習ばかりが大事ではない。アマチュア級位者の指導や学習も、見直す必要があるのかも知れません。