将軍と金融、富豪の「3G」=史上最も裕福なトランプ次期政権-米
2016年12月14日 14時26分
時事通信社
【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は13日、国務長官に石油大手エクソンモービルのティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)を指名すると表明し、次期政権の主要閣僚が固まった。目立つのは「将軍(ゼネラル)」と金融大手「ゴールドマン・サックス」出身者、大富豪を意味する「ガジリオネア」の重用だ。それぞれの頭文字を取り「3G政権」(民主党のマカスキル上院議員)とやゆする声が上がる。
米メディアによると、トランプ氏と閣僚候補の合計資産は少なくとも120億ドル(約1.4兆円)を超え、「米史上最も裕福な政権」になる見通しだ。
要職に就く元将軍は3人。国防長官に海兵隊出身で通称「狂犬」のマティス元中央軍司令官が指名されたほか、国家安全保障担当大統領補佐官にフリン元国防情報局長官、国土安全保障長官にケリー前南方軍司令官が決まった。
トランプ氏は能力、経験から「将軍たちは素晴らしい」と絶賛するが、文民統制を危ぶむ声がある。3人はいずれも強硬派と目され、オバマ政権が模索した国際協調路線を転換し、「米国第一主義」に基づく対ロシア政策や同盟国との安全保障政策を打ち出す可能性がある。
ゴールドマン出身者は3人が起用される。コーン社長兼最高執行責任者(COO)を国家経済会議委員長に指名。次期財務長官のムニューチン氏、首席戦略官・上級顧問に就くバノン氏もゴールドマン勤務歴を持つ。
商務長官に就く著名投資家ロス氏の個人資産は29億ドル、次期教育長官デボス氏の義父は直販大手アムウェイ創業者で50億ドルの資産を持つとされる。国務長官に決まったティラーソン氏は1億5100万ドル相当のエクソン株を保有するとみられ、外交政策との「利益相反」が懸念されている。
トランプ氏は大統領選で民主党候補ヒラリー・クリントン氏の資産やゴールドマンとの「癒着」を批判。「エスタブリッシュメント(既成勢力)打倒」を訴えたが、選挙後は態度を一変させ、金融機関や巨大企業寄りの政策を検討し始めた。
「3G」登用は民主党が激しく反発し、共和党内にも、ロシアと強いつながりを持つティラーソン氏の国務長官起用に懸念が出た。閣僚就任には上院の過半数による承認が必要であり、曲折も予想される。
2016年12月14日 14時26分
時事通信社
【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は13日、国務長官に石油大手エクソンモービルのティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)を指名すると表明し、次期政権の主要閣僚が固まった。目立つのは「将軍(ゼネラル)」と金融大手「ゴールドマン・サックス」出身者、大富豪を意味する「ガジリオネア」の重用だ。それぞれの頭文字を取り「3G政権」(民主党のマカスキル上院議員)とやゆする声が上がる。
米メディアによると、トランプ氏と閣僚候補の合計資産は少なくとも120億ドル(約1.4兆円)を超え、「米史上最も裕福な政権」になる見通しだ。
要職に就く元将軍は3人。国防長官に海兵隊出身で通称「狂犬」のマティス元中央軍司令官が指名されたほか、国家安全保障担当大統領補佐官にフリン元国防情報局長官、国土安全保障長官にケリー前南方軍司令官が決まった。
トランプ氏は能力、経験から「将軍たちは素晴らしい」と絶賛するが、文民統制を危ぶむ声がある。3人はいずれも強硬派と目され、オバマ政権が模索した国際協調路線を転換し、「米国第一主義」に基づく対ロシア政策や同盟国との安全保障政策を打ち出す可能性がある。
ゴールドマン出身者は3人が起用される。コーン社長兼最高執行責任者(COO)を国家経済会議委員長に指名。次期財務長官のムニューチン氏、首席戦略官・上級顧問に就くバノン氏もゴールドマン勤務歴を持つ。
商務長官に就く著名投資家ロス氏の個人資産は29億ドル、次期教育長官デボス氏の義父は直販大手アムウェイ創業者で50億ドルの資産を持つとされる。国務長官に決まったティラーソン氏は1億5100万ドル相当のエクソン株を保有するとみられ、外交政策との「利益相反」が懸念されている。
トランプ氏は大統領選で民主党候補ヒラリー・クリントン氏の資産やゴールドマンとの「癒着」を批判。「エスタブリッシュメント(既成勢力)打倒」を訴えたが、選挙後は態度を一変させ、金融機関や巨大企業寄りの政策を検討し始めた。
「3G」登用は民主党が激しく反発し、共和党内にも、ロシアと強いつながりを持つティラーソン氏の国務長官起用に懸念が出た。閣僚就任には上院の過半数による承認が必要であり、曲折も予想される。