摂氏911

自然な生き方をめざす女性が、日々のできごと、感じたことなどをつづります。

面倒と向き合う

2009-02-22 01:19:23 | 気づき
うちの息子は、いつも決まったもの以外は
なかなか食べません。
私は離乳食は作ったことがなく、
大人が食べるものをとりわけて
小さく切ったり、柔らかくしたりしてあげてましたが、
その時は特に好き嫌いはありませんでした。
ところが、大きくなるにつれて
だんだん食べないものが多くなりました。

でも、無理に食べさせることはしてきませんでした。
それは、何でも無理強いすれば逆効果だと思っていること、
食べ物を「食べさせる」ということに違和感を感じること、
子どもはその時の本能で食べてるんだろうから、
必要な時が来たら、他のものも食べ始めるだろうと思って
いるためです。

確かにこの考え方は今でもあまり変わりありませんが、
昨日気づいたことがあります。
単に、めんどうくさいということ。
いろいろやりたいことがあるのに、
うだうだ言って食べない息子につきあうのが
面倒だという理由も、確実にあるのです。

そうやって子どもが発信するいろんなメッセージが
面倒くさいから、
黙ってくれるものをいろいろ出しちゃうんですね。
食べ物にしろ、娯楽にしろ。
子どもとの摩擦、向き合うことを避けちゃってるみたいです。
甘やかしすぎたり、距離を取りすぎたり。

これって、そのまま子どもが大人になっても
引きずってしまいそうな気がします。
人とうまく関れないから、
テレビやパソコン・ケータイの仮想の世界に浸りがちになって、
家族の誰かに何かが起こったときより、
自分がよく見ている番組のタレントのニュースの方が
身近に感じてしまうようなこともあるんじゃないかな?
かく言う私自身も、父が末期ガンで入院している時、
アメリカでいつも見ていたニュース番組のキャスターが
亡くなって、そっちの方がショックでした。

最近はもっとそういう傾向が強まって、
アニメ制作か何かの専門学校で
生のヌードモデルのデッサンをやったら、
途中で何人かの学生が「気分が悪い」と言って
退室したんだそうです。
NHKスペシャルで有名になった金沢の元小学校教諭、
金森俊朗先生は、去年聞いた講演で、
子どもの「野生」が失われているというようなことを
話していました。
生の人間という最後の野生も受け入れられなかったら、
これから私たち、どうなるんだろう??

テレビやパソコンの中の世界は理想化されていたり、
距離がありすぎて、
自分が好きで選んでいるものなら、
不快感を与えられることはあまりないでしょう。
そういうものにしか親近感を感じられなくなったら、
外の世界には出られなくなるだろうなぁ。


子どもに本当に生き延びる力をつけてほしかったら、
やっぱり時間と心の余裕を持って、
子どもの発信するいろんなメッセージに
向き合う必要があるんだなと、
今さらながら思ったしだいです。
そして、面倒くさい子どもとの「摩擦」を
恐れないことも肝に銘じたいと思いました。
うだうだ言ってる下にどんな感情があるのか、
想像力を働かせながら。


追記:
そういえば、子どもと「向き合う」のはよくないと
小林正観さんだったかな?
言ってました。
向き合うのではなく、親が楽しそうにしている背中を
見せることがいいんだって。
本当にそうだなぁと思ったんですが、
今日の記事では「向き合う」以外のいい言葉が
見つからなかったので、使ってしまいました。

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2 コメント

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 (てる)
2009-02-22 04:44:02
「離」という言葉は、子どもを大きく育てる心になります。

「離」は離れること、離すことであり、始めること、終わることでもあります。
離れて初めて大切さを知り、離して初めて温かみを知り、始めて初めて捨てることの存在を知り、終わらせて初めて自分の足で歩くことを知るのです。

子どもは純粋な人です。だから信じることができます。信じることは繋がることに通じ、どんなに離れていても心が繋がっていれば、切れることはありません。

親が常に子どもの傍にいられるとは限りません。常に子どもの傍にいる親でも、子どもを心の目と耳で繋ごうとしなければ、いないことと変わりはありません。

親がすべきことは「孤」と「個」の違いを教えるだけで充分だと思います。


ぼくは21歳の不肖の者であり、礼儀など露も知りませんが、どうかこの文章の真なる意味を御理解頂けたら幸いでございます。
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深いですね (かおる)
2009-02-23 21:44:18
てるさん

コメントありがとうございます。

正直なところ、最初てるさんのコメントを見たとき、
なんだかよく分かりませんでした。
いったん「離れて」、もう一度読みなおしたら、
すっと入ってきたみたいです。

てるさんの言葉を心の奥に持って、
子育てしてみましょう。
すぐには頭でわかったつもりのことを
実行できるかわかりませんが、
こんなご縁をいただいたのは、
きっと意味があることと思いますから。
ありがとうございました。
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