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熱帯果樹写真館ブログ

 熱帯果樹に関するトピックスをお届けします。

沖縄県立農業大学校でマンゴー栽培技術セミナーが開催されます

2006年07月10日 | マンゴー
 7月15日は沖縄県農水産物販売促進協議会が2000年に制定した「マンゴーの日」です。
 「マンゴーの日」に合わせてマンゴー関連のイベントが開催されたりしますが、今日はそんなイベントの1つ、沖縄県立農業大学校で開催される「マンゴー栽培技術セミナー」の紹介をします。



 セミナーは以下のとおり開催されます。

 開 催 日:平成18年7月15日(土) 09:30~12:30
 場  所:沖縄県立農業大学校教育棟1階大講義室及び屋外テント


                            
 内  容:農大におけるマンゴー栽培管理について ~ マンゴーの一年 ~
       家庭でも楽しめるマンゴーの作り方
       農大マンゴー入りアイスクリームの試食キャンペーン
       マンゴーの接ぎ木演習
       農大OBによるマンゴーのPR販売
 参集範囲:マンゴーづくりに関心のある一般県民(先着50人)
 申込方法:農業大学校に電話 or FAX.でお申し込み下さい。
       沖縄県立農業大学校・名護市大北1-15-9(北部工業高校近く)
        FAX番号 0980-54-2853  
        電話番号  0980-52-0050
        担当者:教務  高良・神山・中石

 マンゴーに興味がある方(沖縄県民限定)は、農業大学校が開催する「マンゴー栽培技術セミナー」に参加してみてはいかがでしょうか?

台湾産マンゴーから基準値を超える残留農薬が検出

2006年07月08日 | マンゴー
 平成18年7月7日の中国新聞・地域ニュースに「丸久、マンゴー3500個自主回収」と題した記事が掲載され、台湾から輸入されたマンゴーから食品衛生法で定める基準値を超える残留農薬が検出された旨が綴られていました。
 記事の気になる部分を抜粋しますと、

(前略)
 山口県内や大竹市、島根県吉賀町の計六十六店で販売した台湾産マンゴー約三千五百個に、食品衛生法で定める基準値を超える残留農薬が含まれていたとして(販売業者は)自主回収を始めた。
(中略)
 検出された農薬は殺虫剤の一種「シペルメトリン」。基準値〇・〇三ppmを超える〇・二ppmが含まれていた。
(後略)


 とのことです。

 この記事でキーワードとなるのは「食品衛生法」と「残留農薬(その基準値)」です。

 「食品衛生法」は、平成18年5月29日に「ポジティブリスト制度」が導入され、農畜水産物に使用されている農薬、飼料添加物、動物用医薬品に新たな残留基準や一律基準が設定されるといった改正がありました。
 「ポジティブリスト」とは、農産物の生産を行う際に使用される農薬は原則全てが禁止されている中で、禁止されていないものを一覧表に示したものことで、これまで使用されてきた「ネガティブリスト」、つまり原則自由の中で禁止しているものだけの一覧表の対義語です。

 ネガティブリストを基準とした農薬の使用では、国産農産物だけで考えれば、国内で使用されている農薬は「農薬取締法」に従った使用が遵守されれば自動的に食品衛生法の残留農薬基準値もクリアーされる様になっています。しかし、例えば海外でネガティブリストに掲載されていない農薬が使用されていたり、それが残留した食品を輸入されたとしても差し止めることはできませんでした(「農薬取締法」で使用の制限ができるのは国内だけ)。
 そこで「ポジティブリスト」が導入されました。

 具体的に書きますと、例えばマンゴーの残留農薬の基準値はこの様になっている様です。
 ここで基準値が示されていない食品や農薬に関しては、一律に0.01ppmを越えて含有してはならないことになっています。これが「一律基準0.01ppm」です。

 今回、台湾産マンゴーから検出された農薬は殺虫剤の一種「シペルメトリン」でした。基準値0.03ppmとなっているにも関わらず0.2ppmが含まれていたのですから、基準値以上の農薬が残留していたことになります。

 少し話がずれるかもしれませんが、実は日本に輸入された台湾産マンゴーで基準値を超える残留農薬が検出されたのは今回が初めてではないようです。

 平成18年5月17日付け「FOOD SCIENCE」のサイトで「松永和紀のアグリ話●ポジティブリスト制への疑問6 輸入食品違反は急増する?」と題された記事が掲載されています。
 この記事によりますと、月刊誌「食品衛生研究」(日本食品衛生協会刊)3月号に掲載されている厚労省監視安全課・宇野真麻氏の論文(以下、論文)で、2005度上半期の輸入食品の検査結果をポジティブリスト制の新たな基準に当てはめて調べ、制度施行後の基準値超過事例を推計しているそうです。
 以下に、松永氏の記事(特にマンゴーに係る箇所)を抜粋して紹介します。

(前略)
 台湾産マンゴーは違反が23件(現行基準違反1件も含む)と、際立って多かった。検出された農薬の種類も5種類あった。しかし、超過件数が多かったシペルメトリンとフルシトリネートについて論文は、「台湾でもマンゴーに対し残留基準値を設定しているため、基準値を超えないための管理方法の必要性は理解しているはずであり、日本への輸出に際し注意する点を明確にすることは比較的難しくないと考える」と記述している。

 分かりにくいので、台湾衛生省のウェブサイトでもう少し詳しく調べてみた。すると、マンゴーにおける殺虫剤シペルメトリンの残留基準は0.5ppm、対する日本の基準は0.03ppm。フルシトリネートは台湾が1.0ppm、日本は0.05ppm。これだけ残留基準に差があれば、引っ掛かってしまうのも無理はない。
(後略)


 と台湾産マンゴーで基準値以上の農薬が残留していることが多かったこと、また台湾産マンゴーは基準値をオーバーしやすい作物であることを記しています。
 松永氏は、(後略した)記事中に、「輸入業者がしっかり対策をとっていれば、輸入食品における違反数はそれほど増えないかもしれない。」としていますが、今回の台湾産マンゴーの件では「基準値をオーバーしやすいとわかっていたシペルメトリンで、またオーバーした」と言えると思います。

 台湾産マンゴーと言えば、平成18年6月29日付けAsahi.comで「台湾マンゴーを売り込め!大阪で台南県が試食会」と題して大阪府で台湾産マンゴーの試食会が開催された記事が掲載されたばかりでした。
 その記事によりますと、

(前略)
 同県(台南県)から日本へのマンゴー輸出は、害虫を駆除する蒸熱処理場の増設で、03年の75トンから昨年には480トンまで急増、今年は1500トンを見込むという。
(後略)


 と、台南県だけから今年の沖縄県産マンゴーの予想出荷量1,310tを越える量のマンゴーを日本向けに輸出すると意気込んでいただけに、今後はしっかりと対策をとり日本の消費者を満足させて欲しいものです。

 日本のマンゴーファンのためにも、海外産マンゴーを輸入される業者は、あらかじめ産地に日本が如何に「食の安全・安心」にこだわっている国であるかを説明し、万一残留農薬の基準値を超える果実を生産した場合は何故そうなったのか?今後はどうするのか?と原因解明と対策追及を厳しくしていただきたいと思います。

 因みに、海外産マンゴーと記したのは、台湾産マンゴー以外にタイ産マンゴーでも基準値以上の残留農薬が検出されていたからです。

 美味しいだけではなく、安全なマンゴーが食べたいです。

厚生労働省 報道発表の2006年7月7日付け「輸入食品に対する検査命令の実施について(ブラジル産とうもろこし及び台湾産マンゴー)」で本件に係る詳細説明を見ることができます。(2006年7月10日追記)

○参考サイト
 ・google ニュース日本版 
 ・中国新聞
 ・ポジティブリストで残留農薬を調べてみよう 
 ・みんなの農薬情報館 
 ・厚生労働省 食品安全情報 
 ・Asahi.com 
 ・沖縄タイムス 
 ・FOOD SCIENCE 
 ・厚生労働省 報道発表資料 



インド産マンゴウの生果実が輸入解禁になりました

2006年06月29日 | マンゴー
 農林水産省は、平成18年6月23日付け発プレスリリース「インド産マンゴウの生果実の輸入解禁について」によりインド産マンゴーの生果実が輸入解禁になったことを以下の通り発表しました。

 インド産マンゴウの生果実については、インド側からの輸入解禁要請を踏まえ、これまで科学的・技術的検討を行い、公聴会、パブリック・コメント等の手続を経て、病害虫の侵入のおそれがないことを確認したので、本日付けをもって、インド産マンゴウの生果実について、輸入解禁措置を講じることとする。

 

 インドにはミカンコミバエ種群(PDFファイル)、ウリミバエ(PDFファイル)といった日本には分布していない(根絶を終えた)果樹・果菜類を加害する害虫が分布してます。
 日本では、それら害虫がインドから輸入される農産物と共に国内に侵入することを防ぐため、植物防疫法第7条1項第1号の規定に基づき、上記の害虫の寄主植物の輸入を禁止しています。
 しかし、このたびインドでは、マンゴーを輸出する前に果実に蒸熱処理(飽和蒸気を利用し、生果実の中心温度を47.5℃以上で20分間加温することにより害虫を殺す処理)を施すことにより、ミカンコミバエ種群・ウリミバエを殺虫することを条件に、日本にマンゴー生果実を輸出できる様にしました(資料1:PDFファイル)。

 インドと言えば世界屈指のマンゴー生産国です。
 デルモンテの「豆知識/マンゴーの話」には、

 現在の、マンゴーの主な栽培地は、東南アジア、中南米、ハワイ、フィリピン、オーストラリア、西インド諸島、東・南アフリカ、エジプト、イスラエルと広い範囲にわたっており、たくさんの人々がマンゴーを食べています。
 中でもインドの生産量は飛び抜けており、インド国内のマンゴー果樹園を合計すると約100万ヘクタールにのぼり、全世界の生産量約900万tのうちの約65%を生産しています。代表品種は“アルフォンゾ”といい、これは最優良品種として知られています。

 

 といった具合にインドの凄さが書かれています。
 因みに沖縄県産マンゴーの生産量は、1,200t~1,800t程度です。

 そして、気になる輸入解禁されるマンゴーの品種ですが、

  ・アルフォンソ種
  ・ケサー種
  ・チョウサ種
  ・バンガンパリ種
  ・マリカ種
  ・ラングラ種

 の6品種とのことです(資料2:PDFファイル

 アルフォンソと言えば、これまでも加工品(缶詰等)が日本に輸入されていた様ですし、「カゴメ」のフルーツジュース「Fruit Morning」や「びっくりドンキー」のデザートメニュー「マンゴードリンク」で使用されている品種です。

 その他の品種は、あまり馴染みがありませんが、マンゴー大国インドから輸入されるマンゴーは1度は食べてみなければいけない気がします。
 しかし、インドマンゴーの収穫シーズン(輸入時期)が国産マンゴーと競合しているのが気になります…。
 頑張れ!国産マンゴー!


インド産マンゴーの収穫時期


熱帯ドリームセンターのマンゴーコレクション

2006年06月23日 | マンゴー
 「熱帯ドリームセンター」は、沖縄県内有数の観光スポットである「美ら海水族館」がある国営沖縄記念公園(海洋博公園)内にある植物園です。
 海洋博公園と言えば「美ら海水族館」があまりに有名なため、水族館とイルカショーの「オキちゃん劇場」だけで時間を使い果たし、満足して帰ってしまわれる観光客が多いと思われます。
 しかし、海洋博覧会記念公園には熱帯植物マニア垂涎の植物園である「熱帯ドリームセンター」やプラネタリウムや太平洋の島々の文化が楽しめる「海洋文化館」といったパビリオン(有料)や沖縄の古い民家が体験できる「沖縄郷土村」や植物に関する書籍を集めた「みどりの図書館」や植物で作った迷路がある「熱帯・亜熱帯都市緑化植物園」等の無料で楽しめるスポットもあり、とても1日では遊びきれない程のボリュームがある観光&レジャースポットであることを忘れてはいけません。

 前置きが長くなりましたが、先日(6/19)に「熱帯ドリームセンター」を訪れる機会がありましたので、そのとき私が特に関心をもった内容をレポートします。

 私が関心をもったのは、「果樹温室」に並んだマンゴーの鉢物でした。



 80L鉢ではないかと思われますが、黒い鉢に入ったマンゴーの樹は結実しているものが少なくありません。
 しかも、これらのマンゴーはほとんど品種が違うではありませんか!



 鉢ごとにラベルが付いていましたので、どんな品種があったのか以下に列記したいと思います。

 1.ベッキー(Becky)
 2.エドワード(Edward)
 3.グレン(Glenn)
 4.ゴールデンリペンス(Golden Lippens)
 5.ゴールデンN(Golden Nugget?)
 6.ヘーデン(Haden)
 7.ケンジントン(Kensington Pride?)
 8.リリー(Lily)
 9.リペンス(Lippens)
 10.マグシマム(Magshamin?)
 11.オースティン(Osteen?)
 12.スピリット(Spirit of 76?)
 13.スプリング(Springfels?)
 14.バレンシア(Valencia Pride?)
 15.Van Dyke(Van Dyke)
 16.玉文(玉文1号?)
 17.アカキーツ、レッドキーツ(果皮の赤いキーツ
 18.ゴールデン(?)
 19.バール(?)

 カタカナ表記は「熱帯ドリームセンター」で実際にラベル記載されていた品種名ですが、その一部に?な部分があったので、括弧内に私が独自に「これではないか?」と思った品種名をアルファベット等で書いてみました。
 ?が書かれているものは、恐らくこれなんじゃないかな?という意味です。

 この他にも、より大きなコンテナで栽培され結実していたキーツ(kiett)と思われるマンゴーもありました。

 これだけのマンゴーコレクションが見られる植物園は、国内では他にないと思われます。
 まだ果実には紅がのっていないものが多い様ですが、これから1ヶ月程度はこのマンゴーコレクションを見に行くだけでも「熱帯ドリームセンター」を訪れる価値があると思いました。