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この国がもつ、もう一つの顔~コートジボワールの車窓から(5)

2016-06-08 07:30:03 | アフリカ紀行
先日、4回にわたってコートジボワールの第二の都市、ブアケを目指し一路北へ、内陸を上っていくルートの車窓をご紹介した。アフリカでよく見る村の光景に表情がなごむ。

村の光景~コートジボワールの車窓から(4)

しかしこれらの光景が、西アフリカ経済の中心と呼ばれる国の第二の都市で、しかも南北国道の要衝であるブアケからそう遠くない村のものであることを考えると、コートジボワールの地方部、特に北部地域の生活状況は、さらによくないのではないかという危惧が頭をよぎる。実際、この国の保健や教育の指標、特に妊産婦死亡率や女子の就学率は、所得水準に見合わない、またガーナやセネガルなどに比べても大きく遅れをとっている、との評価だ。


80年代まで、この国には相応の社会サービスのしくみが整えられ、それを支える行政機能と人材があった。当時を知る人は口をそろえる。その後、1990年代の後半から10年以上にわたって内戦と混乱が継続、国は南北に分断。特に北部では実質的に行政機能は停止し、社会サービスの供給も止まった。

その10年余の間に、国際社会では国連ミレニアム開発目標(MDGs)が共有され、貧困対策と基礎生活分野の改善に力が注がれた。コートジボワールの北部は、紛争により後退したばかりか、10有余年の機会を逸失してきたともいえる。


年率10パーセント近い経済成長を誇り、インフラ開発やビジネス、投資が過熱しているコートジボワール。そして経済の中心であるアビジャンの様子と対比すると、あまりにアンビバレントな地方部。南部と北部、経済開発と社会開発、大都市と地方部、成長と貧困。いろいろな意味でバランスのとれた開発を進めないと、この国は再び均衡を失うリスクを抱えている。素朴な村の表情の向こう側には、そんなことも見え隠れする車窓だった。



(おわり)

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