摂氏911

自然な生き方をめざす女性が、日々のできごと、感じたことなどをつづります。

ケアワーカーは見た(聞いた)!定年男性のざんげ

2007-01-20 00:02:47 | 社会活動
岡崎の愛知県西三河総合庁舎で行われた
コミュニティビジネス・マッチング交流会に
参加してきました。
そこで聞いた、心があたたかくなるお話を一つ。
(細部に誤りがあるかもしれませんが
なにぶん会場でとったメモだけがたよりなので、
ご了承ください)


碧南市の有限会社デイ・サービスかなりやの小野寺敬子さんが、
日曜に事務所で一人仕事をしていると、
一人の男性が「邪魔していいかな」と訪ねてきました。
しばらく世間話をした後に、その男性は、
「定年になり、家にいるようになって、いろいろ分かってきた」
と語り始めました。
妻が10余年男性の母親を介護してきたことが、
どれだけ大変なことだったか分かったというのです。
「あいつには、もう無理をさせたくない」

ある日、男性の家でドスンと大きな音がしました。
急いで駆けつけてみると、男性の父親が風呂場で倒れていました。
それを見た男性は、とっさに「ごめん!」と言って、
風呂場の扉を閉めてしまいました。
男性は今も罪悪感に悩まされていると、打ち明けました。
座っていた回転椅子をぐるりと回し、
小野寺さんに背を向けながら。

しばらくたったある日、一人の女性が事務所に来て、
小野寺さんにぐちをこぼしました。
「うちのお父さんは、本当に役に立たない。
おじいちゃんが倒れた時、真っ先に駆けつけたのに、
扉を閉めちゃって何もしないんだから」

小野寺さんは何も話さず、心の中で思ったそうです。
「あなたには、懐の深い人がついてるから、大丈夫だよ」


「ケアは哲学である」と書かれたのを読んだのは、
甘利てる代さんの著書「私も入りたい老人ホーム」だったかな?
本当にそのとおりだと思うし、
日常的にいろんな悲喜こもごものドラマが
起こっているんでしょうね。

今は赤ちゃんからお年寄り、障がい者も
一緒に面倒を見てもらえる
小規模多機能の富山型デイサービスと呼ばれるサービスが、
各地で増えています。
私もできるなら、子どもをそんなところに通わせて、
本物の思いやりを身につけてほしいと思ってます。

金沢へ移ったら、富山は隣の県。
ぜひ本場を見て、岐阜に帰ってから何ができるか
考えたいです。
でも、その時はただ先人が作ったシステムを
そのまま真似るのではなく、
ケアの対象だった人が、起業しちゃうくらい
画期的なことを考えたいなぁ。