反韓にシフトできぬ日本が、韓国に「核兵器」で脅される日
2019年1月29日 5時0分
まぐまぐニュース
レーダー照射事件等の韓国による日本軽視、北方領土問題を巡り滑らかに回っているとは言えない日露関係、一時ほどの緊張関係からは脱したものの未だ浅くはない中国との溝など、混迷を極める我が国の外交政策。この先日本はどの国との関係を強化し、この荒波を乗り切ってゆくべきなのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんが、さまざまな要素を勘案した結果導き出された「日独仏の連携」という、ある意味意外な組み合わせを提案しています。
日独仏3国同盟の時代に
米中貿易戦争の視点が貿易収支ではなく、ハイテク覇権の戦いになってきた。米国は中国排除に動いている。ドイツも中国離れのようである。その動向を検討しよう。
NY株価
NYダウは、12月26日2万1,712ドルまで下がり、12月27日最後の1時間で株PKOを行い戻して、12月28日2万3,381ドルにした。1月4日2万2,638まで下げたが、その後は連騰になり、1月18日には2万4,750ドルまで戻したが、1月22日2万4,244ドルまで下がり、1月25日2万4,737ドルになっている。
高値圏になり、方向感がない株価の動きが続いている。企業決算発表は、銀行を含めてよい内容であり、株価を支えている。また、政府機関閉鎖も一時解除することで、株価を支えている。しかし、ハイテク分野への投資資金は枯渇しているとか、金融機関のリストラなど、気になる点もある。
FRBも、ヘッジファンドの帝王レイ・ダリオから金利上昇すると市場は暴落すると言われて利上げを中止したようである。それを好感して市場は上げたが、次の材料がない。
米中通商交渉もトランプ大統領やポンペイオ国務長官、ムニューシン財務長官は楽観的であるが、ロス商務長官やライトハイザー通商代表部代表は悲観的に見ている。
中国は6年間で、米国の物品を大量に買い、貿易収支をトントンにすると言い、トランプ大統領の支持層である農家の希望を叶えられるので、しないと2年後の大統領再選ができなくなるので、部分合意は絶対にする。
しかし、中国は盗用したハイテク技術を国家補助金で開発するが、米国は、それを止めようとしているが、それに対しては、中国は猛反発している。この件で中国は1月末までに予備交渉をしたいとしたが、米国は拒否している。このため、全面的な合意は、できない状態になってきた。
ダボス会議でも王岐山国家副主席は、「技術覇権の争いは、やめるべきである」と発言して、「中国製造2025」を継続すると宣言した。
このため、株式市場が1月末の米中交渉をどう受け止めるのか焦点になっている。米中貿易戦争の終焉と技術戦争の勃発で、景気後退するか、しないかの判断で、株価は下落もするし上昇もする。
通商交渉で、中国が折れないので、米国は、国防権限法を制定して、ハイテク分野の中国企業5社と、5社と取引をした世界の民間企業とは、米政府機関は取引しない。また、米国は英、カナダ、豪州、ニュージーランドと日本も同じ内容の依頼をして、中国ハイテク企業を米同盟国からも締め出す方向である。
もう1つ、米国は、最先端技術を習得するための中国からの留学生をスパイと見なして締め出し始めた。相互入国法などでも、人の移動を制限する方向である。
また、習近平国家主席が台湾の武力統一を示唆したことで、アジア再保証推進法を制定して、台湾への最新武器取引を解禁している。全体的には中国覇権阻止とハイテク技術の締め出しを行う方向である。
ファーウェイの5G設備を使わないとしたのは、米国など6ケ国の他にドイツ、スウェーデンなどEU諸国、台湾にも広がっている。このため、ファーウェイは、従業員のリストラを行うとした。
これに対抗して、中国は、恣意的に外国人を逮捕して、自国の利益を確保する方向であり、ファーウェイを締め出した国は、自国民に対して、中国への渡航に注意喚起をしている。
日経平均株価
日経平均は、、12月26日1万8,948円になり、12月27日にPKOを行い、2万0,211円まで戻して、1月4日に104円まで円高になり、1万9,241円まで下がり、その後1月21日2万0,892円まで上昇した。1月23日に2万0,438円まで下げて、1月25日2万0,773円で終えている。
日米貿易交渉で、米国は為替や自動車で強く出てくることが予想でき、FRBの利上げ停止で円高になる心配などもあり、日経平均も上げているが、NYダウほどには上げていない。しかし、日本電産の減益発表などで株価が下がるかと思いきや、日経平均が上がるなど、買戻しが優勢になっている。
今後、企業決算が出てくるので、その決算内容により、株価は決まる。中国経済の減速がどこまで影響しているかが、問題であろう。悪材料か好材料かが出てくると上下に動くことになるが、日銀のETF買い入れにより、株価の下落を抑えていることは確かである。
しかし、今後の方向感は下落であるが、今は小康状態である。
米国の政府機関閉鎖解消と軍事費削減へ
ハセットCEA委員長は、3月まで政府機関が閉鎖なら、米国経済は、ゼロ成長になると警告した。政府閉鎖でトランプ支持率が40%割れになり、トランプ大統領も早く事態を収拾したいが、壁建設を諦めると、次の大統領再選に支障をきたす。しかし、このままでは、政府職員の不満や政府機関閉鎖で統計業務や航空業務、認可業務などが滞り、米国経済の大きな重しになる。
このため、非常事態宣言を考えているが、民主党は憲法違反として訴訟を起こすというので、トランプ大統領も二の足を踏んでいる。そうでないなら、当面壁の建設を諦めるしかない。
と思っていたら、3週間の暫定予算を組み、政府機関閉鎖を解除する。しかし、これでは問題が解決したわけではないので、再度、政府機関閉鎖が起こることになる。
もう1つ問題があり、今年度の早い時期に米国債上限の引き上げがないと、米国債の返済が滞る債務不履行(デフォルト)に陥るリスクがある。
トランプ政権の大型減税と積極財政の影響で、2018会計年度(17年10月~18年9月)の財政赤字は前年比17%増の7,790億ドル(約88兆円)に膨張。トランプ氏は目玉施策の総額1兆5,000億ドル(約170兆円)のインフラ投資計画を本格化させたい考えだが、財政規律を重視する共和党はインフラ支出に見合った歳出カットを求めているので、今度は共和党が国債上限の引き上げで抵抗する可能性もある。
米軍は、シリアに続きアフガンからも撤退することになった。タリバンとの交渉で合意したようである。中東全体から撤退して軍事費を削減して、軍事予算を壁建設やインフラ改修に向けるようにも見える。米軍は、世界の警察官の役割を降り、モンロー主義を取り、ベネズエラなど南北アメリカ大陸の政治には介入するが、基本的には自国だけを守る存在になる。米国の覇権も米大陸に縮小する。
日露平和条約交渉
安倍首相がモスクワでプーチン大統領と首脳会談をしたが、何も成果がなく終わった。2島返還も難しいことが日本国民にも分かったはずである。そして、ロシアにいくら経済協力しても無駄であることも分かった。ロシアは戦争で手に入れた領土を返さない。
ロシアとの友好関係は、中国の強大化を相互にけん制する必要からの政策でもあったが、安倍首相が国民に2島返還ができると思わせたことで、おかしくなった。
永田町では2島返還で衆参同時選挙を目論んだが、ロシアの返還しないというメッセージで無理になった。
日韓関係の悪化と日本の安全保障
韓国の反日は、明確になった。これに対して、日本の対応が中途半端な状態である。米国から米韓日の連携を求められて、日本は韓国制裁に動けない状態になっている。
韓国の反日がある限り、日本も反韓にシフトしないと、韓国の日本軽視は一層過激化することになる。
そして、米国の国益だけを考えるトランプ大統領は、北朝鮮との合意を目指して、核廃棄ではなく核有りでの関係正常化を目指すことにシフトする意向のようである。ということで、この状態で朝鮮統一になると核の脅威が迫ることになる。
そして、韓国も核保有国化して、日本に核での恫喝をしてくることになる。このように、安倍外交の失敗が明らかで、強く出ない日本の穏便外交と優柔不断な外交が危機を大きくしている。
韓国の仕打ちにも対応できないことで、日本の優柔不断さが世界に知れ渡り、日本軽視の風潮にもなる。米国の自国優先主義を日本は無視するのが大きな失敗の原因である。米国依存の安全保障体系を変える必要が差し迫っていると心得ることだ。
今までの世界の構図から大きく変化しているのに、日本がその変化を機敏に見て構図を変えないことで、外交が失敗続きになっている。プーチン大統領が、日本は独立していないとしたが、その大きな問題が日本外交を失敗に導いている。
そして、今後、経済危機と存立危機の両方が日本を襲うことになる。それも日月神示に示されている。荒唐無稽な話と見ていたが実現化する。
ドイツの変心、フランスの親日
ドイツは、自国企業の中国進出をサポートして、中国との友好関係を日本の関係より優先していた。しかし、自国製品の輸出先であるEU内での中国製品の拡販で、ドイツ企業は大きなダメージを受け始めている。特に欧中直通貨物列車で大量の製品を欧州に持ってこられるようになり、欧州が中国製品の一大市場になっている。この影響を一番受けるのがドイツである。
そして、徐々にドイツが得意としている機械分野でも技術を盗まれ、安い中国製品に取って代わられ、中国国内での自動車の売れ行きも落ちて、中国への輸出も中国経済が減速してダメになっている。
このため、中国離れを起こしているようである。独ハイコ・マース外相は、台湾の武力統一を中国が示唆したことで、中国を批判している。また、米国のような強烈な制裁をしない中国との公平な取引交渉をしたが、交渉が暗礁に乗り上げ、埒が明かない状態になっている。
このような状況から、中国友好から日本との連携で自由世界を守る方向にシフトするようである。このことは、ヒットラーが予言したことであるが、その方向に、やっとドイツは向かうことになった。
第2次大戦前、日本は科学技術分野でそれほど大きな存在ではなかったが、その内、日本は科学技術分野で一流になると予言して、ドイツのヒットラーは日本を対等な同盟相手として認めたのである。
そして、フランスと日本は、ルノー・日産のアライアンスで結びついている。日本の技術がフランス経済の中心を担っているともいえるので、フランスも日本との関係を大切にするしかない。
日独仏の連携で、米国の一国主義も中露の全体主義も乗り越える必要があり、そうすると、日本はロシアや中国との関係も変化させる必要になる。中露時代の対抗勢力として、日独仏同盟ができるのかもしれない。特に、ロシアとの関係は、北方領土の返還もないなら、EUと同じレベルへ引き下げも考えるべきである。
もう1つ、日本が、米同盟とEUをつなぐブリッジになる可能性が出てきた。この準備のために、メルケル首相が日本に来ることになったと見る。
このような独仏との関係によって、今まで失敗続きの日本外交の立て直しを期待したい。
さあ、どうなりますか?